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コロナ禍なのに倒産件数が50年ぶり低水準の不思議


コロナ禍なのに倒産件数が50年ぶり低水準の不思議

2021年11月14日日経新聞に『中小支援拡充、もろ刃の剣~倒産少なく、革新には足かせ 専門人材の育成課題に』が報道されている。

『中小企業の経営が正念場を迎えている。倒産件数は50年ぶりの低水準で推移するが、長引く新型コロナウイルス禍で稼ぐ力が衰えている。政府が19日にまとめる経済対策にも3兆円程度の給付金が盛り込まれる見通し。手厚い支援策はイノベーション(革新)を阻害する副作用もあるだけに、コロナ後を見据えて中小支援のあり方も軌道修正する時期に来ている。

政府支援は企業倒産の抑制に寄与する。東京商工リサーチによると、21年4~9月の企業倒産件数は前年同期比24%減の2937件と1972年度以降で最少だ。ただ同社の原田三寛情報部長は「資金繰り支援が効いているだけで中小の採算は悪化している」と話す。資本金1000万以上1億円未満の中小企業を対象に借入金から手元の現金を引いた実質有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)で割った返済負担を調べると21年6月末に12.7倍。コロナ前の19年6月末(8.2倍)と比べて悪化した。
制度融資で資金繰りはしのぐが、今後、返済期限を迎える。しかし本業の収益が悪化しており、返済原資確保に苦労しかねないリスクが浮かぶ。』

また関連記事の『中小支援の無利子融資、3カ月延長~経済対策、来年3月まで』では、

『政府は政府系金融機関による実質無利子・無担保融資の申請期限を2022年3月末まで延長する。19日にまとめる経済対策に盛り込む。新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい経営状態にある中小企業の資金繰りを支援する。現在は21年末を申請の期限としている。延長するのは日本政策金融公庫と商工組合中央金庫が担うコロナ対応の特別融資で、コロナの影響で売り上げが減少した中小企業などに貸し出す。国からの利子補給で3年間無利子となる。日本公庫の場合は条件を満たせば中小企業が最大3億円、零細企業や個人事業主が最大6000万円を無利子で借りられる。政府系金融機関の無利子・無担保融資は20年3月に時限措置として導入した。感染拡大や緊急事態宣言の繰り返しに伴いすでに2度申請期限を延長した。当初は21年3月が申請期限だった。』

この他、「雇用調整助成金」の特例措置についても12月末までとする予定だったが、厚生労働省は2022年3月まで延長すると発表した。「雇用調整助成金」特例措置の助成内容は、売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、解雇などを行っていない中小企業の従業員の休業および教育訓練に対する助成率9/10、大企業は3/4、1日1人あたりの上限助成額は1万3500円など。

倒産件数が50年ぶりの低水準で推移しているのも、また失業率が低水準で推移しているのもこの2つの支援策が大きいことは間違いない。2021年年間の「倒産件数」は約6000件ペースで、直近で最小だった90年6468件を31年振りに下回る歴史的低水準となりそうである。実は過去、この「倒産件数」は株価との連動性が高く、つまり、2022年も更に株価が上昇するためには更なる「倒産件数」の減少が一つの条件ということになる。2つの支援策によって「倒産件数」「失業率」を低水準で抑えてきたことは明らかなだけに、冒頭の記事にもある「コロナ後を見据えて中小支援のあり方も軌道修正する時期」を迎え、2つの支援策がいつ、どのように見直されるかが経済や株価を予測する上で極めて重要なファクターになり始めている。コロナが沈静化する「コロナ後の世界」はバラ色の世界が再び訪れると思っていた方々は気を付けた方が良いだろう。それは、コロナを理由に先送りされてきた企業と働く人々の改革が一気に始まることを意味し、日本全体に「膿出し」が始まるからである。今からでも政府の支援頼みからの脱却を急ぐタイミングを迎えている。

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