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第344回:超長期債利回り急上昇 財政懸念が原因?

第344回:超長期債利回り急上昇 財政懸念が原因?

『超長期債利回り急上昇 は消費税減税など財政懸念』は本当なのか?

2026年1月21日日経新聞に『超長期債利回り急上昇 40年債、初の4%~一時、円安進行 財政懸念で売り拍車』を報じている。

『20日の国内債券市場で償還までの期間が長い超長期債の利回りが急上昇(債券価格は急落)した。40年物国債利回りは初めて4%の大台に乗せた。次期衆院選に向けて与野党が消費税減税など財政拡張的な政策を打ち出していることに対し、市場の警戒感が非常に増している。(途中略)

40年債の利回りは一時4.215%と前日比0.27%上昇。新発30年債利回りも一時0.27%高い3.88%に上昇し、いずれも過去最高となった。25年末からの上げ幅それぞれ0.605%、0.47%に上り、上昇ペースを速めている。長期金利の指標となる新発10年債利回りは同日、一時前日比0.12%高い2.38%に上昇。1999年2月以来27年ぶりの高水準を連日更新した。日本国債売りは外国為替市場で円売りに波及した。対ドルの円相場は1ドル=158円60銭近辺まで下落する場面があった。

超長期債の利回り上昇にあるのが、需給面における変化だ。(途中略)超長期債の主力投資家だった生命保険会社も、新たな資本規制への対応が一巡したことで購入ニーズが落ちている。(途中略)こうした環境下で、市場では海外勢の存在感がより高まっている。日証協が20日発表した公社債店頭売買高によると、「外国人」の25年1~12月の超長期債売買額は13.3兆円。統計を遡れる0.5年以降で最多となった。買い付け額に占める割合でみると、外国人は25年に全体の53%まで上昇し、初めて過半を占めた。(途中略)』

この記事では、超長期債券利回りの上昇は『次期衆院選に向けて与野党が消費税減税など財政拡張的な政策を打ち出していることに対し、市場の警戒感が非常に増している。』、そして、この『日本国債売りは外国為替市場で円売りに波及した。』と「日本債券売り→円安」の流れを指摘する。ほとんどの人々はこの指摘に疑問を持たないかもしれないが、「消費税減税など財政拡張的な政策」を印象操作したい記事のようにも見える。この記事の最後に、『金融市場に野放図な財政出動と受け取られれば、国債売りに弾みがつく恐れは小さくない。政府の利払い負担増加だけでなく、住宅ローン金利の上昇などを通じて国民生活にも悪影響が出かねず、日本経済全体に逆風になりかねない。』と恐怖を煽っていることからも明らかではないだろうか。

T-Modelでは、現在の金利急騰は「消費税減税など財政拡張的な政策」が原因でなく、(人為的)円安による「輸入インフレ」が原因と考えている。T-Model理論『名目GDP-実質GDP』で「インフレ額(率)」の推移を計算すると、2012年の「アベノミクス」以降、「インフレ額(率)」は拡大(上昇)が始まり、特に、2020年以降、加速して、直近25年4~6月約19兆円(+11.7%)、7~9月約16兆円(+9.9%)に達する。実は、この「インフレ額(率)」の先導役となっているのが円安による「輸入インフレ」で、この「インフレ額(率)」から時間差で追いかけるかたちで現在、日本の長期金利上昇が急騰しているだけだろう。つまり、「円安→輸入インフレ→長期金利上昇」と発展しており、この順番さえ理解できれば、「(人為的)円安」を止めるだけで、「インフレ額(率)」は落ち着き、その後、日本の長期金利上昇も一巡するだろう。冒頭の記事が指摘する「日本債券売り→円安」の順番は逆で、本当は「(人為的)円安→日本債券売り」が起きているだけなのである。

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