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第349回:有事には現金が王様?米ドル独歩高

第349回:有事には現金が王様?米ドル独歩高

『有事には「現金が王様」

2026年3月6日日経新聞に『有事には「現金が王様」~金はイラン攻撃後3%下落、米ドルにマネー流入』が報じられている。

『米・イスラエルによるイラン攻撃が始まって以降、「有事の金」と呼ばれる金(ゴールド)が下落している。地政学リスクが現実のものとなり投資家が現金化の対象にしたためだ。流動性を最優先する「キャッシュ・イズ・キング(現金は王様)」の様相で、基軸通貨の米ドルの上昇が際立つ。(途中略)

2008年のリーマン・ショックで市場が混乱に陥った際に金価格は一時900ドル台まで上昇した後に600ドル台まで急落し、金を売って手元資金を確保する動きが見られた。米リーマン・ブラザーズが破綻申請したのは9月15日だが、株価下落が加速した10月以降にも金も売られた。20年春の新型コロナウィルスショックでは直近高値1700ドル台から1400ドル台半ばまで下げた。株価が下落するなか、損失の穴埋めや追加証拠金(追証)発生で必要になった現金を確保するため金が売られた。(途中略)

外国為替市場では前週末比で米ドルがオセアニアを除くほぼすべての主要通貨に対して上昇した。(途中略)米ドルは原油を含めたあらゆる実物取引や国家間の貿易取引など、幅広い経済活動で活用されている。地政学リスクが高まり不透明感が強いタイミングでは、様々な取引に活用できるドルを手元に確保する目的で現金が「王様」として有望視されやすい。(途中略)』

米・イスラエルによるイラン攻撃が始まって以降、上昇していたのは原油とドルである。WTI原油価格は3月9日高値119.43ドルまで上昇、ドルインデックスも3月9日高値99.7まで上昇した。ただ、上昇スタートの時期を比較すると、WTI原油価格は2月26日安値63.6ドルから10日間ほどで1.86倍に対し、ドルインデックスは26年1月27日安値95.3から3か月かけて約5%上昇と大きく異なっている。つまり、この両者の最近の上昇要因は異なることを示唆しており、この記事のようにどちらも「米・イスラエルによるイラン攻撃」が要因と考えると見誤ることになるだろう。

T-Modelでは、ドルインデックスの上昇要因は米大手運用会社ブルー・アウル・キャピタルが2月18日、個人投資家向けのプライベートクレジットファンド1本について、解約(資金の引き出し)を停止すると発表したように、「プライベートクレジット市場」の動揺で何か焦げ付きが始まっているためにドル需要が強まっているのではないかと推測される。

実際、3月6日、運用資産約1500兆円の世界最大の資産運用会社ブラックロックはブラックロック傘下の「HPSコーポレート・レンディング・ファンド」(運用規模約4兆円)で、投資家からの解約請求が殺到したが、約1900億円の解約請求に対して、実際に返せたのは約980億円。前日の3月5日には、HPSは3ヶ月前に「満額」と評価していた融資債権を全額償却、約40億円の価値がゼロになったが、昨年11月にも別のローンで同じことが起きている。この他、ブラックストーンは3月3日に主力ファンド「BCRED」で過去最高の7.9%の解約に応じた。通常上限の5%を超えて容認。それでも足りず、幹部が自腹で資金を拠出して解約対応した。いよいよ世界最大の資産運用会社ブラックロックまでもが解約請求に応じない事態が発生したということは「プライベートクレジット市場」が益々動揺が強まることを意味する。T-Modelが危険な時間帯として指摘した半年後の26年9月頃には「リーマンショック」級の金融危機に発展しているかが注目される。

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