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第324回:赤沢経済相 日米関税協議 大きな溝が示す未来

第324回:赤沢経済相 日米関税協議 大きな溝が示す未来
赤沢氏、突然の訪米取り止めに隠された「謎」
2025年8月28日日経新聞一面に『赤沢氏、訪米を取りやめ 関税協議、事前議論整わず』が報じられている。
『政府は関税協議のため28日から予定していた赤沢亮正経済財政・再生相の訪米を取りやめた。事務方による事前協議の議論が整わなかった。3日間の日程で米首都ワシントンを訪れ、米閣僚と協議する予定だった。事務方のみ訪米し、米側と調整を続ける。林芳正官房長官は28日午前の記者会見で「米側との調整の中で、事務的に議論すべき点があることが判明した」と述べた。「出張を取りやめ事務レベルで協議を続けていくことになった」と説明した。
対米投資を巡る共同文書をつくる方向で調整していた。7月の日米合意に5500億ドル(約80兆円)の投資枠組みを盛り込んだものの、あいまいな部分が残っていた。共同文書の作成は米側が要請した。日本政府はこれまで合意文書は不要と説明してきた。日本は米側に相互関税の負担軽減策を反映する大統領令の修正と、自動車関税の15%への早期引き下げを求めている。合意から1カ月以上たったものの、大統領令は発令されていない。』
この赤沢氏訪米延期の理由は、実は2日前の8月26日日経新聞一面『80兆円投資共同文書~米側が要請』の記事に隠されているのではないだろうか。
『日米関税交渉で日本が約束した5500億ドル(約80兆円)の対米投資を巡り、両国政府が内容を説明する「共同文書」を作る方向で調整していることが26日、分かった。米国との関税交渉を担う赤沢亮正経済財政・再生相が近く訪米し、詳細を詰める見通し。
日本政府はこれまで合意について文書を作る必要はないとの見解を示していたが、米政府の求めを踏まえて方針転換する。(途中略)日本側が作成する「共同文書」について、法令上の強い拘束力を持たないものとするように調整する。訪米の機会に赤沢氏は米国側に、関税について大統領令を発出するよう念押しする。日米は7月下旬に関税交渉で合意した。これまで相互関税の引き下げについての大統領令は発出されたが、日米で合意した相互関税の負担軽減措置は盛り込まれていない。自動車関税の15%への引き下げについても、まだ大統領令が発出されていない。』
この日経一面の2つの記事は繋がっており、日米の認識の違いが明らかだろう。具体的には、米国側は5500億ドル(約80兆円)の対米投資を詰めて、法的拘束力のある「共同文書」作成を考えているのだろう。
8月23日生活防衛の教室リアルセミナーでもご紹介したように、ベッセント米財務長官のFOXインタビューで『外貨準備の米国債はFRBのCustody(保護預かり)勘定、①所有権を持つ海外は自国の外貨準備を自由に使えない、②米国大統領が使途の決定権を持つ』との発言にあると思われ、トランプが2月に政府系ファンド創設を目的とした大統領令に署名していることから、「5500億ドル(約80兆円)の対米投資」は日本が保有する米国債から何らかの方法でそのファンドに拠出される可能性があるのではないだろうか。仮に、そのようなことが法的拘束力のある「共同文書」に盛り込まれたとしたらどうなるだろうか。ラトニック米商務長官は8月19日、米CNBCのインタビューで、日本との合意内容を詰める作業に「あと数週間かかる」と述べていたことから、9月中には明らかになるのではないだろうか。





