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2022年の企業倒産が3年ぶり増加


2022年の企業倒産が3年ぶり増加

2023年1月9日日経新聞一面に『企業倒産3年ぶり増加 22年、物価高・人手不足が打撃』が報道されている。

『2022年の日本国内の企業倒産件数が3年ぶりに前年を上回った。ウクライナ侵攻などで原燃料価格が高騰し、建設業や運輸業で資金繰りが行き詰まった。21年が実質無利子・無担保融資の「ゼロゼロ融資」の恩恵で57年ぶりの低水準だった反動もあり、年8000件台で推移していた19年以前に比べれば少ない。ただ物価高や人手不足は厳しさを増し、23年は中小を中心に倒産がさらに増える可能性がある。

東京商工リサーチ(TSR)によると、22年の倒産件数は11月まで8カ月連続で前年同月を上回り、11月までの累計で5822件と前年同期比5%増えた。通年では6400件程度となり21年通年(6030件)を超えたもようだ。負債総額は2兆3000億円程度と、21年の1兆1507億円から倍増したもよう。17年の3兆1676億円以来の高水準となる。22年には1兆円超の負債を抱えて民事再生手続き入りした自動車部品大手マレリホールディングスなどの大型倒産があった。

ロシアによるウクライナ侵攻や円安で燃料や原材料の価格が高騰した。コストの上昇分を転嫁しきれず、採算が悪化する企業が増えた。特に建設業や運輸業で倒産が広がった。1~11月の合計で建設業は21年前年同期の件数を13%、運輸業は33%それぞれ上回った。件数全体の増加(5%)に比べ建設と運輸の増加が鮮明だ。

23年は実質破綻状態でありながら延命する「ゾンビ企業」の退場を促す流れが加速する可能性がある。ゼロゼロ融資の元金返済が本格化し、当初実質免除されていた利払いも始まる。日銀が大規模緩和を修正し、企業の利払い負担が増える可能性もある。』

2021/11/22『コロナ禍なのに倒産件数が50年ぶり低水準の不思議』のT-Modelコラムにおいて、

『「雇用調整助成金」の特例措置についても12月末までとする予定だったが、厚生労働省は2022年3月まで延長すると発表した。「雇用調整助成金」特例措置の助成内容は、売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、解雇などを行っていない中小企業の従業員の休業および教育訓練に対する助成率9/10、大企業は3/4、1日1人あたりの上限助成額は1万3500円など。

倒産件数が50年ぶりの低水準で推移しているのも、また失業率が低水準で推移しているのもこの2つの支援策が大きいことは間違いない。2021年年間の「倒産件数」は約6000件ペースで、直近で最小だった90年6468件を31年振りに下回る歴史的低水準となりそうである。実は過去、この「倒産件数」は株価との連動性が高く、つまり、2022年も更に株価が上昇するためには更なる「倒産件数」の減少が一つの条件ということになる。2つの支援策によって「倒産件数」「失業率」を低水準で抑えてきたことは明らかなだけに、冒頭の記事にもある「コロナ後を見据えて中小支援のあり方も軌道修正する時期」を迎え、2つの支援策がいつ、どのように見直されるかが経済や株価を予測する上で極めて重要なファクターになり始めている。コロナが沈静化する「コロナ後の世界」はバラ色の世界が再び訪れると思っていた方々は気を付けた方が良いだろう。それは、コロナを理由に先送りされてきた企業と働く人々の改革が一気に始まることを意味し、日本全体に「膿出し」が始まるからである。今からでも政府の支援頼みからの脱却を急ぐタイミングを迎えている。』と指摘した。

21年の倒産件数が57年振りの低水準にとどまっていたのは、政府の経済対策による「給付金」「ゼロゼロ融資」のためで、それが徐々に消滅した22年の倒産件数が3年ぶりに増加しても騒ぐことではない。ただ、月次ベースの倒産件数(前年比、移動平均)は22年10月+9.4%と、コロナショック直後のピークである20年4月+11.2%の高い伸びに近付いていることは注意が必要だろう。冒頭の記事にあるように、「ゼロゼロ融資」の利子の免除というのは3年間の期限付きで、早ければ2023年の3月から利子の支払いが発生。約43兆円にのぼる金融支援で企業負債が歴史的水準まで積み上がったところに円安や物価高が直撃、低く抑え込んできた倒産が増加に転じたからである。23年は返済開始の山場を迎えることからさらに倒産件数が加速する可能性があるが、前述のT-Modelコラムにおいて、『実は過去、この「倒産件数」は株価との連動性が高く、つまり、2022年も更に株価が上昇するためには更なる「倒産件数」の減少が一つの条件ということになる。』と指摘した通り、それは株価の上値を重くすることを意味する。

また、もう一つ支援策である「雇用調整助成金」の特例措置はどうなっているのか。2022年11月末日を期限としていた雇用調整助成金コロナ特例は2022年12月から2023年3月までの期間についての延長方針が示されたが、助成率は縮小される見通し。先週末6日発表された米国の雇用統計では12月失業率が3.5%と、50年振りの低水準にとどまったいる。日本の失業率は22年11月2.5%と米国の失業率を下回るが、休業者を含む潜在失業率は22年11月5.2%と米国を大きく上回る。前述のT-Modelコラムにおいて、『2つの支援策がいつ、どのように見直されるかが経済や株価を予測する上で極めて重要なファクターになり始めている。コロナが沈静化する「コロナ後の世界」はバラ色の世界が再び訪れると思っていた方々は気を付けた方が良いだろう。それは、コロナを理由に先送りされてきた企業と働く人々の改革が一気に始まることを意味し、日本全体に「膿出し」が始まるからである。今からでも政府の支援頼みからの脱却を急ぐタイミングを迎えている。』と指摘した。いよいよ2023年からは「ゾンビ企業」と「社内失業率」の退場で日本全体に「膿出し」が始まろうとしている。

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