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ETF市場は10 年で6倍の資産530 兆円に拡大
ETF市場は10 年で6倍の資産530 兆円に拡大
2019/3/7日経新聞に『<ETFが席巻する市場>(上)資産530兆円、10年で6倍~低コスト透明性高く 独自指数と連動商品も』が掲載されている。
『上場投資信託(ETF)が世界の金融市場を席巻している。英調査会社ETFGIによると、資産規模は2018年末で約4兆8100億ドル(約530兆円)と、10年間で6倍に増えた。低コストと透明性の高さが投資マネーを引き付けている。投資家のニーズに応じて運用の高度化も進み、質と量の両面で運用の台風の目となっている。
ボストン・コンサルティング・グループなどによると、ヒトが指図せず機械的に運用される資金は、世界で17年に約17兆ドル(約1870兆円)だった。現在は2000兆円規模に拡大した可能性がある。そのうちETFが約4分の1を占める。世界最大のETFは米ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが設定する「SPDR S&P500」ETF。米S&P500株価指数に連動し、純資産は2600億ドル(約28兆円)にのぼる。
変化は投資家層にもあらわれている。ETFは流動性の高さや最低投資金額の低さから個人やヘッジファンド、証券会社の売買が多かった。足元では年金基金や保険会社など機関投資家が活用し始めている。英国北東部ティーズサイド。同地域の地方公務員年金基金は、資産約38億ポンド(約5500億円)のうち内規で10%までのETF投資を認める。
「18年はアクティブ運用がより低コストのインデックス運用の成績を下回るケースが多かった」(ブラックロック・ジャパンの越前谷道平ETF事業部長)。運用の収益率低下に伴ってコスト意識は高まっており、ETFへの追い風は強い。ただ大規模化に伴い、市場に与える影響力も増している。ステートのジェイムス・ロス・グローバルSPDRビジネスチェアマンは「ETF市場は25年に25兆ドル(約2750兆円)に拡大する」と予測する。この予測が的中すれば、ETFの影響力は格段に大きくなる。』
以前から本やセミナーなどで何度も指摘したことがETF投資のススメである。個別株は全体が上がっていても下がるケースもあり、ETFが上昇する確率が50%であるのに対し、個別企業は全体が上がる確率50%×個別企業が上がる確率50%=25%と低いからである。また、低コストで流動性が高く、さらに投資家の多様なニーズに対応したETFが次々と開発されている。
昨年10月からの暴落で『著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイが23日発表した2018年10~12月期決算は、最終損益が253億ドル(約2兆7830億円)の赤字に転落した。前年同期は325億ドルの黒字だった。買収先の米食品大手クラフト・ハインツで減損損失が発生したほか、相場下落で保有する上場企業株に評価損が発生した。』となってしまった。バフェットでさえ個別銘柄への投資で大赤字を出してしまったこのニュースをみているとやはりETF投資が良いのではないかと思わせる。なぜなら、NYダウやS&P500連動のETFは暴落でパフォーマンスは悪化したものの、現在は既に、下落分の8割近くを既に回復しているからである。「ETF市場は25年に25兆ドル(約2750兆円)に拡大する」との強気の予測もあるが、どこかでETFの市場規模が止まるときは必ずくる。それは市場のバランスが崩れ、ETFの弊害だけが表面化したときである。だがそれまではますますETF市場は拡大することは間違いないだろう。個別企業探しはもう過去の投資手法になりつつあるのである。