「辛丑(かのと・うし)」の 2021 年

「辛丑(かのと・うし)」の 2021 年

皆様、改めまして今年も一年よろしくお願いいたします。

『2021 年の「干支(えと)」は?』と問われると、現代では多くの人々が『丑年(うし年)』と答えます。しかし、毎年お伝えしていますように、これでは正しくはありません。正しい「干支(えと)」は、「十干((甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)」8 番目の「辛((かのと・しん)」と「十二支(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)」2 番目の丑(うし・ちゅう)の組み合わせである「六十干支」38 番目の「辛丑(かのと・うし)」。「十干」とは太陽の運行を基準にして日の出から日の入りまでを 10 等分し、そこに生命の生から死までを投影して表現する一方、「十二支」とは月の満ち欠けを基準にして同じ様に生命の循環を投影したもの。この太陽と月という 2 つの異なる成長サイクルを組み合わせて、万物の生命の理を表現しようとしたのが「干支(えと)」ということになります。

まず「十二支」の「丑」という文字ですが、手指に固く力を入れてひねる様子をかたどった象形文字であり、芽が種子の中に生じて、まだ伸びることができない状態を示しています。最も動きが緩慢で歩みの遅い丑(牛)の年は、結果を求める時期ではなく、結果につながる道を先を急がず一歩一歩着実に物事を進めることが大切な年と言われています。また、糸へんに丑と書く「紐(ひも)」という文字からつかむ、からむという意味があり、結びつきが強くなる年とも言えそうです。

ただ、「十二支」の「支」は「枝」に通ずることから、あくまでも外見的な「現象」を意味し、逆に、「十干(じっかん)」の「干」は「幹」で内面的な「本質」を表していることから、西暦下一桁と一致して 10 年サイクルを司る「十干」は特に重要と言えます。今年のように西暦下 1 ケタに「1」の付く年は「辛(かのと)」となり、「十干」では 8 番目。「辛」は“からい”や“つらい”と読むように辛く大変な出来事を乗り越えて全く異なるステージに移る年と言えそうです。また「辛」は「新」という字に通じ、草木が枯れて新たな世代が生まれようとする状態を表します。2020 年の「更」という字に通じる「庚(かのえ)」との組み合わせで「更新」という意味となるため、西暦下 1 ケタに「0」の付く「庚(かのえ)」には 1990 年の内需バブル崩壊、2000 年の ITバブル崩壊のようにバブル崩壊が起きやすく、さらに西暦下 1 ケタに「1」の付く「辛(かのと)」には「世界中で甚大な被害となる出来事」に見舞われています。2011 年 3 月 11 日の東日本大震災は記憶に新しいですが、その 10 年前の 2001 年 9 月 11 日アメリカ同時多発テロ、更に 10 年遡る 1991 年は湾岸戦争など世界中を震撼させ多くの犠牲者を出す痛ましい事件が起きています。戦後はなんといっても 1971 年 8 月のニクソンショックを忘れることはできませんが、2021 年はどのような大きな事件が起きるのか。

このように「痛みを伴う衰退」の「辛」と「新たな息吹」を示す「丑」の特徴を併せもつ「辛丑(かのとうし)」の 2021 年を一言で表すと「転換期」の年。60 年前の前回の「辛丑(かのとうし)」にあたる 1961 年(昭和 36 年)は「第二次池田内閣発足」や「ジョン・F・ケネディ大統領就任」など大きな指針の転換、「ベルリンの壁の建築」に象徴される分断や二分化を引き起こす出来事が多発、「第二室戸台風襲来」、さらに「梅雨前線豪雨」、「日向灘地震」など大きな被害の自然災害や「ガガーリンの人類初の有人宇宙飛行」を機に宇宙への可能性が大きく飛躍しました。個人的には「一」を借りて、「辛い」丑の年が「幸い」な丑の年となり、大難が小難に、小難が無難になることを祈りたいものです。一方、戦後の日経平均株価の年間騰落率を振り返ると、「丑」年は-0.1%で十二支中、下から 2 番目のマイナスのパフォーマンスの年、「辛」の西暦末尾「1」の付く年は+9.9%で十干中で 7 番目のパフォーマンスとどちらもあまり良いパフォーマンスの年ではないため、世間の楽観予想に惑わされず、相場格言の「丑つまずき」となることも想定しておきたいところです。

今年もコロナウィルスがまだ消えない不安の中で生きていく必要がありそうですが、前述のようにまさに「転換期」の年で、「当たり前を地道に進める日々の努力」が大事な一年となりそうです。昨年、作った将来を見つめた新しい計画を着実に実行することが重要ということになります。昨年も指摘しましたが、「古いものにしがみついていても逃げ切れない」ような世の中を大きく変える出来事が次々と起こりやすいためです。私はここ数年変わらぬテーマですが、毎日、「リズム・タイミング・バランス」で「バイタリティ」を持って物事に取り組み、毎年のように「何事もゆっくり丁寧に!」をテーマに時代の変化を楽しみたいと思っております。

今年もいろいろとお世話になるかと思いますがご指導のほどよろしくお願い申し上げます。