「日米イールドギャップ」と「ダブルトップ」

「日米イールドギャップ」と「ダブルトップ」

2021年3月25日日経新聞に『「彼岸底」探る日本株』が掲載されている。

『多くの投資家の目には想定を超える株安と映っているに違いない。24日の日経平均株価は4日続落し、この間の下落幅は1811円(6%)に達した。この下げはいつまで続くのか。足元の株安の根っこには、急激といえる米長期金利の上昇が横たわる。そうである以上、株価の先行きを読むには、米金利と日本株の位置関係を確かめる必要がある。

米金利と日本株の適正な位置関係はどこにあるのか。予想1株利益(EPS)を株価で割った益回りから米10年債利回りを引いた「日米イールドギャップ」をたどると、15年以降は4%が下限になっている。15年5月と18年1月に、日米イールドギャップはちょうど4%まで低下した後にはね返されているからだ。

この数値は下がれば下がるほど、債券価格に対して株価が割高になっていることを示す。過去2回はイールドギャップがちょうど4%まで低下したところで株価が下落に転じ、株価の割高さは解消されていった。足元は米金利上昇によってイールドギャップが23日時点で4.02%まで低下していた。4%の経験則が当てはまるのであれば、益回りは上昇するしかない。予想EPSを一定と考えれば株価は下がるほかなく、これが今回の株安につながっていると考えられる。

日本では「節分天井、彼岸底」という相場格言が語り継がれてきた。3月中旬に相場が底を入れる根拠は決算対策売りが一巡するからとされるが、海外投資家のシェアが高まる近年では「彼岸底」は当たらない格言のひとつになってきた。だが今年はこの「彼岸底」が久々に的中するかもしれない。米長期金利の上昇に目を奪われていると、相場を読み誤るだろう。』

2021年3月23日日経新聞に『「ダブルトップ」下落の予兆?』 が掲載されている。

『日経平均株価がテクニカル分析上の「ダブルトップ」に近いチャート形状になっている。ダブルトップは相場が2回天井を付けた後、それらの谷間にあたる水準をさらに下回った場合を示し、高値圏にある相場が下落基調に転じるときに表れやすいとされる。日経平均は2月16日に3万0467円を付けた後に調整し、その後3月18日に3万0216円まで上げた。調整時の2万8743円を下回れば、ダブルトップが形成される。その場合、調整の谷は深くなる経験則があるという。2月16日に日経平均は200日移動平均から上に26%乖離(かいり)していた。3月23日時点の乖離率も15%と高い水準。みずほ証券の中村克彦マーケットストラテジストは「25%以上離れて上がり続けるのは難しい」と話していた。』

この2つの記事は見方が異なる。最初の記事では「日米イールドギャップ」で、そろそろ株価は「彼岸底」を迎えるのではないかという見方で、後者はチャートによる「ダブルトップ」が形成されれば調整が深くなるという見方である。ファンダメンタルズ対チャートによる見方は一長一短があり、どちらの可能性も否定も肯定もできない。このような指摘はもっともらしいが、一長一短があり五分五分。それより重要なことは節目をチェックして、どちらにも対応可能にしておくことではないだろうか。「ダブルトップ」は3月5日安値28308円を下回ると完成して下落幅が大きくなる一方、2月16日高値30714円を上回ると新しい上昇相場が始まることになる。このようにファンダメンタルズやチャートからいまいち判断はしにくいが、T2からの注目点は既に天井圏に入っており、どこで天井を打つかだけである。だからこそ、決めつけないことである。