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米債券市場 相互関税がもたらした 〇〇ショックの震源地に?

米債券市場 相互関税がもたらした 〇〇ショックの震源地に?

『不穏さ潜む米債券市場』

2025年5月31日日経新聞夕刊に『不穏さ潜む米債券市場』が掲載されている。

『30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比54ドル高の4万2270ドルで終えた。月間では4カ月ぶりに上昇した。対照的なのは不安定な動きが続く債券市場。相互関税がもたらした傷痕は深く、波乱の芽が潜んでいることをうかがわせた。(途中略)トランプ氏が4月2日に相互関税を発表した後、株安が進むなかで債券にも換金売りが殺到。金利水準が大きく切り上がった。中銀の独立性を巡る懸念や米国債の格下げといった悪材料が続いた後に大型減税法案が財政赤字を拡大させるとの見方も重なった。(途中略)

財政への懸念もあり超長期債への投資家の戻りは鈍い。より長期の国債の利回りほど高止まりし、利回り曲線が急になる「スティープ化」が進んだ。30年債と10年債の利回りの差は30日時点で0.5%程度と、3月末の0.37%前後から切り上げっている。(途中略)

30日発表の4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は市場予想の範囲にとどまった。食品とエネルギーを除くコア指数は前年比2.5%と2021年3月以来の水準まで減速した。平時であれば利下げが話題になりそうだが、関税の影響を見極めたいFRBは当面動きそうにない。そのなかで気がかりなのは世界的な食糧価格の上昇だ。国連食糧農業機関(FAO)の価格指数は4月まで8か月連続で前年実績を上回った。調査会社のBCAリサーチは米国の食品価格はこの指数に9ヵ月ほど遅れて動くと分析。「高止まりしている期待インフレ率には不吉な動きだ」とみる。(途中略).』

米国の『30年債-10年債』のイールドスプレッドが0.53%と、22年9月19日週-0.08%の「逆イールド」以降、最大となった。30年債利回りが25年5月21日高値5.098%まで上昇し、23年10月30日5.097%を1年7か月振りに更新。40年来のボトムとなった20年8月1.176%以降の最高値を更新する一方、10年債利回りは25年5月21日高値4.525%まで上昇したものの、2月12日4.66%以来、約3か月振りの水準にとどまっているためである。米国ではトランプ減税の恒久化を含む減税案が下院で可決され、日本でも消費減税を巡る議論が活発になり世界の債券市場では潜在的な財政悪化リスクが意識され、特に、超長期債の利回り急上昇が世界の債券市場を揺らす震源地となりつつある。

特に、日本の債券市場では超長期債の売買高全体(債券ディーラーを除く)に占める海外勢の割合が足元で約5割と、約2割だった20年ごろから比率は右肩上がりに上昇し、主な買い手が海外勢に移ったことで、国内外で金利が連動しやすくなり、米国発のイベントにも日本の債券市場が振り回される。そのため、日本の30年債利回りも5月21日3.196%まで上昇し、史上最高値だった2000年9月2.667%を5年振りに更新している。

このように『30年債-10年債』のイールドスプレッドの「スティープ化」が進むことで、同指標の過去30年来のボトムである2010年10月25日週1.58%と21年2月1日週0.81%のボトムを結んだラインを割り込み始めている。実は、T-Model理論『「30年債-10年債のイールドスプレッド」とドル円』の連動性、T-Model理論『「30年債-10年債のイールドスプレッド」とドルインデックス』の連動性があり、更に「スティープ化」が進むようだと、今後は円高やドルインデックスの下落がより強まることを示唆する。「超長期債の利回り」上昇が「○○ショック」の震源地になる日も遠くないかもしれない。

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