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バフェット氏投資会社、1〜3月の株式売越額1.4兆円で2四半期大量売り越し
バフェット氏投資会社、1〜3月の株式売越額1.4兆円で2四半期大量売り越し
2023年5月6日日経新聞に『バフェット氏投資会社、1〜3月の株式売越額1.4兆円』が報じられている。
『米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイは6日、2023年1〜3月期の決算を発表した。米地銀破綻で市場が動揺する中、株式売買は104億ドル(約1兆4000億円)の売り越しとなった。エネルギー銘柄の買い増しに動く一方で、投資銘柄の入れ替えは活発だったようだ。 キャッシュフロー計算書によると、1〜3月期の株式取得額は28億ドルだった。3月に持ち分法適用会社の米石油・ガス大手のオキシデンタル・ペトロリアムを計10億ドル相当追加取得し、保有比率を約24%に引き上げていた。株式売却額は132億ドルだった。具体的な売却銘柄は明らかになっていない。前年同期の株式売買は413億ドルの買い越しだった。自社株買いは44億ドルで前年同期比4割増えた。
バークシャーの23年1〜3月期の純利益は前年同期比6.4倍の355億ドルだった。米国会計基準では保有する上場株の評価損益を最終損益に反映する必要があり、利益水準は株価変動によってぶれやすい。上場株ポートフォリオの約4割を占めるアップルの株価が期中に3割近く上昇した影響が大きかったもようだ。投資評価損益を除く営業利益は前年同期比13%増の80億ドルとなった。保険事業が好調だった。』
また、2023年5月9日日経夕刊に『米国を叱るバフェット氏』が掲載されている。
『「我々の事業の多くは、昨年より利益が減っていくだろう」「第二次世界大戦後以来となる異例の好況期はすでに過ぎた」。バフェット氏は総会冒頭の業況説明のなかで述べた。(途中略)
中長期では常に米国経済に信認をおき、短期の景気予測めいたことは避けてきたバフェット氏。こうした発言をするのは異例だ。
米国の政治分断は「(利益誘導の)『同族主義』に近づいており、機能しなくなっている」と非難した。債務上限問題が与野党対立のまま妥協に至らなければ金融市場は大混乱に陥りかねない。地銀破綻で揺れる米銀行システムについても、当局が対応を誤れば「破滅的な事態」になりかねなかったと警鐘を鳴らした。』
23年1~3月期の株式取得額28億ドルに対し、132億ドルの売却を行い、株式売買は104億ドルの売り越し。前期22年10~12月もコロナショック時の売り越し額を上回る163億ドルの売り越しで、2四半期連続で大幅な売り越し。その結果、23年3月期末の現金残高は1,306.16億ドルと、昨年12月末(2022年第4四半期1,280億ドル)から約20億ドル増加した。バークシャー・ハサウェイの2022年末総資産は9098.6億ドルであることから、総資産の約14%がキャッシュということになる。インフレと金利上昇が続く中、バークシャーは現金の山を築き、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げをしているため、結果として金利収入も増加している。
この大量の現金を保有していることから市場が総悲観になっているときに買い向かうことができる唯一の投資家がバフェットなのである。つまり、バフェット氏は現在の株式市場は高くて買えないということなのだろ。
バフェット氏の投資の神髄がわかるのは、金利上昇期や相場が暴落したときである。2008年の世界金融危機(リーマンショック)の際、ゴールドマン・サックス・グループ(GS)に50億ドルを出資し、また、バンク・オブ・アメリカ(BAC)にもサブプライム住宅ローン絡みの損失で株価が急落した2011年に資本注入している。次の金融危機の局面でも、またしてもバフェットは規格外の安値で金融株や優良株を手に入れようと虎視眈々と狙っている。それを物語るのが、大量の現金保有なのである。