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『伸び悩む「巨人」 広がる失望』


『伸び悩む「巨人」 広がる失望』

2022年4月30日日経夕刊に『伸び悩む「巨人」 広がる失望』が掲載されている。

『29日の米国株市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比4.2%安と今年最大の下げとなり、年初来安値を更新した。4月月間では13.3%下げた。下落率はリーマン・ショックが起きた2008年9月(11.6%安)を上回り、08年10月(17.7%安)以来の大きさだ。

29日の相場急落の震源となったのはアマゾン・ドット・コムだ。一時は前日比15.9%下げた。前日夕に発表した22年1~3月期決算で営業利益が前年同期比59%減と市場予想を下回り、失望売りが殺到した。
「配送費や人件費などがかさんだ。過剰な人員と設備も重荷だった」。アマゾンのブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は営業減益の理由をこう説明した。だが、それが主要因ではない。1~3月期の営業費用は13%増にとどまり、むしろ同社としてはかなり低い伸びだ。減益は売上高が7%増と20年ぶりの低さだったのが主因だ。かつてのように20~30%の増収なら楽々増益を達成していたはずだ。経済の正常化に伴って消費が旅行や外食などサービスに移り、追い風だった「巣ごもり消費」がやんだ。

同社に限らず、巨大ハイテク企業の1~3月期決算は売上高の伸び悩みが目に付いた。グーグルの親会社アルファベットの売上高は市場予想を下回り、メタプラットフォームズ(旧フェイスブック)の増収率は7%と同社として初めて1桁にとどまった。消費行動の変化、飽和する市場での顧客の奪い合いなどが要因だ。成長が鈍るならハイテク株の高いPER(株価収益率)は許容されにくい。

PERを抑える要因はそれだけではない。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めを受けた金利上昇も重なる。金利動向を占う最重要イベントとして、投資家は5月3~4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を警戒する。政策金利を通常の倍の0.5%引き上げ、保有資産の圧縮開始を決める見通しで、市場の関心は会合後のパウエル議長の会見に集まる。 6月と7月のFOMCでも0.5%利上げを続けるのか、それより大きい0.75%の可能性もあるのか。タカ派の旗頭、セントルイス連銀のブラード総裁を除けば、FRB高官からは0.75%利上げに否定的な発言が目立つ。現時点では実現の可能性は低い。だが、パウエル議長は4月21日の討論会で「私の考えではもう少し速いペースで利上げすることが適切だ」と述べており、0.75%利上げも念頭に置いている可能性がある。5月のFOMC後の会見でも否定せず、選択肢として温存するのではないか。』

先週22/04/25『市場が「タカ派」的と考えるFRBの大幅利上げ観測は94年にもあった』のT-Modelコラムにおいて、

『「ND倍率」は先週の4月18日週0.38倍まで低下し、以前から指摘してきた重要なポイントの21年5月10日週0.39倍をついに下回ってしまった。誰よりも先に「ND倍率」を分析してきたT-Modelからすると、今回の現象は「ITバブル」の2000年に起きた現象と酷似しており、「歴史は繰り返される」と以前から何度も指摘してきた。

4月19日に22年1~3月期決算を発表した動画配信の米Netflixが、3ヶ月毎に開示する会員数が20万人減と、過去10年間で初のマイナスに転じた。インフレ下での消費者の節約志向の高まりやロシア事業の中断も響いたようだがこれは大きな転換で、失望売りから同社の株価は1日で35%安、約540億ドル(約6兆9000億円)分の時価総額を失った。「Netflixショック」は他の動画配信サービスに波及しただけでなく、金利上昇で割高感が意識されるハイテク株全般に警戒感が広がり、ハイテク株比率の高いナスダック指数はダウ平均を上回る下落となり、何とか守りたかった21年5月10日週0.39倍を下抜けてしまったのである。「ITバブル」時の2000年頃の「ND倍率」バブルも何かが引き金になって崩壊したと思われるが、2020年から始まった今回の「ND倍率」バブルの崩壊は「Netflixショック」がその引き金を引いたと後々語られることになるだろう。バブル崩壊は始まったばかりと思えるかが今後、投資の世界で生き残れるかの分水嶺となるのではないだろうか。』と指摘した。

その指摘は次の週に『アマゾン・ショック』というかたちで表面化して、「ND倍率」は4月25日週0.374倍へとさらに低下させた。同比率は2000年の『ITバブル』崩壊の時のようにここからさらに低下することが予想されるが、それは冒頭の記事にあるような巨人が『○○ショック』となって今後、さらに増えてくることを意味するのである。

ここで米国株全般において新たに2つの重要なポイントを指摘しておきたい。

一つは、2022年4月25日ブルームバーグニュースに『S&P500種も近く弱気相場入りへ-モルガンSのウィルソン氏が警告』が報道されているが、ウィルソン氏らモルガン・スタンレーのストラテジストが4月25日付のリポートで示した『長期金利とS&P500種PERの逆相関』のグラフである。明らかに現在の長期金利の水準に比べるとS&P500種PERは割高であることを示唆しており、近い将来、S&P500種PERが急低下する可能性が高いことである。 冒頭の記事でも『PERを抑える要因はそれだけではない。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めを受けた金利上昇も重なる。』と指摘している。

もう一つの重要な指標は、「NYダウの前年比」である。22年4月-2.6%と、20年10月以来のマイナス圏に陥ったからだ。1997年以降のNYダウ前年比の推移を見ると、マイナスが1ヶ月程度で済めば再度、株価は上昇するが、マイナス圏が長引いてマイナス幅が拡大するようだと大きなショックへと発展している。2ケタのマイナス圏に発展したのは2000年のITバブル、08年のリーマンショック、そして2020年のコロナショックだが、逆に、短期で終了したのは、98年、05年、2012年である。この違いは何か?NYダウの前年比と連動性が高いのは、ISM製造業景況指数とミシガン大消費者信頼感指数などの景況感の指標が悪化するか、しないかの違いだ。ISM製造業景況指数は3月57.1と高水準で問題はないが、米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる指標のミシガン大消費者信頼感指数3月59.4→4月65.2と低迷しており、NYダウの前年比マイナスが今後、拡大する可能性を示唆しているようにも見える。つまり、製造業に比べ、個人消費が悪化していることを示しており、個人消費次第では大きなショックに発展する可能性が高いのだろう。

冒頭の記事の最後には、『最近の株安でFRBのタカ派姿勢が和らぐと期待する声もある。』との指摘もあるが、その可能性は現在の40年振りの物価水準からみるとかなり難しいのではないだろうか。08年のリーマンショック以降、市場関係者には困ったときの『FRBの緩和頼み』が定着しているようだが、40年振りの物価水準はそのような市場関係者の甘えを許さない方向に動いているということだろう。そして、それは『40年サイクル』を甘く見るな!と市場が警告しているかのよいうにも思えてくる。

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