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『金高騰、波乱の前兆に輝く~「トランプ大統領」の実現警戒』
『金高騰、波乱の前兆に輝く~「トランプ大統領」の実現警戒』
2023年12月22日日経新聞に『金高騰、波乱の前兆に輝く~「トランプ大統領」の実現警戒』が報道されている。
『金(ゴールド)の国際価格が上昇している。国際指標の金価格は4日に1トロイオンスあたり2100ドルを突破し、最高値を更新した。2024年の金相場も上昇基調が続くとの見方が多い。米金融政策の転換に加え、米大統領選挙や地政学リスクなど、有事に輝きを増す金価格を押し上げる波乱要因が行く手に待ち構えているからだ。
金の国際指標となるニューヨーク金先物(中心限月)は足元では2050ドル程度で推移する。1日に3年4か月ぶりに史上最高値を更新し、4日には一時2152ドルまで上昇する場面があった。金上昇の背景には、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策転換に対する期待に伴う米長期金利の下落がある。FRBのパウエル議長は13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で追加利上げでなく、利下げの時期を議論したと明言。足元の米長期金利は4%を下回って推移する。(途中略)24年は米利下げを前提に、高値に定着するシナリオが目立つ。UBSは24年末に2250ドルまで上昇すると予測し、米ゴールドマン・サックスも今後12か月で2175ドルを見込む。(途中略)
金の国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、23年1~9月累計の中銀による金の純購入量(購入から売却を除いた値)は約800トンと、同期間で過去最高だった22年を上回る。新興国を中心としたドル離れを背景に中銀の買いが進み、金相場の下値を切り上げている。(途中略)24年は「金は嵐の晩に輝く」といわれる相場格言通りの波乱の年になるのか。市場は固唾をのんで見守っている。』
2023/12/4『NY金が初の2100ドル台に上昇し、史上最高値を更新』のT-Modelコラムにおいて、
『市場では『米連邦準備理事会(FRB)が24年にも利下げに転じるとの見方が金融市場に広がり、金利がつかない金の買いが優勢となっている。』などの意見も散見されるが、金と米長期金利の「逆相関」の関係は2021年頃からすでに崩れており、米長期金利が5%近くまで上昇するなか金価格は史上最高値圏まで上昇している。今回の金価格の上昇は「金利が下がる」からではなく、「ドルの代替資産」として金にマネーが向かっているだけなのである。つまり、世界の流れは「ドル離れ」なのである。
従って、「ドル基軸通貨」を維持できているかは金価格だけでなく、ドルインデックスのバランスが重要で、新たにT-Model指標「ドルインデックス/金価格」をご紹介する。同指標は23年11月27日週5.0倍と、2011年8月29日週4.0倍の最安値に迫っている。実は、現在の水準はこの最安値からのボトムラインを下抜けそうなギリギリのところに位置しており、現在の金価格が史上最高値を更新し続けると、このボトムラインを下抜けてしまい、2020年8月3日週4.6倍や最安値の11年8月29日週4.0倍に向かい、「ドル基軸通貨」が終焉する可能性を示唆する。
このように「ドル基軸通貨」の終焉を阻止するために起きている可能性があるのが、「戦争」「地震」などである。過去、ブレトンウッズ体制が揺らいだ時にも中東戦争が起き、基軸通貨(覇権)が変わる時には世界大戦が起きたり、地震などの自然災害も起きているからである。』と指摘した。
先週、ドルインデックスは22日安値101.0と5カ月ぶりの安値を付け、「100大台割れ」が接近する一方、金はドルベースで過去最高値付近に反発した。BRICS加盟国の中央銀行を中心にドルの代わりに金を購入しているためで、中央銀行の金購入は年間ベースで2022年約1081トンと過去最高だったが、2023年も約1181トンと過去最高を更新する見込み。その結果、「ドル離れ」を示す指標として開発したT-Model理論『ドルインデックス/NY金(*100)』は先週、4.9倍まで低下して5倍を下回り、2011年8月最安値3.6倍、2020年8月4.6倍を結んだ下限ラインを下抜き始めている。2024年1月1日付でBRICS加盟国となるのが中東のUAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、イランであり、脱「ペトロダラー(Petrodollar)」が進展する可能性を織り込み始めた可能性が高いだろう。
ただ注意しなければいけないことは、過去、現在のようにドル基軸通貨の地位が揺らぐと、「戦争」や「自然災害」などが起きやすいという不思議な傾向があるためである。何度も指摘してきたが、実は、「ドルインデックス」が史上最安値を付けた2011年に「東日本大震災」、また当時の史上最安値だった1995年も「阪神・淡路大震災」が起きていたことには驚かされたが、仮に、ドルインデックスが100大台を割ってくるようだと、「戦争」や「自然災害」が現実味を帯びてくる可能性が高い。12月13日に函館の海上に大量のイワシやサバが漂着し、また14日には三重県伊勢志摩の漁港に約40トンのイワシなど小魚が打ち上げられる異常現象が起きているが、東日本大震災の前にもイルカの大群が海上に打ち上げられており、何か地震と関係しているのか警戒が必要かもしれない。