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『1兆ドルの米国債の津波が流動性吸い上げへ』


『1兆ドルの米国債の津波が流動性吸い上げへ』

2023年6月4日ブルームバーグニュースで『1兆ドルの米国債の津波が流動性吸い上げへ-全ての資産クラスに影響』を報じている。

『米連邦債務上限の適用を停止する法案にバイデン大統領が3日署名し、同法が成立した。これを受けて米財務省は減少していた手元資金を拡充するため、大量の債券を発行しようとしている。銀行にある預金がこの購入に充てられ、流動性がさらに低下する見込みだが、金融機関は市場に準備ができていないと警告している。これによる負の衝撃は米債務上限を巡る前回の危機の後遺症をはるかに上回る恐れがある。米連邦準備制度の量的引き締め(QT)プログラムが既に銀行の準備金を減少させている上に、資産運用会社はリセッション(景気後退)に備えて現金を抱え込んでいるからだ。(途中略)

米連邦債務上限問題が決着したことを受けて、米国債の大量発行が始まるが、一部の金融機関は7-9月(第3四半期)末までに発行高が1兆ドルを超える可能性があるとみている。米財務省は5日に合計1700億ドル(約23.5兆円)余りの財務省短期証券(TB)の入札を実施する予定。TBの買い手には銀行のほかにマネー・マーケット・ファンド(MMF)や大まかに「ノンバンク」と分類される家計や年金基金、企業の財務部門などがある。銀行が買わない場合でも、顧客が銀行預金から米国債へと資金を移せば混乱を引き起こし得る。』

その一方で、2023年4月12日ロイターでは『FRBのバランスシート縮小、今後数年続く=NY連銀報告書』を報じている。

『米ニューヨーク連銀が11日に発表した2022年のシステム公開市場勘定(SOMA)に関する年次報告書で、連邦準備理事会(FRB)は今後数年間にわたり、保有している膨大な現金と債券を縮小させると見込んでいることが分かった。報告書で、FRBの保有資産は現在の8.7兆ドルから2025年半ばまでに約6兆ドルに減少し、その後1年間は安定的に推移すると想定。その後は経済成長とのバランスを保つために保有額が増加し30年には7.2兆ドルにまで回復すると予想した。

20年3月の新型コロナウイルス禍で開始された国債および住宅ローン担保証券の積極的な取得により、SOMAの規模は2倍以上に膨らみ、昨夏には9兆ドル弱でピークを付けていた。』

先週、23年5月29日『債務問題、決着後にも試練』のT-Modelコラムでも、

『大量の短期債発行によって預金から資金を吸い上げる形になれば、銀行システムへの負荷が高まる。債務上限問題が解決したとしても、米政府や銀行が気を緩められない理由がここにある。モルガンスタンレーのマイケル・ウィルソン氏は「債務上限交渉の妥結が流動性の縮小につながり、ベアマーケットラリー(弱気相場のなかでの一時的な上昇)が終わるきっかけになりうる」とみる。』の記事を紹介した。

また、23年5月23日日経新聞『JPモルガンCEO「さらなる金利上昇に備えよ」』においても、

『ダイモンCEOはFRBが早期に利下げに転じるといった市場の楽観的な予想を戒める発言を繰り返している。この日も足元で3.7%程度の10年債利回りが6~7%まで上昇する可能性に備えるべきだと言及した。』 の記事も紹介した。

どの記事でも指摘するように、 債務上限の適用を停止する法案が成立したことで新たに考えておくべき問題は「流動性の縮小」なのである。だが、市場では何かあればいつものようにFRBがマネーを供給(QE)してくれることから「流動性危機」には陥らないと楽観視しているのではないだろうか。

だが、2つ目の記事では、米ニューヨーク連銀の年次報告書で「2025年半ばまでにFRB資産を約6兆ドルに縮小」するQTが想定していることが明らかになった。5月末のFRB資産残高約8.38兆ドルを毎月950億ドルのペースで縮小すると、計画している25年6月に約6.01兆ドルに縮小するが、NY連銀は本気でこんな「QT」計画を実行できるとでも思っているのだろうか。何故なら、世界大恐慌以来、100年振りとなるマネーサプライ(M2)の減少はこのFRBの資産残高との連動性が極めて高く、仮に、FRB資産残高が25年6月に約6.01兆ドルまで縮小すると、M2は16兆ドルまで縮小する可能性を示唆しているからである。それはM2の増加を背景に上昇してきた株価の暴落をも意味するが、NY連銀はそのようなことを想像もできなかったのか。そして、現在のような「流動性危機」の時期に、何故、あえて「流動性危機」を強めるような無謀な「QT」計画を発表したのだろうか。「FRBが何とかしてくれる」といった市場の楽観論はいつまで続けられるのだろうか。

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