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第334回:政府閉鎖の長期化 米消費者マインド冷え込み 経済指標の信頼性を疑う

第334回:政府閉鎖の長期化 米消費者マインド冷え込み 経済指標の信頼性を疑う

米消費者マインドが3年5カ月ぶり過去最低なのに無関心の不思議

2025年11月8日日経新聞に『米消費者マインド冷え込み 3年5カ月ぶり低水準、政府閉鎖の長期化直撃』が報じられている。

『米ミシガン大が7日発表した11月の消費者態度指数(速報値)は50.3と、前月の確報値(53.6)から3.3ポイント低下し、4カ月連続で前月比マイナスとなった。前年比約9%のインフレ上昇率を記録した2022年6月以来、3年5カ月ぶりの低水準となる。米政府閉鎖の長期化が消費者心理に影を落とし始めている。

消費者態度指数はダウ・ジョーンズまとめの市場予測(53)を下回った。「現在の景況」を示す指数は52.3と前月から6.3ポイント下落し、「今後の見通し」は49と同1.3ポイント低下した。

ミシガン大の調査担当のジョアン・シュー氏は「政府閉鎖が1カ月以上続いていることを受け、消費者は経済への悪影響を懸念し始めている」と指摘した。「今月の景況感の低下は、年齢や所得、政治的所属を問わず、人口全体に広く見られた」とも述べた。政府閉鎖による経済への悪影響は広がっている。米運輸省は無給となっている空港職員の負担軽減のため、米国の40の主要空港の運航を最大1割削減する考えを示した。米国版の生活保護制度にあたる補助的栄養支援プログラム(SNAP)も資金の枯渇で支給を巡る混乱が続いている。(途中略)』

2025/04/14『過去最低水準に悪化した「米ミシガン大消費者信頼感、4月速報値」』のT-Modelコラムにおいて、

『冒頭の記事で報じている『4月の消費者信頼感指数(速報値)は50.8』は、T-Modelの予測が正しかったことを証明したかたちだが、次の注目はT-Model理論『「ミシガン大学消費者信頼感指数」とNYダウ(前年比)の連動性』が現実化するかである。具体的には、『仮に、「ミシガン大学消費者信頼感指数」が-45まで落ち込んだ場合、NYダウは前年比約-20%下落することを示唆する。ちなみに、1年前の24年3月末のNYダウ39807ドルの-20%は31845ドルと試算されるが、どうなるだろうか。』だが、NYダウは4月7日安値36611ドルまで急落したものの、予測はまだ現実化したとは言い難く、下落余地を残していることになる。

そして、そのタイミングはいつになるかだが、FRBによる政策金利の追加利下げのタイミングになる可能性があり、そのきっかけが失業率の上昇と考えている。T-Model理論『「ミシガン大学消費者信頼感指数」と米国失業率の連動性』からみて、両指標に大きな乖離があり、「失業率」が不自然に低水準に維持されているからである。』と指摘した。

「ミシガン大学消費者信頼感指数」は「インフレショック」の22年6月に記録した1977年以降の過去最低に迫る50.3まで低下しているにもかかわらず、市場が全く問題視していないのは、株価が高値圏を維持しているからだろう。前述のT-Modelコラムで指摘したT-Model理論『「ミシガン大学消費者信頼感指数」とNYダウ(前年比)の連動性』は現実化せず、1990年以降、両指標の乖離は最大化している。そのため、最近では、「ミシガン大学消費者信頼感指数」の統計の信頼性を疑うコメントも散見されるようになったが、実際は経済統計よりも株式市場の「操作」を疑う方が正しいのではないだろうか。

また、T-Model理論『「ミシガン大学消費者信頼感指数」と米国失業率の連動性』の両指標も大きく乖離したままで、「米国失業率」の統計も疑わしいことになる。「ミシガン大学消費者信頼感指数」と株式市場、「ミシガン大学消費者信頼感指数」と「失業率」の大きな乖離はいつ、どのようなかたちで表面化してくるのかが注目される。バイデン政権時代に雇用を嵩上げしてきた移民の雇用がピークアウトし始めているが、更に、移民の雇用が減るなかで「失業率」がどのように変化してくるかが注目される。

このような不自然な株式と不自然な「失業率」を象徴するのが「NYダウ」と「米国求人件数」のグラフである。両指標は2000年以降、概ね連動してきたが、OpenAIがChatGPTをリリースした2022年11月以降、AI特需に沸く株価と急降下する雇用環境に大きな乖離が生まれている。過去3年間でNYダウは約50%上昇する一方、求人数は約30%減少した。実は、求人件数がピークを打ったのは2022年11月ではなく、22年3月からで、インフレを抑制するためにFRBが政策金利を約1年に渡って引き上げていた時期にあたる。FRBは今10月から政策金利の引き下げを再度、開始したが、今9月以降、減少が止まっている求人数を増やすことは可能なのか。それよりも興味は、過去最大規模に膨らんでいる「NYダウ」と「米国求人件数」の乖離がどのようなかたちで修練していくのかではないか。仮に、その修練が起こるとすると、それは我々が経験したことのない何かが始まることを示唆するが・・。

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