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第326回:対米80兆円投資 赤沢経済相 不平等条約ではない?

対米80兆円投資 赤沢経済相 不平等条約ではない?
対米80兆円投資で「円売り取引発生せず」
2025年9月12日日経新聞に『対米80兆円投資で「円売り取引発生せず」 赤沢氏、外為特会など活用』が報じられている。
『赤沢亮正経済財政・再生相は12日のインターネット番組「ReHacQ(リハック)」で、5500億ドル(約80兆円)の対米投資を巡り「円を売ってドルを直接買うような取引は基本的に発生しない」と述べた。投資は国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険(NEXI)による出資・融資・融資保証の枠を設ける。
赤沢氏はJBICからの融資について「半分は外国為替資金特別会計(外為特会)の運用収入などで対応可能だと思う。米国債等を売却する必要はない。あとは政府保証付きのドル建ての債券の発行や通貨スワップで考えている」と説明した。』
2025年9月12日日経新聞に『赤沢経財相、対米投資の覚書「不平等条約でない」 参院予算委員会』を報じている。
『赤沢亮正経済財政・再生相は12日、日本による5500億ドル(約81兆円)の対米投資に関する覚書について「不平等条約と呼ばれるような内容ではない」と述べた。日米関税交渉に関して「両国にとってウィンウィンの結果をもたらした」と強調した。参院予算委員会で立憲民主党の高木真理氏に答弁した。
ラトニック米商務長官は11日、日本からの対米投資について米アラスカの液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトが対象になるとの見方を示した。米CNBCのインタビューで語った。日米が4日に署名した覚書によると、日本による投資対象のプロジェクトは米側の「投資委員会」が提案し、トランプ米大統領が承認する仕組みとなる。ラトニック氏は今後、委員会からの提案が見込まれる案件としてアラスカのLNGパイプライン建設プロジェクトを挙げた。「1000億ドル規模のプロジェクトだ。大統領が承認する」と話した。
プロジェクトから生まれた利益の配分は「日本側が資金を回収するまでは日米が50対50で分け合い、その後90対10で米側が有利になる」と説明した。アラスカのLNG開発を巡ってはJERAが11日、調達量や価格の交渉に向けた基本合意の前段階として、米開発会社グレンファーンとの間で意向表明書(LOI)を交わしたと発表した。』
この2つの記事からでは、5500億ドル(約80兆円)のお金がどこから、どのように投資されるかが未だ分からない。一つだけ明らかになったのは、8月16日日経新聞に『頭もたげるドル最強説~「直接投資80兆円」侮れず』で、『関税交渉の過程でトランプ米政権と各国との間で決まった対米直接投資はドル高の誘因になる。日本は80兆円の直接投資を約束した。実際にお金を投じれば、円売りになり、為替相場への影響は避けられない。(途中略)「これが本当に実行されれば、1ドル=200円では済まない円安水準になります」。ある邦銀の為替ディーラーは神経をとがらせる。(途中略)』の内容のような記事が複数のメディアで報じていたが、これは間違った考え方だったことだろう。T-Modelでは、『誰かが何かを目的に敢えて流したような記事に思えてならないが、それはどんな目的があるのだろうか。』と不自然なニュースであることを指摘していた。
この5500億ドル(約80兆円)は米国の大統領経済諮問委員会(CEA)委員長であるスティーブン・ミラン氏が24年11月に出した「世界貿易システム再構築のためのユーザーガイド」というレポートで提唱した『ドル高是正のための新たな多国間通貨協調の構想』のいわゆる『マールアラーゴ合意』を理解する必要があるのではないだろうか。『米国は巨額の軍事費( 1兆ドル×80年間=80兆ドル)を使い「世界の警察官」として国際秩序と貿易通貨を提供して、西側世界の政治および経済の安定に寄与。米国の巨額な経常収支赤字と財政収支赤字は世界の貿易相手国に準備通貨(米ドル)と準備資産(米国債)を供給し、米国以外の諸国の企業は米国への輸出拡大によって、売上と利益、そして雇用を得てきた。過去に得た、そして、将来においても得るだろう自由貿易と安全保障の恩恵について、「応分の負担」をすべきである。』というのが基本的な考え方。つまり、米国消費市場を通じて世界に累積したドル外貨準備17兆ドル(2500兆円)は米国がその使途への指揮権を持ち、創設される米国SWFへの出資を強制される可能性があるのだろう(日本5500億ドル、EU6000億ドル)。冒頭の記事では、『投資は国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険(NEXI)による出資・融資・融資保証の枠を設ける。』と意味不明な内容を報道しているが、本当の内容が明らかになるのは米国SWFへの出資のタイミングなのかもしれない。





