塚澤.com最新ニュース

Home » アトランタ連銀GDPナウが示唆リセッション域に転落

アトランタ連銀GDPナウが示唆リセッション域に転落

アトランタ連銀GDPナウが示唆リセッション域に転落

アトランタ連銀の「GDPナウ」が示唆する「トランプセッション」?

2025年3月4日ロイターは『「トランプセッション」到来か、急速な景気後退告げるリアルタイム指標』を報じている。

『初耳の言葉かもしれないが、これからはお馴染みになるだろう。リアルタイムで米国の景気動向を推計する注目指標によると、米国の国内総生産(GDP)は新型コロナウイルスのパンデミックに伴うロックダウン以降最速のペースで縮小しているからだ。アトランタ地区連銀のGDPリアルタイム推計モデル「GDPナウ」は、今四半期(1-3月)の成長率が3日時点で驚きの年率マイナス2.8%と、先週のプラス2.3%から反転したと推計している。1カ月前、このモデルは今四半期の成長率がプラス4.0%近くのペースで進んでいることを示していた。

リアルタイム推計値は新しい経済データが発表される度に更新されるため、変動が激しくなり得る。2月だけでも11回発表があった。2月28日にはマイナス1.5%というショッキングな数字が発表された。これは企業が関税の導入を控えて輸入を前倒ししたため1月の貿易赤字が過去最大の1530億ドルに達したことが主な原因だった。3月3日発表の数字は製造業活動の指数が弱かったことによるものだ。』

予測精度の高さで定評のあるアトランタ連銀の「GDPナウ」は3月3日、1~3月期改定値が年率でマイナス2.8%とリセッション域に転落したことを冒頭の記事で「トランプセッション」と名付けている。トランプ関税を警戒した駆け込み輸入による1月貿易収支の大幅悪化したことに加え、1月小売り統計名目で前月比0.9%減と弱くなり始めた1月消費データを反映した。1月は米国全土を寒波が襲い、またカリフォルニアでの大規模な山火事も消費を抑制した可能性があるため、この分は一過性の可能性もある。ただ、これまで米国の個人消費を支えてきた住宅価格と株価上昇による巨大な「資産効果」が縮小した影響も大きいかもしれない。

トランプ大統領の関税政策以降、株価の頭が重くなり始めており、市場では、株価を重視するトランプ米大統領は不安定な相場を受けて関税政策を見直すと期待する向きもある。ただトランプ氏は6日、追加関税の救済措置を発表したことについて「相場と何ら関係ない。相場を見てすらいない。(関税によって)長期的には米国は強くなる」と強調した。マーケットの声を重視するとみられたヘッジファンド出身のベッセント米財務長官も関税を重要施策に位置付け、6日のNYで開かれた講演で、関税引き上げによる物価上昇は「1回限りの価格調整」だと述べ、大きな問題にならないとの考えを示した。市場では期待していた「トランプ・プット」は「トランプ・リスク」の失望に変わり始めている。

T-Modelでは過去、このアトランタ連銀の「GDPナウ」と近い経済データを調べたところ、「ミシガン大学消費者信頼感指数」との連動性が高いことが分かっている。先行指標の現在の「GDPナウ」が-2.8%に急落したことから3月以降の「ミシガン大学消費者信頼感指数」を予測すると25年2月64.7から45~50の水準に落ち込むことを示唆していることになる。そして、T-Model理論『「ミシガン大学消費者信頼感指数」とNYダウ(前年比)の連動性』からすると、仮に、「ミシガン大学消費者信頼感指数」が45まで落ち込んだ場合、NYダウは前年比約-20%下落することを示唆する。ちなみに、1年前の24年3月末のNYダウ39807ドルの-20%は31845ドルと試算されるが、どうなるだろうか。突然の「トランプ・プット」への豹変がなければ覚悟しておくべきNYダウの水準として頭の片隅においておいた方が良いかもしれない。

塚澤.comの会員向けサービス
会員向けサービス
会員向けサービス
Tsukazawa.com Premium Contents

塚澤.comの有料会員向けサービス(「今週のT2経済レポート」定期購読のお申し込み)では、T2レポートの配信の他にも様々な会員特典をご用意しております。

無料会員登録をしていただくと、一部会員向けコンテンツの閲覧やメルマガの購読をご利用いただけます。

セミナーのご案内

【受付終了】御礼:11月16日:「生活防衛の教室」Webセミナー 2024年 秋 終了しました。

【受付終了】御礼:10月5日:「生活防衛の教室」Webセミナー 2024年 夏 終了しました。

【受付終了】御礼:5月18日:「生活防衛の教室 」Webセミナー 2024年春 終了しました。