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新型コロナウイルスの感染者は12000人?
新型コロナウイルスの感染者は12000人?
2020/1/24日経新聞夕刊に『米経済試す新型肺炎』が掲載されている。
『米市場関係者が取引時間中に視聴する定番は経済テレビ局「CNBC」だ。同日午前中までは、世界経済フォーラムの年次総会が開かれているスイス・ダボスからの中継が目立ったが、午後に入ると報道は「コロナウイルス」一色となった。午後1時半ごろ、世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を見送ったと報じた。ダウは一時200ドル超下げていたが、その後下げ幅を大幅に縮めた。現時点では、新型コロナウイルスの世界経済への影響は限定的との見方が優勢のようだ。だが、新型コロナウイルスへの警戒感もくすぶる。すでに中国の経済成長は約30年ぶりの低水準にある。中国人の多くが積極的に旅行や買い物に出かける春節(旧正月)の時期と重なり、中国経済にとってはさらなる重荷となる。世界経済2位の中国の景気がさらに減速すれば、世界経済への影響は避けられないからだ。
最高値圏にある米相場の現状も不安材料の一つだ。市場では「近いうちに株価調整の時期が来る。高値を止める要因はなにか」と探っている。ちょっとしたきっかけで売りが進むといった事態もありうる。新型コロナウイルスに関する今後の情報次第では、市場関係者の態度が急変する可能性を指摘する意見もある。米資産運用大手フィデリティは、06年に感染症拡大と相場の関係をまとめたリポートのなかで「感染症の拡散を受けて、株式相場がどう動くのかということに定説を生み出すことはできなかった。不測の事態に対して、相場が予測できない動きをすることが分かったからだ」と分析。また、感染症が発生したときの市場の動向は「当然ながら、そのときの経済状態に深く関係する」と付け加えた。
「全く心配していない。我々は(新型肺炎を)きちんと管理できた。万事うまくいく」。トランプ米大統領はダボスで22日、米国で新型肺炎感染者が確認されたことを受けてこう回答した。好調な株式市場を例に「トランプ政権が米経済を良くした」と主張してきたトランプ氏。今後、新型肺炎が米経済の「本当の姿」を試す場面もあるかもしれない。』
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎感染で、中国政府は国内の死者が1月27日午前0時(日本時間同1時)現在、前日発表から24人増えて80人に上ったと発表した。感染者も769人増えて2744人になった。止まらない感染拡大を受け、中国政府は同日、春節(旧正月)に合わせた連休を2月2日まで延長すると発表した。本来は24~30日の1週間だったが3日間増える。春節連休の延長は極めて異例の措置。
中国での死亡者は16日2人→21日4人→23日26人(2日比6.5倍)→25日54人(2日比+107%)→27日80人(2日比+48%)と推移している。だが、英国と米国に拠点を置く研究者チームが予備研究の結果をまとめた論文で、新型コロナウイルスの感染の中心地である武漢市で確認されている感染者数は実際の感染者の5パーセントにすぎないと1月24日(米国時間)に発表した。すなわち、研究対象期間の最終日である1月21日の時点で感染者数は公式報告の440人ではなく、12,000人ほどいる可能性があるということになる。研究チームが利用できる情報が限られていることを考慮すると、この予測の信憑性は弱いが、発表されている感染者数とは遥か異なる人数に増えていることは間違いないだろう。
2002年11月から流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)に終息宣言が出されたのは03年7月5日で、発生から半年以上かかっている。今回も同様な期間が必要だとすると、丁度、東京オリンピック頃になる。ただ株価の動きは異なり、ITバブル崩壊で暴落していた米株価がボトムをつけたのはSARS発生から3ヶ月後の03年2月。SARSと全く同じになることはないだろうが、パンデミックの株価への影響を2~3ヶ月で終息すると考えると、これまで予測してきた通り、3~4月の春頃にはボトムをつける可能性が高いことになるのだが・・。