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米SEC委員長が暗号資産取引所の規制強化を提言
米SEC委員長が暗号資産取引所の規制強化を提言
ビットコインが再度、急落している。4月13日に史上最高値63633ドルをつけた後、4月25日安値48607ドルまで-23%の急落。そして、5月8日高値58825ドルまで+21%の急反発を演じたが、本日5月17日は4月25日につけた安値48607ドルを割り込み、44465ドルまで下落している。本日の終値次第では、一旦、今回の上昇局面での天井を打つ可能性も出てくるため注目すべきだろう。
ビットコイン価格がこのように乱高下しながら下落を演じている理由としては、テスラのイーロン・マスクCEOが12日、「車購入でのビットコインの使用禁止を停止する」とツイッターに投稿したためとのマスコミは報道が一般的。確かに、それも一つの要因かもしれないが、ツイッター投稿とビットコイン下落のタイミングが微妙にズレている。それよりも大きな要因として考えられるのは、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長が5月6日、2兆ドル規模の暗号資産市場では(暗号資産)取引所に対する規制も含め、アメリカでの投資家保護の強化が必要だと発言したことが大きいのではないだろうか。この公聴会の後、大きくリバウンドしたビットコインの急落が始まっており、タイミングも一致しているからである。
SECのトップに就任して以来初めてとなる公開公聴会の場でゲンスラー委員長は、「SECの権限は証券と暗号資産に投資する可能性のある商品とアセットマネージャーに限定されている」と述べ、特に取引所にまつわる規制上の明確さを高める上で、議会が役割を果たすことができる可能性があると示唆した。
「現在、SECや姉妹機関である商品先物取引委員会(CFTC)は暗号資産取引所に関する規制上の枠組みを持たない」、「現状では暗号資産取引所に対して市場を規制する当局は存在せず、そのために詐欺や操作から投資家を保護する仕組みも存在しない」とゲンスラー委員長は指摘。ただ、暗号資産取引所に対する規制がどのようなものになり得るのか、具体的に語ることはなかった。また、事前に準備された冒頭の挨拶では暗号資産には触れず、ゲームストップ株価格の吊り上げやアルケゴス・キャピタル(Archegos Capital)の破綻といった最近の市場での出来事に焦点を当て、レディットのようなオンラインコミュニティが株価高騰に果たす役割についても言及。ただ言論の自由を制限することは考えておらず、悪意のある者たちが、これらのコミュニティを利用して市場の操作をしたかどうか見極めることに興味があると述べた。SECは今夏、ゲームストップ株騒動とそれに対する対応を評価するレポートを発表する予定であるとゲンスラー委員長は語った。
ビットコイン価格は米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長の公開公聴会での発言後、本日まで急落しており、何らかの影響があったと見て良いだろう。またアルケゴス・キャピタル(Archegos Capital)の破綻でも、当局による「ファミリーオフィス」の「レバレッジ規制」の可能性もあり、市場へ影響は今後も続きそう。ゲンスラーSEC委員長の発言から目が離せなくなってきている。