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ドルインデックス大台割れ目前 ドル基軸通貨の崩壊?

ドルインデックス大台割れ目前 ドル基軸通貨の崩壊?

「ドルインデックス」の8ヶ月振りの「100大台割れ」目前が示唆すること

2024年8月22日日経新聞に『ドル指数、年初並み低水準~利下げ観測で「魅力低下」新興国通貨買いに波及』が報じられている。

『外国為替市場で米ドルの弱さが目立つ。円、ユーロなど主要通貨に対するドルの総合的な強さを示すドル指数は20日、1月以来の低水準を付けた。市場は米連邦準備理事会(FRB)が経済減速に伴い9月に利下げを始めると確実視する。より高金利の新興国通貨に資金を移す動きもドル安圧力になっている。 ドル指数(DXY)は20日、一時101.40近辺まで下げ、2024年1月2日に付けた101.34以来の低水準となった。20日のニューヨーク市場では、円相場が1ドル=145円台前半まで円高・ドル安が進行。21日の東京市場では1ドル=144円90銭台まで上昇する場面もあった。円を調達して高金利通貨のドルなどを買う「円キャリー取引」が7月中旬から急速に巻き戻され、円の対ドルレートは5日に一時141円台半ばまで円高・ドル安が進んだ。その後8月中旬に149円台前半まで戻した後、再びドル安方向に相場が振れている。ユーロ相場も20日に1ユーロ=1.1126ドルと23年末以来のユーロ高・ドル安水準を付ける場面があった。

円キャリー取引の巻き戻しは日銀の利上げ、ユーロ高は欧州の景気回復が追い風になっているほか、米国経済の失速懸念の影響が大きい。2日発表の7月雇用統計は市場の予想よりも悪く、景気後退入りの不安がにわかに高まった。その後発表の指標が堅調で過度な警戒感はいくぶん和らいだが、米景気の減速という構図自体は変わっていない。(途中略)

金利先物市場から米国の政策金利動向を予想する「フェドウオッチ」によると、9月利下げの織り込み確率は100%。25年7月末までに現状より計2%程度の利下げがなされるとのシナリオが金融市場では優勢だ。利下げ観測に伴い米国債利回りは各年限で低下(債券価格は上昇)圧力がかかる。物価上昇率の落ち着き以上に利回りが低下したことで、米国の実質金利も低下した。(途中略)』

結局、先週の「ドルインデックス」は24年8月23日100.6(終値ベース)と「100」大台割れ目前まで下落し、約8月前に付けた23年12月27日100.6に並んだ。当時はドル円が23年12月28日安値140.2円と「140円大台割れ」目前まで円高が進んだ。実際に「ドルインデックス」が終値ベースで「100」大台割れだった23年7日99.9の時期はドル円が138円台の水準だった。従って、今回仮に、「ドルインデックス」が「100」大台割れとなると、日経平均が4451円安の過去最大の下落幅を記録した8月5日に付けたドル円安値141.6円を下回ると同時に、「140円大台割れ」トライの可能性が高まることを示唆する。

「ドルインデックス」は24年6月28日105.8を直近ピークに「円キャリートレード」の巻き戻しが起きて下落が始まり、特に8月19日以降、下落が加速した。パウエルFRB議長は23日、注目されたジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)の基調講演で「政策を調整する時が来た」「強い労働市場を支えるために全力を尽くす」と述べ、 「9月17日FOMCでの利下げ開始」を事実上裏付けると同時に、「50bpsの利下げ」の可能性も高まり、米国2年債利回りは4%割れまで下落した。その「お膳立て」をしたかたちなのが、8月21日に米労働統計局が発表した「雇用統計の年次改定」で「24年3月までの1年間の雇用者増が81万8000人と2009年以来最大の下方修正幅」で、同時に、過去1年間の年間雇用者数290万人増の約3割下方修正という、ある意味粉飾に追い込まれるほど労働市場が冷え込んでいる実態が浮き彫りにもなった。

実は、先週、「ドルインデックス」が「100」大台割れ目前まで下落するなか、NY金は24年8月20日高値2570ドルと過去最高値を更新した。「ドルインデックス」の実質価値を計る方法として開発したT-Model理論『ドルインデックス/NY金』は先週8月19日週3.9倍と、「ドルインデックス」が過去最安値「69.1」まで下落した2011年8月29日に記録した過去最低「4.0倍」を約13年振りに割り込んでしまった。これは現在の「ドルインデックス」が「100」と、過去最安値「69.1」に比べ大きく上回っていることからまだまだ余裕があるようにも見えるが、それはドル円を「人工的」に円安にして嵩上げしているためで、「「ドルインデックス」の実質価値は過去最低だった「2011年」まで下落していることをT-Model理論『ドルインデックス/NY金』は示唆する。

「ドルインデックス」が過去最安値「69.1」まで下落した「2011年」を振り返ると、米国債の最上級の格付けが史上初めて引き下げられ「米国債ショック」が起きて「ドルの基軸通貨」の崩壊の危機すら騒がれた年だった。また、日本では今でも恐ろしくなる「東日本大震災」が起き、欧州では「欧州債務危機」、中東・アフリカでは「アラブの春」、北朝鮮金正日総書記の死去、ビンラディン容疑者殺害と世界中で大きな「不思議な出来事」が次々と起きた。今から振り返ると、これらの大きな「不思議な出来事」は「ドル基軸通貨」の崩壊を阻止することと何らかの関係があったのか。その関係はいつまでも分からないだろうが、少なくともT-Model理論『ドルインデックス/NY金』は「ドルの基軸通貨」崩壊の危機となった「2011年」の状況に近づき、再び、世界中で大きな「不思議な出来事」が次々と起きるリスクを示唆していることになる。日本では猛暑、ゲリラ豪雨や大型台風の襲来、さらに、気象庁は8月8日に初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表するなど不穏な空気が漂っているが、引き続き「地震」などの「自然災害」は勿論、「戦争」「パンデミック」「経済危機」などには注意が必要な時間帯が続くことを再認識する必要があるだろう。

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