欧州の減税に対し、日本の実質増税

欧州の減税に対し、日本の実質増税

ドイツのメルケル政権は付加価値税(VAT)を半年間引き下げ、景気を刺激する方針だ。6月3日の発表によると、7月1日~12月末まで、現在の19%のVAT標準税率を16%に、書籍や食品を対象とする軽減税率を7%から5%する計画。約200億ユーロ(約2.4兆円)の減税を見込んでいる。

また、英国でものスナク財務相は、新型コロナウイルス危機による景気悪化対応策の一環として、付加価値税(VAT)の減税を検討している。タイムズ紙によると、VATの税率引き下げや一定期間「ゼロ税率」を適用する品目を拡大することなどを検討するもようで関係当局に指示した。7月上旬にも発表する可能性があるという。英国はヨーロッパでVATの引き下げを行った最初の国で、2008年の金融危機時にも2008年12月~13か月間、付加価値税を17.5%から15%へ一時減税を行った。英国の付加価値税(VAT:Value-added tax)は1973年に導入され、導入当時の税率は10%だったが、2011年にはキャメロン政権の下で20%へ引き上げられている。

一方、日本では2019年10月から実施しているキャッシュレス決済でのポイント還元が6月末で終了する。2020年3月2日までの対象決済金額が約6兆5000億円、還元額は約2690億円であったが、6月末で還元額は約5000億円規模に達する見通し。キャッシュレス・消費者還元事業は、2019年10月1日の消費税率引上げに伴い、需要平準化対策として実施された。ただ、コロナショック以前の消費動向を見ても、消費増税の影響を軽減するほどのインパクトはなかったが、無いよりはましといったところだろうか。ただそのポイント還元も6月末に打ち切られる。

欧州での付加価値税の減税い対し、日本は実質増税。コロナ対策の第二次補正予算を組むほどの経済政策を打ち出しながら実質増税はあまりにちぐはぐな政策であり、政府の経済政策の一貫性の無さが浮き彫りになっている。

7月5日の東京都知事選では、れいわ山本氏など消費税減税や廃止を公約に掲げる候補もみられる。だが、どれほど有権者に消費税減税や廃止が響いているのかが疑問である。消費税減税など現実的ではないといった有権者の諦めからくるものなのか、欧州の付加価値税に比べると日本はまだまだ低いという刷り込みに納得してしまっているからなのだろうか。このような有権者ばかりなら付加価値税と消費税の違いを一から勉強しないと、日本の内需は永遠に浮上しないのではないだろうか。