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第323回:人工知能(AI)バブル論 相場が加熱!

第323回:人工知能(AI)バブル論 相場が加熱!

『「AIバブル論」真否占う』

2025年8月22日日経新聞夕刊に『「AIバブル論」真否占う』が掲載されている。

『21日の米株式市場でナスダック総合株価指数は前日比72ポイント安と3日続落となった。売りの一因となったのが、足元の相場が過熱しすぎだという「人工知能(AI)バブル論」だ。今のところウォール街で主流の見方ではないが、今後のAI関連銘柄の成長性を左右しうる点で22日の米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演に改めて注目が集まる。

「投資家全体がAIに過剰に興奮している段階にあるのか?私の意見はイエスだ」「バブルが起きると賢い人たちは異常に興奮する」。15日に米テック系メディアが公開した記事によると、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はAI業界がバブル期にあると指摘したという。(途中略)

ナスダック総合の3日続落は、トランプ大統領による各国への関税圧力やFRBへの利下げ要求で4日続落した4月下旬以来だ。確かにナスダック総合のPER(株価収益率)は28倍台と22年以来の29倍に近づくなど、過熱感はつきまとう。(途中略)PERでみると割高感は否めないが、S&P500種株価指数の採用銘柄を「PEGレシオ」でみるとAI関連株(84銘柄)は非AI関連(147銘柄)、それ以外(269銘柄)より割安になるという。

PEGレシオはPERを利益成長率で割って算出する。足元の利益だけでなく、企業の中長期的な利益成長性を考慮して株価の割安性を測る指標だ。テック銘柄の利益成長率は群を抜いている。1株当たり利益(EPS)ベースで過去10年間の平均成長率が7割のエヌビディア、4割のメタ、2割のマイクロソフトに対して、S&P500は8%にとどまる。(途中略)』

2025/08/18『80年代後半の「内需バブル」期以来の「Qレシオ」』のT-Modelコラムにおいて、

『「Qレシオ」は1980年代後半の「内需バブル」期にPER(株価収益率)が約60倍に上昇したことで、「上がり続ける株価の正当化」に利用された指標だが、それはある意味、株価がバブルであることを示すとも言えるだろう。つまり、冒頭の記事は、現在の日本の株価がバブルであることを示唆すると同時に、参考までにご紹介した米国株式の「Qレシオ」も歴史的高水準に位置していることからも世界的に株価はバブルであることを示唆する。

そして、現在のようにバブル期が長く続けば続くほど、バブルの株価が正当であるかのように「錯覚」する「バブル脳」に洗脳された人々が増える。バブルが崩壊するとはだんだん誰も想像もできなくなるのが、それが「バブル崩壊」の引き金になることは歴史が証明する。重要なことは、歴史的にどの規模のバブルなのかだが、「バフェット指数(株式時価総額/GDP)」で振り返ると、直近2025年1Q1.97倍と、過去最高だった「ITバブル」時ピークの1.67倍をはるかに上回る。ここまで膨張したバブルはもう後戻りはできず、崩壊させることなどできないのだろう。仮に、崩壊したらこれまで我々が見たこともない世界が待っているように思われるが、それを目撃する覚悟は我々にできているだろうか。』と指摘した。

冒頭の記事にある「PEGレシオ」が盛んに使われたのが2000年の『ITバブル』の時期と記憶している。80年代後半の「内需バブル」の時期に盛んに使用された「Qレシオ」と同様、『「上がり続ける株価の正当化」に利用された指標だが、それはある意味、株価がバブルであることを示すとも言える』と考えられる。

「PEGレシオ」(「Price Earnings Growth Ratio」の略)の問題点を考えると、

①予想EPS成長率を高めに見積もるアナリストのバイアスがかかる、

②過去のEPS成長率を基準に算出する方法は、予想成長率の不確定要素を考慮できない、

③成長性の高い企業と低い企業の異なる成長率の企業の単純比較はできない、

など。「Qレシオ」も「PEGレシオ」も株価がバブル状態で通常使われている「PBR」や「PER」では「正当化」できないために、足元の土地バブルや足元の成長バブルといった「不確定要素」を加えることで「正当化」しようと考案されたものだが、「Qレシオ」も「PEGレシオ」もバブルが崩壊した後はあまり使われなくなる指標であることは過去が証明する。つまり、これら両指標とも「バブル脳」が作り出す「バブル指標」と言えなくもないが、逆に、これらが使われている間は「バブル」が継続していることを示唆する。ただ、バブルが崩壊した後もしばらく使われており、この指標ではバブル崩壊に気づくことができない点には注意が必要だろう。

過去、100年間のS&P500(対数表示)は大恐慌直前と「ITバブル」を結んだ直線が現在の株価と一致しており、「バフット指数」(株式時価総額÷名目GDP)が205%に達している現実をみても、「バブル脳」では「バブル」と認めないのかもしれない。

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