GPIFが2019年度第3四半期の運用実績を発表

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GPIFが2019年度第3四半期の運用実績を発表

2月7日に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が発表した2019年度第3四半期(10月~12月)の運用収益率はプラス4.61%、収益額は7兆3613億円増加し、4四半期連続のプラスとなった。米中貿易協議の進展等から国内外の株式が大幅上昇し、国内株式が+8.6%、外国株式+9.7%と貢献する一方、国内債券は-1.0%と5四半期ぶりにマイナス、外国債券は米欧金利の上昇を受けた評価損を円安による円換算額の押し上げで+0.9%と4四半期プラスをキープした。尚、2019年12月末時点の運用資産額は168兆9897億円と18年9月末以来の過去最高を更新した。

GPIFは来年度からの中期計画に向けて基本ポートフォリオの見直しを進めている。市場などへの影響を考慮し昨年7-9月期の運用成績から、内外債券・株式別の保有額や構成比、四半期ごとの収益額を非公表とした。7-9月期と10-12月期の同項目は7月に公表する予定の19年度の運用成績と併せて明らかにする。

2019/11/05『2019年度第2 四半期に突然発表された『保有資産の内訳非開示』の目的は?』のT-modelコラムにおいて、

『今回、このような突然の『保有資産の内訳非開示』には何らかの裏の理由があると考える方が自然だろう。14年10月の中期基本ポートフォリオ変更の際、T-Modelオリジナル指標の『国内株式比率と日経平均の連動性』を初めてご紹介したが、こちらと何らかの関係があるかもしれない。公表はしていないが、19年9月末時点の国内株式比率を推計すると、24.1%と再び、国内株式比率が中期基本ポートフォリオの25%に近づいている。つまり、外国人投資家の買いが一向に増えない現状において、日本株吊り上げ目的にGPIF資金が必要となり、その場合、国内株式比率の中期基本ポートフォリオの25%がネックとなるためだろう。25%超で買い上げれば、メディアに対して説明責任が問われる可能性があるからだろう。今回の非公開で少なくとも2019年度第4四半期(20年1-3期)までは避けられることになる。

GPIFからの国内株式への流入金額を月次ベースで試算したものと、日銀の株式ETF投資の金額(月次ベース)の合計した累計金額を日経平均と比較すると、極めて近い動きを示している。つまり、現在の日本株はアベノミクスのもとに行われたGPIFと日銀による買い上げで形成されていることを意味する。17年12月末に国内株構成比26.1%と初めて中期基本ポートフォリオの25%を超えてからは同累計金額が18年9月40兆円をピークに頭打ち傾向となっていたが、19年9月末44.4兆円とアベノミクス以降で最高金額まで膨れている。あくまでも推測の域はでないが、国内株構成比を非公開とすることで25%超の売却すべき部分の売り圧力が20年4月までは減ると同時に、新たな資金流入で買い上げることも可能になる。10月第2週からの不自然な日本株の上昇もGPIF資金によるものなのかもしれない。消費増税による不況対策が目的なのか、それとも衆議院解散総選挙に向けての株高なのか、その目的は定かではないが、GPIFによる不自然な株価吊上げが行われている可能性が高いだろう。今後の注目点はやはり20年4月以降に発表される保有資産の内訳、特に、国内株式比率がどこまで上昇しているかだが、世間はその時になって驚かされるのかもしれない。T-Modelでは毎四半期に国内株式比率を推計する予定であり、そちらをチェックされることをお薦めする。』と指摘した。

今年7月まで『保有資産の内訳非開示』だが、19年12月末時点の国内株式比率を推計すると、25.2%と中期基本ポートフォリオの25%を超えた可能性が高い。通常ならば、ここからは日本株を買い上げることは難しくなり、25%超の分は売り圧力となる局面だが、7月まで非開示としたことでどうコントロールするのかが注目される。

また、GPIFからの国内株式への流入金額を月次ベースで試算したものと、日銀の株式ETF投資の金額(月次ベース)の合計した累計金額は、45.9兆円と過去最高に膨らみ、昨年9月からの日経平均の大幅上昇の一因となっている。同累計金額と日経平均の連動性をみれば現在の日本株の上昇はこうした資金で支えられたものであることは明らか。また内閣府は2月7日、景気動向指数による基調判断を5ヶ月連続の「悪化」とし、これだけ「悪化」が長引くのはリーマン危機前後の08年6月~09年4月(11ヶ月連続)以来と発表。悪化する景気と株価の乖離が益々大きくなってきている実態が浮き彫りになっている。つまり、いくら業績や景気を分析しても今年の相場をみる上では無意味であるということであり、資産構成比を開示する7月まで同資金をどのように使うかにかかっていることは忘れないことである。