戦後最長記録を更新できなかった「アベノミクス」

戦後最長記録を更新できなかった「アベノミクス」

20/7/22日経新聞に『「景気後退」認定へ、戦後最長ならず~回復は18年10月まで』が報道されている。

『内閣府は2012年12月から始まった景気回復局面が18年10月に終わり、景気後退に入ったと認定する方針だ。拡大期間は71カ月にとどまり、08年2月まで73カ月続いた「いざなみ景気」の戦後最長記録を更新しなかった。期間中の成長率は過去の回復期を下回り実感の乏しい回復となった。内閣府の経済社会総合研究所が7月中にも経済学者や統計学者、エコノミストらで作る「景気動向指数研究会」(座長・吉川洋立正大学長)を開き判断する。鉱工業生産指数など9指標をもとに検討し、後退局面への転換点を示す景気の「山」を18年10月と暫定的に認定する見通しだ。

18年10月は米中貿易摩擦の激化で世界経済が減速し、輸出や生産に停滞感が強まり始めた時期にあたる。19年春から夏にかけて内需を中心に持ち直した後、消費税率の引き上げや大型台風でブレーキがかかり、新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけた。

日本の景気回復は02年2月から08年2月まで73カ月続いた「いざなみ景気」が戦後最長だ。12年12月から始まった今回の回復について、19年1月に茂木敏充経済財政・再生相(当時)が「戦後最長となったとみられる」と言及していた。

今回の景気回復の長さは戦後2番目となる。この間の経済成長率は平均で年率1.1%程度で、景気動向指数の上昇幅は12.7ポイントだった。いざなみ景気の約1.6%、21.0ポイントをそれぞれ下回る。回復実感が乏しいのは家計部門への波及が鈍かったことが大きい。企業の内部留保は業績拡大で増えたものの、賃金の伸びは鈍い状態が続いた。家計の社会保険料や税負担も増加傾向だった。』

「今になって18年10月が景気の山だっと言われても?」と誰もが思ったのではないだろうか。3月26日、3月の月例経済報告では、国内の景気判断を「足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」と下方修正し、2013年7月以来続いてきた「回復」との表現を6年9カ月(81ヶ月)ぶりに削除した。だが、それは今年の2月までは政府は景気が回復していると認定していたということを意味するからだ。あまりに無責任すぎる景気判断と言えるのではないか。

「景気の山・谷の判定に用いる景気動向指数は生産の動きの影響が強すぎるとの指摘がある。内閣府は産業構造や働き方の変化を踏まえて見直しを進める。」と大きく見誤った言い訳を述べている。製造業のウエイトは早くから落ちているのに今更といった印象。何故、早くに見直しをしないのだろうか。

現状判断DIが18年5月から景気判断の分かれ目である50を下回り続け、早くから景気後退を示していた「景気ウォッチャー調査」を使用すれば良いだけの話なのに何故なのか?19年10月に「消費増税」を実施するために、さじ加減でどうにでもなるのかもしれない「景気動向指数」という曖昧な景気指標を使用していると穿った見方もされてしまうだろう。それよりも政府の景気判断を信じて行動していた企業や個人は今頃、はしごを外されたような気持ちではないだろうか。自分の身は自分で守るしかない時代を迎えているのである。