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5月米住宅着工件数は2020年6月以来の低水準

5月米住宅着工件数は2020年6月以来の低水準

2024年6月20日ブルームバーグニュースは『米住宅着工件数、2020年6月以来の低水準-許可件数も減少』を報じている。

『米住宅着工件数は5月に減少し、4年ぶりの水準に落ち込んだ。高金利が長期化する中、今年に入って見られた住宅業界の勢いが弱まった。

キーポイント
· 住宅着工件数は前月比5.5%減の年率127万7000戸
o ブルームバーグのエコノミスト調査のうち、1人を除く全ての予想を下回った
o 予想中央値は137万戸o 前月は135万2000戸(速報値136万戸)に下方修正

· 住宅建設許可件数は3.8%減の年率138万6000戸
o 2020年6月以来の低水準
o 市場予想は145万戸
o 前月は144万戸

着工件数と許可件数の減少はいずれも集合住宅と一戸建ての全般に及んだ。一戸建て住宅の建設許可件数は4カ月連続で減少し、約1年ぶりの低水準となった。こうした落ち込みは、今年に入って安定化しつつあった住宅建設が経済成長を損なわせる可能性があることを示している。同統計発表前に公表されたアトランタ連銀の国内総生産(GDP)予測モデル「GDPナウ」では、このカテゴリーは4-6月(第2四半期)に成長への寄与度がほぼゼロとなることが示唆された。(途中略)』

2023/04/03『今さら『米住宅、後退する楽観論』の不思議?』のT-Modelコラムにおいて、

『T-Model分析では、以前から『過去、米住宅着工件数は米住宅価格の前年比ベースが下げ止まるまでは下げ止まらない傾向があり、「米住宅価格」が巨大な米住宅市場と米金融市場を左右することは忘れないことである。何故なら、歴史的に住宅着工件数(移動平均)とNYダウは連動性が強いからである。』 と指摘。マイナス目前の「米住宅価格」を見れば、米住宅バブル崩壊はこれから本番を迎えることは明らかなのだが、SVBが破綻するまで住宅市場に楽観論が台頭していたことは不思議である。「住宅ローン金利」ばかりを気にして、「住宅価格」の重要性を理解していないためだからではないだろうか。』と最後に指摘した。

『マイナス目前の「米住宅価格」を見れば、米住宅バブル崩壊はこれから本番を迎えることは明らかなのだが、SVBが破綻するまで住宅市場に楽観論が台頭していたことは不思議である。』と指摘したが、「住宅価格」は23年5月-0.5%と一瞬だけマイナスに陥ったものの、24年3月+6.6%に反発している。この「住宅価格」と連動してきた住宅着工件数が22年3月179.3万戸→24年5月127.7万戸へ-28%の大幅に落ち込むなかでの不自然な「住宅価格」の上昇と言わざるを得ないだろう。これは『中古住宅販売件数(移動平均)と住宅価格』の関係からも明らかで、価格をどうしても下げさせられないことから何らかの力が働いている可能性を示唆する。

また、『歴史的に住宅着工件数(移動平均)とNYダウは連動性が強い』とのT-Model理論も、「住宅着工件数(移動平均)」が22年4月171.8万戸→24年5月137.8万戸と約2割落ち込むなか、NYダウは22年9月以降、乖離したかたちで上昇を続けており、つまり、「住宅着工件数(移動平均)」のピークを無視したかたちでNYダウは約2年ほど上昇し続けている。実は、現在とよく似た状況はリーマンショック前にもあり、「住宅着工件数(移動平均)」が05年11月220.8万戸でピークを打つなか、NYダウはその約2年後の07年10月13930ドルまで上昇を続けた。当時と今回の共通点は2008年と2024年の「大統領選挙」前ということだが、リーマンショック前は「住宅価格」が06年7月でピークを打ち、NYダウに先行して下落をスタートしている。今回も「住宅着工件数」のピークアウトが鮮明化した現在、次に現れるのは「住宅価格」のピークアウトだが、どうなるだろうか。「住宅価格」は23年10月312.7でピークを打ったかが重要で、今後、目が離せない段階を迎えている。
また、今回住宅関連指標でご紹介したいのが、『米国新築+中古住宅販売(前年比、2年先行)と米国失業率』。過去、米国新築+中古住宅販売が大きく落ち込んだ2年後には米国失業率が大きく悪化する傾向があり、失業率は第一次オイルショック後の1975年5月9%、第二次オイルショック後の1982年12月10.8%、S&L後の92年6月7.8%、リーマンショック後の09年10月10.0%と大幅に悪化している。「米国新築+中古住宅販売(前年比、2年先行)」は25年1月-36%と大きく悪化していることから、過去の通りならば失業率は来年初めに大きく悪化することを示唆しているが、どうなるだろうか。仮に、過去のように失業率の大幅悪化が現実化するならば、市場がいつも気にしているFRBによる政策金利の引き下げは間違いなく行われ、それも何度か引き下げられる可能性が高まることを意味する。注目は現在の失業率の「改ざん」がいつまで続けられるかだけだろう。

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