塚澤.com最新ニュース
Home »
バフェット指数200%過去最高 リーマンショック以上の危機?
バフェット指数200%過去最高 リーマンショック以上の危機?
「世界で稼ぐ力」が高まったから「バフェット指数」が200%と過去最高を更新?
2024年10月29日日経新聞に『米時価総額 GDPの2倍に~「バフェット指数」過去最高 世界で稼ぐ力高まる』を報じている。
『米国株の時価総額拡大が続いている。「バフェット指数」と呼ばれ、時価総額を米国の名目国内総生産(GDP)で割った値は9月末時点で約2倍と過去最高になった。米企業が世界で稼ぐ力の高まりを示す一方、自国経済と比較した割高感を指摘する声もある。
バフェット指数は実体経済との対比で株価が割高かどうかをみる指標。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が重視した経緯から名付けられた。米国に本店を置く全ての企業の株式を組み入れる株価指数「ウィルシャー5000」.をもとにした時価総額と、公表済みの直近4四半期のGDP平均を比較しバフェット指数を算出したところ、9月末時点で194%と21年12月に付けた189%を上回った。QUICK・ファクトセットでデータ取得できる1997年以降で最高だ。前回最高となった21年は新型コロナウィルス禍でGDPが減る一方、金融緩和や財政拡大が株価を押し上げていた。
バフェット指数はかつては100%を超えると割高とされ、IT(情報技術)バブル期は170%程度だった。最近は150%超えが常態化している。バフェット氏は2000年前後のITバブル期に「非常に強い警告信号であるべき」だと発言したとされる。(途中略)』
バフェット指数が過去最高に達したことについて、「経済のグローバル化が加速して国内景気と株価は正比例しなくなっている」との見方もあるが、その見方は正しいのか。米国の政府債務とGDPの関係をみると、米政府債務はGDPの2倍ペースで拡大する一方、その米国の政府債務と米国株価が連動して上昇、政府債務増大によるバブルが「バフェット指数」を過去最高の200%まで押し上げた原動力なのだろう。つまり、この「米国の政府債務」の拡大が止まった時点でGDPの成長は止まり、株価も暴落する可能性が高まることになる。「経済のグローバル化」という尤もらしい言葉で一瞬、騙されそうになるが、その裏は「借金マネー」によるバブルが隠されているだけなのである。
11月2日日経新聞では、
『著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが2024年7〜9月期に米アップル株の保有株式を25%程度減らしたことが2日わかった。アップル株売却は4四半期連続。株売却で手元資金は6月末比2割弱増えて3252億ドル(約50兆円)と過去最高を更新した。
バークシャーが2日発表した7〜9月期の四半期報告書は、9月末のアップル株保有時価は699億ドルで、6月末時点から17%減ったと開示した。7〜9月期にアップルの株価は11%上昇していたことを考慮すると、期中に保有株の約25%を売却した計算だ。4〜6月期にはアップル株の保有株を49%減らしたばかり。今回の追加売却を経て、23年9月末対比でみると保有株式数は3分の1にまで減っている。売却後もバークシャーの株式投資保有額の3割弱をアップルが占める。(途中略)』と報じている。
7〜9月期の株式売却は-1274億ドルと2四半期連続過去最高の売り越し(4~6月期928億ドルの売り越し)で、前述の記事にあるように、現金は3252億ドル(約50兆円)と、前四半期+17%増、過去最高を更新した。運用資産に占める現金比率も36.8%と過去最高を更新したが、同比率が過去最高だった05年1~3月期27.6%の後、「パリバショック」「リーマンショック」が起きている。バフェットは少なくともそれ以上の危機が今後、訪れることを警戒しているのだろう。バフェットには、「経済のグローバル化が加速して国内景気と株価は正比例しなくなっている」との浅い考え方など見向きもしていないようである。