T-Modelの予告通り、NY 金は1700 ドル割れ

T-Modelの予告通り、NY 金は1700 ドル割れ

2021/3/6日経新聞に『金、止まらぬマネー流出 1700ドル割れ~米金利の上昇重荷』が報道されている。

『金価格の下落が続き、心理的な節目である1トロイオンス1700ドルを割り込んだ。コロナ後の米景気の回復期待に、巨額の財政出動に伴う米国債の増発観測や先行きの緩和縮小の見方も加わり、米金利の上昇が加速。金利の付かない金からの投資マネーの流出に歯止めがかからない。金利の先高観は消えず、市場には一段の値下がりを警戒する見方も広がっている。

国際指標となるニューヨーク金先物は日本時間5日の時間外取引で一時1トロイオンス1680ドル台まで下落、昨年6月以来約9カ月ぶりの安値を更新した。主因は米金利上昇だ。指標となる米10年債利回りは4日1.5%台に上昇。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が4日の米メディア主催の討論会で、足元の米金利上昇について具体的な抑制策に言及しなかったことから、市場には「FRBが金利上昇をさほど警戒していない」との見方が広がった。これに伴い、名目金利から市場が予想する将来のインフレ率(期待インフレ率)を除いて算出する米実質金利(10年)もマイナス0.6%台と、2月中旬ごろまでのマイナス1%台から上昇した。

実質金利は金相場との逆相関の傾向が強い。昨年はコロナ後の金融緩和で米実質金利は大幅なマイナス水準に低下した。実質金利の低下はお金の実質的な価値の目減りを示しており、現金から金へなど実物資産への投資を促した。逆に今回のようにマイナス幅が縮小する局面では、それまでの取引が逆転するきっかけとなる。

金利環境の変化を受けて、金市場から投資マネーの流出が加速している。最も鮮明なのが昨年、過去最大規模の資金流入を記録した金上場投資信託(ETF)だ。金の国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、世界の金ETFは2月に購入から売却を差し引いたネットで46億ドル(重量ベースで84.7トン)の資金流出超となった。世界の運用資産残高は、値下がりや資金流出を背景に2070億ドル(3681トン)と、昨年6月以来の低水準になった。

金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎氏は「昨年の急騰局面で金を購入した個人投資家や海外ファンド勢が持ち高を手じまい、より値上がり益を狙いやすい株やビットコインなどにシフトした」と指摘する。今後も金の下げが続くかどうかは米金利次第の面も強いが、マーケットアナリストの豊島逸夫氏は「金は当面下げトレンドに入った」とみる。足元の金価格は長期のトレンドを示す200日移動平均線を明確に下回り始めた。豊島氏は「当面1650ドル前後まで下げる可能性がある」とみる。』

昨年8月頃、NY金価格が2000ドルを超えて史上最高値を更新したときに、多くの市場関係者が「もっと上がる」と強気のコメントが大半だったことを覚えているが、冒頭の記事で当時と全く逆に「弱気」とも思える明らかに迷ったコメント。いつもお伝えしているように「上がれば強気、下がれば弱気」では投資をしても一生儲かることはないだろう。まだ万年強気の方がマシなのかもしれないが。

当時、T-Model1では、

2020/08/03『『NY金、初の2000ドル超え』は更なる上昇のサインか?』と、その1ヶ月後に、2020/09/23『NY金価格が9 月21日、ついに1900 ドル大台を割れ』のT-Modelコラムを配信した。

『NY金価格が9 月21日、ついに1900 ドル大台を割れ』のT-Modelコラムでは、

『T-Modelの「ゴールドシルバーレシオ」は8月に危機が起きるサインである80の分岐点を大きく割り込んだ。つまり、危機が遠のいたことを意味する。「金を今すぐ買わなければ」と2000ドル台の史上最高値圏で金を購入された方は1900ドルを割り込んだ現在、そろそろどうしようかと不安を抱き始めたところではないだろうか。

だが、市場の誰もが金投資に強気となった今から1ヶ月以上前にT-modelは、

「NY金が最高値を付けると色々な評論家が群がるように強気を唱えるのがマーケットの常」、「マーケットはみんなが強気になったときが転換点であることが多く、T-Modelのようなデータで分析する冷静な目を持つことが必要」と高値づかみを警告し、その予告通りの展開となり始めている。今後、さらに調整色を強める可能性は高いが、いかにムードで投資することが危険な行動であるかがお分かりいただけたのではないだろうか。また、同時に、T-Modelの正確さと「データで分析」して投資することの重要性を改めて浮き彫りにしたことだろう。どの水準までNY金価格が調整するかが今後の注目点である。』と親切にもダメ押しの追加解説までお伝えした。「今さら弱気のコメントを言われても・・」と冒頭の記事を読まれた方は思う方も多いだろうが、当時から生活防衛の教室を聞かれて金投資を縮小していた方なら納得なのではないだろうか。

冒頭の記事にあるように、実質金利の更なる上昇が予想されるなかNY金にはまだネガティブな環境が続きそうである。ただ、「マーケットはみんなが強気になったときが転換点」とコメントしたように、現在のように市場関係者の多くが「弱気」に傾いたということはそろそろ下げ局面も最終局面に入ったと感じるセンスは必要だろう。このようにコメントするとすぐにでも金投資を再開と思われる方も多いのでアドバイスしておくが、T-Modelの「ゴールドシルバーレシオ」から判断すると、6月頃までは金の再上昇は期待薄なのではないだろうか。