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第342回:高速で歴史的水準に急騰した日本の金利何を示唆?

第342回:高速で歴史的水準に急騰した日本の金利何を示唆?

歴史的水準に高速で急騰した日本の金利は何を示唆?

先週、国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが1月6日2.13%まで上昇、アジア通貨危機前の97年8月以来、約28年振りの高水準を付けた。超長期債の30年債利回りも1月6日に3.502%と過去最高を更新した。金利が歴史的な水準に上昇するなか、日経新聞に金利に関する2つの記事を報じている。

一つ目は、2026年1月7日日経新聞に『配当利回り、長期金利下回る~17年半ぶり 株高・金利高で逆転』が報じられている。

『6日の東証プライム市場では上場銘柄の予想配当利回り(加重平均ベース)が2.09%に低下し、長期金利の指標となる新発10年物国債利回り(2.130%)を下回った。株式と債券の利回り逆転は2008年6月以来、約17年半ぶり。株高による配当利回りの低下と金利上昇が同時に進み、逆転が生じた。(途中略)

6日は日経平均株価が最高値を更新するなど株高が進み配当利回りが低下する一方、長期金利は2.130%と27年振りの高水準を付けた。(途中略)配当利回りと長期金利の逆転は相場の長期的な転換点を示すとされる。日本では08年の世界金融危機後、低成長・低金利下で配当利回りが長期金利を上回る期間が長らく続いたが、23~24年ごろから企業の成長を期待した株式への資金流入と日銀による金融政策の正常化で状況が一変した。(途中略)』

2つ目は、2026年1月10日日経新聞に『日本株高は「ボーナス期間」~潜在成長力の向上急務』が報じられている。

『日経平均株価は年明け早々に最高値を更新した。市場参加者は総じてこの先の持続的な株高を予想する。だが足元の株高はインフレや緩和的な金融環境に支えられた「自動走行状態」で、もってもせいぜい数年だ。より長期で上昇が続くには、日本の潜在成長力の向上という本質的な問題に取り組む必要がある。(途中略)

日本は20年以降一貫して緩和的。度合いは米欧を大きく上回り、足元で一段と強まっている。日銀が異次元緩和に動いた13年以降の局面よりはるかに景気押し上げ的だ。国内総生産(GDP)の名目成長率が長期金利を上回る局面では過去、日本株の上昇に弾みがついてきた。(途中略)名目成長率が金利を上回る、いわゆる「インフレ税」効果で対GDPの政府債務残高は減り、財政状況は改善する。(途中略)』

以前からセミナーなどで何度も指摘してきたT-Model理論は『1988年以降、日本10年債利回りの3年前差が「1.45%」を超えると「90年内需バブル崩壊」、08年「リーマンショック」などのバブル崩壊が起きている』というものだったが、10年物国債利回りは11月末1.807%→12月末2.079%と上昇したことで、3年前比は11月+1.56%→12月+1.67%と、11月以降、「1.45%」の重要な節目を大きく超えた。これまで通りならば「〇〇ショック」が起きるサインが点灯したことを示唆している。これは金利上昇のスピードから危険度を察知する方法の一つだが、前述の2つの記事は金利水準から危険度を察知する方法。「スピード」と「水準」の違いはあるが、どちらの面からそろそろ危険信号が灯り始めている。

この3つの指標で、まだ確定していないのが『国内総生産(GDP)の名目成長率が長期金利を上回る』である。これまで国内総生産(GDP)の名目成長率はドル円の過度な円安で、また長期金利は日銀による日本国債の購入と消費者物価を大幅に下回る政策金利で抑制してきた。当然、当局は名目成長率と長期金利が逆転しないように「操作」を続けるだろうが、日銀が保有する債券の含み損が25年9月中間32.8兆円(25年3月期28.6兆円、24年3月期9.4兆円)に急増、さらに地銀が保有する国内債券の含み損も約3.3兆円(25年9月)と過去最高に膨むなか、いつまで「操作」は可能なのだろうか。

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