何故、「金利高・株高」が起きているのか?

何故、「金利高・株高」が起きているのか?

2020/11/13日経新聞に『業績相場、近づく足音~脱・緩和頼みで金利高+株高』が掲載されている。

『株高の勢いが止まらない。12日の日経平均株価は1年2カ月ぶりとなる8日続伸を記録した。急ピッチな株価上昇を「カネ余りによるバブル相場」と警戒する声は根強い。だが、ころころと変わる物色動向から一歩引いて全体を見渡せば、市場で重要な変化がひとつ起きているのに気づく。金利高と株高が同時に進む新たな局面に入っているのだ。

大統領選前に0.6%台だった米10年債利回りが0.9%台に上昇。一方、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和スタンスは変わっておらず、2年債利回りは0.1%台に張りつく。結果、10年債から2年債を引いた長短利回り格差は今年、2回トライして破れなかった0.7%の天井を突き抜け、10日に今年最大の0.79%に拡大した。今年に入り、0.7%近くまで長短の利回り格差が開いた過去2回は、株価がいずれも急落した。はじめの3月上旬は、コロナショックで株も債券も一斉に売られるリスクオフが起きた。2度目の6月11日は直前の金利急騰を嫌気し、ダウ工業株30種平均が突然、1日で1800ドル超下げた。
「今は景気と企業業績が明らかに改善しはじめ、金利と株価が同時に上がる正常な状態に戻っている」。言い換えれば、世界的な中銀の緩和策によるカネ余りだけが支援材料だった「金融相場」から、景気や企業業績に沿って株価が動く「業績相場」へと局面が移り始めたともいえる。グローバル投資家(銀行除く)の株組み入れ比率は、過去20年間の平均水準を下回る。一方、債券は平均を超える状況が続いている。現在進行する「金利高・株高」は、債券に偏った投資家の資金が債券から株へとシフトし始めた表れだ。

株価が上がりつづけるとすぐに不安になってしまうのは、我々が長らく続いた金融相場に慣れてしまっているからなのだろう。米大統領選を境に相場のフェーズは変わった。今度は「金利高・株高」という新たな日常に慣れないといけない。』

冒頭の記事は、拙書『暴落はまだ終わっていない!』の第4章『データが示すアメリカの危機と限界』の「古い常識では市場関係者自ら暴落の引き金を引く恐れも」(P147)で紹介しているT-Modelの『イールドカーブ理論』を勉強されて書かれたような内容である。この記事のポイントは、『10年債から2年債を引いた長短利回り格差は今年、2回トライして破れなかった0.7%の天井を突き抜け、10日に今年最大の0.79%に拡大した。今年に入り、0.7%近くまで長短の利回り格差が開いた過去2回は、株価がいずれも急落した。はじめの3月上旬は、コロナショックで株も債券も一斉に売られるリスクオフが起きた。2度目の6月11日は直前の金利急騰を嫌気し、ダウ工業株30種平均が突然、1日で1800ドル超下げた。』。つまり、T-Modelの『イールドカーブ理論』の長短金利差が0.7%まで拡大した3月上旬、6月上旬の「金融引き締め」局面同様に今回も急落調整が起きるかである。

現在の相場は、T-Model理論の『新しい教科書』を理解していない大半の慎重派の国内の市場関係者が海外ヘッジファンドなどの短期的な上げに慌てて追随して買わされている。「金利高・株高」はこうした相場についていけない投資家が機会損失のリスクを恐れた買いが原因であり、「業績相場」が始まったと考えるには無理があるだろう。T-Modelの『イールドカーブ理論』との綱引きが今、始まっており、慎重派の投資家の買いが一巡すると目先の相場は天井を打ちやすいと言えるのではないだろうか。