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『「日本見直し買い」いつまで~急ピッチな上げ警戒感』


『「日本見直し買い」いつまで~急ピッチな上げ警戒感』

23/5/27JIJI.comで『バブル後高値、持続力は=東京株、海外勢の動向カギ』を報じている。

『東京株式市場で日経平均株価は22日、3万1086円82銭とバブル崩壊後の最高値を付け、その後も1990年以来33年ぶりの高値圏で推移している。外国為替市場での円安進行や国内企業の好調な業績が支えとなる中、海外投資家が株価上昇を主導しており、その動向が株高の持続力のカギを握るといえそうだ。

海外勢は現物で6割、先物で7~8割と最大の売買比率を占める。3月は2兆円以上売り越していたが、4月3日~5月19日の7週間では計5兆円以上を買い越した。これに沿う形で3月に欧米金融機関の経営不安から一時下押した日経平均は4月以降、上昇基調が続く。株高の背景について、みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「日本固有の好材料が重なった」と指摘する。東証が3月、資本効率を測る目安となる株価純資産倍率(PBR)の1倍割れ企業に改善を要請したことを受け、多くの企業が自社株買いを発表。需給の引き締まりによる株価の先高感が意識された。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が日本株への投資に積極姿勢を示したことも、こうした期待を高めたという。

円相場は26日の東京市場で一時1ドル=140円前半と約半年ぶりの水準に下落するなど、円安傾向が続く。上場企業の2023年3月期決算はコロナ対策の緩和や円安を追い風に堅調で、24年3月期も経済の正常化が収益を支えるとみられる。また、海外では急速な利上げに伴う景気悪化が懸念されているが、日銀は大規模金融緩和を継続。市場では「日本の景況感は米国などより明るく、分散投資先として消去法で買われている」(資産運用会社)との声もある。』

また、5月24日日経新聞『「日本見直し買い」いつまで~急ピッチな上げ警戒感』において、

『日本取引所グループの売買統計によると、購入額から売却額を差し引いた海外投資家の4月以降の買い越し額(現物と先物合計)は5月第2週までで6週間で計4兆2700億円。第二次安倍晋三政権への期待から株価が上昇した「アベノミクス相場」初期の12年12月初めから6週間の買い越し額は約2兆4700億円だったので、足元で7割上回る。

東京証券取引所が3月末に打ち出した企業統治改革が、約半分の企業がPBR(株価純資産倍率)1倍を割り込む「異常な状況」になったと説明する。』

今回のように株価の上値を吊り上げるような買い方をするのは外国人であり、記事にあるように、外国人の買い越し額は「アベノミクス相場」初期の7割を上回る。市場関係者からは『東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に対して資本効率改善を求めたこと』で、2012年末の「アベノミクス」スタート時点まで日本株を減らした外国人が本格的に購入すると囃す向きも散見される。本当だろうか?

外国人の累計投資額(先物+現物)を振り返ると、2012年30.26兆円→2015年82.7兆円→23年1月23.6兆円→直近5月34.9兆円と推移、直近で外国人買いが急増しているといってもピークだった2015年の約4割の水準に過ぎない。外国人が本格的に購入すると囃す前に考えなければいけないことは、そもそも2015年以降、外国人が日本株をピーク比7割も大量に売り越した理由である。

T-Modelの分析では、その理由の一つは「割高」だったからと考えている。割高か割安を「バフェット指数(株式時価総額/名目GDP)」で振り替えると、「アベノミクス相場」初期は約0.5倍台と超割安だったが、2015年には1.25倍と割高な水準まで上昇したことで外国人は大量の売り越しを行ったのではないかと推測できる。現在も1.3倍台と依然、割高なままで、外国人が本格的に購入するのかは甚だ疑問である。どちらかというと、2021年9月に当時の菅首相が退陣を表明し、衆院解散・総選挙への思惑から日経平均が突然急騰、バブル後最高値を更新した時期に似ているのではないだろうか。セミナーなどで、以前から年度末(3月と9月)の株価吊り上げの「株価操縦」を指摘してきたが、今年はG7広島サミットでそれが延長され、さらに衆院解散・総選挙への思惑で株価を吊り上げていると考える方が自然のような気もするが。仮に、この衆院解散・総選挙への思惑が本当の理由なら空売りの買戻しを狙った外国人投機筋は「黒い眼の外国人」を疑う必要もあるだろう。

それを表しているのは新興市場のマザーズ市場で、33年振りにバブル後最高値を更新した日経平均に対し、マザーズ指数は直近ピークだった2020年10月1368→23年5月734と-46%も下落したままなのである。その結果、日経平均と新興市場のマザーズ指数の比率である「MT倍率」はリーマンショック以来の歴史的な水準まで下落し、日本市場はファンダメンタルを無視した投機的市場に成り下がっていることを示唆しているのである。明かに日本国民のためにならない理不尽なことを行う現政権はいつまでこんな「茶番劇」を続けるのだろうか。

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