NYダウの今年2 番目の下げは何が原因か?

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NYダウの今年2 番目の下げは何が原因か?

長期金利の低下が世界的に加速している。日本の長期金利は3月22日、約2年4カ月ぶりの水準にまで低下し、ドイツは再びマイナス圏に落ち込んだ。米連邦準備理事会(FRB)が3月19日~20日に開催されたFOMCで2019年中の利上げを見送る方針を示し、金利の低下観測が強まったことが直接のきっかけ。ただ、根底には世界的な景気悪化懸念があり、米国では米10年債利回りは一時2.41%台に下げ、約1年3カ月ぶりの水準に低下し、2.46%台で推移した米財務省証券(TB)3カ月物を下回った。10年と3カ月の金利が逆転するのは07年8月以来、11年半ぶりのことで、市場では景気後退のシグナルとされる「長短金利の逆転」が生じたことで運用リスクを避ける空気が強まり、3月22日の米株式市場でダウ工業株30種平均が急反落し、前日比で460ドル下落した。

今回、長短金利が11年半振りに「逆転」したのは「10年-3ヶ月」だが、いつも使用している「10年-2年」でも長短金利差は0.12%まで縮小、リーマン・ショック以降で過去最小まで縮小している。先週末の市場では11年半振りに「逆転」した「10年-3ヶ月」を不況の前兆とされる現象と捉え警戒したようだが、いつも指摘しているように長短金利差の縮小は「実質第3の緩和策」であり、逆に、緩和策が継続していることを示したに過ぎない。これが市場関係者の多くが勘違いしているポイントであり、今回のNYダウの急落は「暴落」の始まりではなく調整局面に過ぎない。従って、再び、反発する可能性が高いとみるべきだろう。これまでと異なるポイントをあげるとすれば、従来は米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を引き上げることで「実質第3の緩和策」である長短金利差の縮小を行ってきたが、2019年中の利上げ見送り方針を示すなか長期金利が低下するかたちで長短金利差縮小を実現して
いることである。

今回の急落調整は市場で主因と考えている11年半振りに「逆転」した「10年-3ヶ月」の長短逆転は間違いであることを指摘したが、では、何故起きたのかだろうか?それは世界景気の減速懸念が主因と考えられる。

6~9ヶ月先の世界景気を占うとされる経済協力開発機構(OECD)の景気先行指数の2019年1月が99.13と09年10月以来、9年3ヶ月振りの水準に低下、17年11月からの減速がまだ止まっていないためである。実は、同指標はNYダウの前年比と連動性が高く、景気先行指数の底入れが確認できないなかNYダウの反発が急激すぎて先走ったために起きたスピード調整といったところだろうか。また、同指標は景気ウォッチャーの現状判断DIとの連動性とも強く、日本の景気を見る上でも重要な指標と言えるだろう。同指標の底入れが見えると再び、NYダウは反発局面を強めることから、市場がこのように勘違いしている間はまだ急落すれば投資チャンスが続くとの投資スタンスを継続すべきではないだろうか。暫く、世界の景気指標から目が離せなくなってきている。