塚澤.com最新ニュース

Home » バークシャーが24年1月~3月に株式を6四半期売り越して手元資金が過去最高

バークシャーが24年1月~3月に株式を6四半期売り越して手元資金が過去最高

バークシャーが24年1月~3月に株式を6四半期売り越して手元資金が過去最高

2024年5月6日日経新聞に『バフェット氏、鈍る株式投資~高金利・株高背景に』が報道されている。

『著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが4日、株主総会を開いた。米アップル株の保有減少など売却が目立つ一方、バフェット氏は「良い球が来た時しかバットを振らない」と述べ、新規投資機会の乏しさをうかがわせた。要因は高金利だ。株投資のハードルが高まった結果、手元資金は30兆円に迫る。

現預金と米短期債の保有額を合算した広義の手元資金は3月末時点で1889億9300万ドル(約28兆9000億円)と23年末比13%増え、過去最高を更新した。「6月末には2000億ドル(約30兆6000億円)程度になると考えるのが妥当だ」。バフェット氏は説明した。時価総額でいえば米ウォルト・ディズニー(約2080億ドル)や米マクドナルド(約1950億ドル)に相当する金額を抱えることになる。莫大な「キャッシュの山」積み上げの要因は主要銘柄の売却にある。

4日開示した四半期報告書の情報をもとに算出すると、主要な保有銘柄5社のうち首位のアップルの保有株数を13%程度、同5位の石油大手シェブロン株を2%程度、1〜3月期にそれぞれ売却した。米メディア大手パラマウント・グローバル株についても「すべて売却した」と語った。アップル株売却の背景には、財政赤字が深刻な米国で今後法人税率が上昇するとの見立てがあるとバフェット氏は言う。株式を長期保有する米コカ・コーラや米アメリカン・エキスプレスは「素晴らしい事業」だが、アップルは「さらに優れた事業だ」と述べ、一部売却しても有望な銘柄との評価には変わりはないと説明した。(途中略)

対照的に、バークシャー株主の関心の的である次の投資機会については、消極的な発言が目立った。「我々は資金を(新規投資に)振り向けたいが、低リスクで大きな投資収益が見込める企業でなければ投資することはない」割安な優良株を見極めるのがバフェット氏の真骨頂だ。そのストライクゾーンを狭めているのは、金融引き締めの長期化に伴う短期金利の高止まりだ。3カ月物短期債の利回りは足元で約5.4%となり、金利収入を得やすい状況にある。短期債から得る金利収入は23年7〜9月期から3四半期連続で保有株の配当収入を上回った。(途中略)』

2024/02/26『米株高騰は「カジノ的」~バフェット氏、株主への手紙』のT-Modelコラムにおいて、

『記事では「株主への手紙」で『米国内外の株式相場の高騰は「カジノ的」だと警鐘を鳴らした』『先進各国の株式市場では、生成AI(人口知能)ブームから半導体関連など一握りの銘柄群にマネーが殺到し、相場急騰をけん引する。』と紹介しているように、「バブル相場」とは直接的には書かないまでも、「割高で買うものがない」というのが本音ではないだろうか。

「バフェット指数」が2000年1~3月1.63倍と超割高だったITバブル当時、ITビジネスに投資をしないバフェットに「ITビジネスに投資をしない(ITが分からない)時代遅れのポンコツだ」とメディアが揶揄していたことを思い出す。今回も世間の生成AI(人口知能)ブームには見向きもせず、半導体関連などに投資せず、過去最高のキャッシュを積み上げるバフェット氏を揶揄するような声は聞かれない。ITバブル崩壊でどちらが「ポンコツ」だったかは今では明らかになり、「バフェット指数」が2023年7~9月1.67倍とITバブル期の超割高水準を上回っているからだろう。』と指摘した。

2024年1〜3月期の株式売買は172億ドル(約2兆6000億円)と6四半期連続売り越しで、6四半期で最大の売り越しとなった。主要保有銘柄5社のうち首位のアップルの保有株数を2四半期連続で減らしている。冒頭の記事では、「6月末には2000億ドル(約30兆6000億円)程度になると考えるのが妥当だ」と広義の手元資金が6月末に向けてさらに増え、『「5.4%の現状では手を付けないさ。1%だったら話は別だが。米連邦準備理事会(FRB)には内緒だ」と冗談めかした口調に本音がのぞいている』とも報道している。バフェット氏はFRBが6月末に向けて政策金利を下げることはできないから株式を売り越し続ける予定であることをほのめかし、できないだろうが、仮に、1%に政策金利を下げたら株式は大暴落が起き、それが起きたら積極的に買い越すと株主に伝えたかったのだろう。

以前から何度も指摘してきたように、この不自然な株式は「10年-3か月」の逆イールドに表れ、24年4月末に541日と1930年の大恐慌時に記録した過去最長「700日」に次ぐ、持続期間となっている。過去、「10年-3か月」の逆イールドの持続期間が500日を超えると、その後の株式市場は50%以上の大暴落に見舞われていることをご紹介したが、今回は大恐慌並みの経済危機が起きる可能性が高いことを意味する。バフェット氏は総会の締めくくりに「来年もこの場に来たいと思う」とも述べて会場を沸かせたが、来年の総会には、「10年-3か月」の逆イールドが過去最長記録を更新しているか、または途中で途切れて株式大暴落が起きているか、の顛末が明らかになっている時期。バフェット氏がそれをどのように評するのかを楽しみに待ちたいところだが、「基軸通貨ドル」の存在が危ういなか、それに抗うがのごとく「戦争」「地震」「自然災害」などが頻発するなかで、このまま平穏に1年後を迎えることができるのだろうか。

塚澤.comの会員向けサービス
会員向けサービス
会員向けサービス
Tsukazawa.com Premium Contents

塚澤.comの有料会員向けサービス(「今週のT2経済レポート」定期購読のお申し込み)では、T2レポートの配信の他にも様々な会員特典をご用意しております。

無料会員登録をしていただくと、一部会員向けコンテンツの閲覧やメルマガの購読をご利用いただけます。

セミナーのご案内

【受付終了】御礼:5月18日:「生活防衛の教室 」Webセミナー 2024年春 終了しました。

【受付終了】御礼:2月17日:「生活防衛の教室 」2024年予測Webセミナー終了しました。

【受付終了】御礼:11月18日:「生活防衛の教室 」第600回記念Webセミナー終了しました。

【受付終了】御礼:8月19日:「生活防衛の教室 」 Webセミナー2023年夏終了いたしました。