安倍晋三首相が辞任を表明、今後の日本の行く末は

安倍晋三首相が辞任を表明、今後の日本の行く末は

2020/8/29日経新聞一面に『政策遂行 切れ目なく』の社説が掲載されている。

『連続在任日数で歴代最長記録を更新した4日後、安倍晋三首相が辞任を表明した。新型コロナウイルスの収束や経済再生は道半ばである。台頭する中国を見据えた日米同盟の不断の強化も欠かせない。誰が次期首相になろうとも日本を取り巻く状況は厳しく、政策を切れ目なく遂行しなければならない。

「国民のみなさま、8年近くにわたり本当にありがとうございました」。28日午後5時からの記者会見。淡々と話す首相の姿は病気と闘いながら職務を続ける重圧からの解放に安堵しているようにもみえた。

首相辞任の情報が伝わった28日午後2時すぎ、日経平均株価は一時、前日比で614円下がった。1年ごとに首相が交代した民主党から政権を奪還し、歴代最長となった政権が政治に安定をもたらし、経済を回復基調に乗せたのは確かだ。

28日の株価の下落は裏を返せば市場が首相の経済政策「アベノミクス」に一定の評価を与えていたことになる。外交も同様だ。トランプ米大統領との蜜月はかつてない強固な日米同盟関係を築き、日本の外交力を高めた。

次期首相に積み残された課題は多い。新型コロナの克服と東京五輪・パラリンピックの開催は宿願だ。一方でコロナ対策の巨額な財政出動で構造改革は遅滞する。脱デフレを宣言し、安定的な成長を実現する総合戦略を示さなければならない。

外交も待ったなしだ。中国は戦後の国際秩序を形作ってきた米国の覇権に挑む。南シナ海での軍事的な緊張で米中対立は経済から安全保障の領域に広がる。』

今年の年初の2020/01/14『子年83%、五輪100%と首相交代の確率が高い2020年』のT-Modelコラムにおいて、

『子年83%、五輪100%と偶然としても首相交代の確率が高い2020年。また、岸氏は安倍首相の祖父、佐藤氏は大叔父にあたり、一族が子年に受難を受ける傾向も浮かび上がる。そうしたこともあってか、後継首相をめぐる話題が多くなっている。安倍晋三首相は昨年末のテレビ番組で「ポスト安倍」の候補として、自民党の岸田文雄政調会長、茂木敏充外相、菅義偉官房長官、加藤勝信厚生労働相の4人をその順番であげた。安倍首相がこうした具体的な名前を挙げるのは初めて。一方、自身の自民党総裁4選の可能性を問われると「考えていない」と否定した。なお、各種調査でよく名前が出てくる石破茂元幹事長については「大変勉強熱心で、チャレンジ精神にあふれている方だ」と答えた。

ただ、どの後継首相も長期政権後のプレッシャーと政策に対する残務処理で短命に終わる傾向がある。戦後の長期政権を振り返ると、吉田茂政権後の鳩山一郎政権は1954年12月~56年12月(2年)、佐藤栄作政権後の田中角栄政権は1972年7月~74年12月(2年5か月)、中曽根康弘政権後の竹下登政権は1987年11月~89年6月(1年7ヶ月)、小泉純一郎政権後の安倍晋三第一次政権は2006年9月~2007年9月(1年)と短い。安倍政権後、誰が首相になっても同様に短い政権となる可能性が高いだろう。特に、「アベノミクス」では日銀とGPIFによる日本株の買い上げを行っていることから、その残務処理は未知の処理となることで想像もつかない労力を要することだろう。また今年は衆議院解散・総選挙も噂されている。安倍首相がそれを実行することで「政変の子年」のジンクスの歯車が動き出す可能性も否定はできないだろう。』と指摘。2月のセミナーでも、『子年83%、五輪100 %と首相交代の確率が高い2020年』を強調したが、現実化したかたちだ。

メディアでは、総裁選挙は9月上旬告示、14日に投開票のスケジュールで、菅義偉官房長官の新総裁の可能性を報じている。世論調査では、「4年以上」求める人が56%、「4年以上できるだけ長く」が29%、「およそ4年くらい」が27%、「来年9月の自民党総裁任期まで」が19%、「およそ2年くらい」は15%と次も長期政権を期待する人が多い。来年9月の総裁選で再選すればさらに3年で合計4年の任期となる。政権を維持するにはその間の国政選挙に勝ち続けなければならない。戦後の長期政権を振り返ると、吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎までは18年~19年ごとに誕生していることから本来であれば2024年~25年だったはず。たが、小泉純一郎の後、6年後に誕生した今回の安倍政権は異例中の異例だったのだろう。安倍政権の例もあるので一概には言えないが、最短でも6年後の2026年、通常なら2038年~2039年まで待たなければ、国民が期待するような長期政権は誕生しないと考えておいた方が良いのではないだろうか。それだけ厳しい日本を迎えると覚悟すべきなのだろう。