タピオカブームは不況のシグナル?

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タピオカブームは不況のシグナル?

”平成最後の食ブーム”といっても過言ではないほど爆発的な勢いで盛り上がっていのが「第3次ブーム」を迎えているといわれるタピオカドリンク。東京には300店以上のお店が乱立し、特に原宿から表参道にかけては36社、38店舗のお店がひしめく激戦区となっている。若年層の女性を中心に「タピる」(タピオカドリンクを飲むこと)や「タピ活」(タピオカドリンクを飲む活動のこと)といった新しい言葉が生まれ、また業務スーパーでは即席のタピオカが品切れ続出となるなど、第3次ブームの勢いはとどまるところを知らない。

では何故今、タピオカブームが起きているのか?今回のブームの発端は台湾のタピオカミルクティー発祥の店「春水堂(チュンスイタン)」が代官山に海外1号店を開いたことらしい。最近は雑誌でも台湾特集をよく見かけるようになったが、一般社団法人日本旅行業協会によると、旅行会社を対象に調査をした「人気旅行先ランキング」では台湾は年末年始の旅行先で4年連続1位、GWの旅行先では5年連続で1位に輝く「台湾旅行ブーム」。夏休みの旅行先でもハワイとトップを争うのが近年の傾向となっている。また台湾観光協会によると、2018年(1~12月)に日本から台湾を訪れた訪台日本人旅行者数は前年比3.7%増の196万9151人と、過去最多に達したという。黒タピオカドリンクは本場台湾では「定番グルメ」で日本人観光客が滞在中に必ず飲むものだが、そんな背景があったところに台湾からの話題の店がオープンしたことで流行に敏感な女性達が殺到したのだろう。

「タピオカブーム」の歴史を振り返ると、第一次ブームは92年の白いタピオカが入った「ココナッツミルク」がエスニックブームでタイ料理のデザートに出てきたタピオカココナッツミルクが一気にブームになった。第2次ブームは2008年、台湾ブランドの上陸で黒いタピオカを使ったミルクティが流行り、「以前のブームを知らない女子高生」(日経MJ 2008年6月2日)の間でブレイク。そして、そのリバイバルブームとも知らない若者たちを中心に今回の「第3次ブーム」が起きているといわれている。だが、日経流通新聞 2000年12月26日に『台湾で人気の「ジュンズナイ茶」が日本の街角にも登場した。冷たいミルクティーに沈んだ黒タピオカを極太ストローでズルズル。カエルの卵のような不気味さと、モチモチした食感が奇妙にウケた』と報道されており、2008年以前の2000年頃にも「黒タピオカブーム」は存在しているようにも思われる。92年の初回ブームからは数えると第4次ブームの可能性も否定できないということである。そうすると、「タピオカブーム」は8~9年周期で起きていることになる。

今回、何故「タピオカブーム」を取り上げたかというと、株式市場ではタピオカブームは不況のシグナルであるという「アノマリー」が一部で囁かれているからである。「アノマリー」とは具体的な根拠や理論をもって説明することはできないものの、経験則上よく当たるといわれる物事のことをいう。第何次「タピオカブーム」かの議論は別に置いておくとして、初回の白タピオカブームはバブル崩壊後に起きたが、黒タピオカブームの2000年はITバブル崩壊、08年はリーマンショックに繋がっている。今回の第三次ブームも何かの崩壊の予兆ではないかと考えるのは自然の流れではないだろうか。

現在の第3次ブーム(第4次ブームかもしれないが?)は一過性のものではなく、根付いた文化との意見もあるようだが、ブームの対象が移り気の早い若い女性層であることを考慮すると、ブームがいつかは下火になることは過去が証明している。現在の「タピオカブーム」が終わるとき株価の暴落が始まるのか、株価暴落が起きて「タピオカブーム」が終焉するのか、どちらかが先に起こるかは別にしても「タピオカブームは不況のシグナル」のような気がしてならないのだが・・・。