塚澤.com最新ニュース

Home » ブラックマンデー超え4451円安の恐怖 暴落後 次の焦点

ブラックマンデー超え4451円安の恐怖 暴落後 次の焦点

ブラックマンデー超え4451円安の恐怖 暴落後 次の焦点

2024年8月5日日経新聞は『日経平均株価4451円安 下げ幅ブラックマンデー超え最大』を報じている。

『5日の東京株式市場で日経平均株価が急落し、前週末比4451円(12%)安の3万1458円で終えた。下落幅は米国株急落が世界に飛び火したブラックマンデー翌日の1987年10月20日の3836円安を超えて、過去最大となった。米国の景気後退の警戒感が出る中、海外の機関投資家やヘッジファンド、個人投資家といった市場参加者全員が売りに動いて、売りに拍車がかかり、連日の急落となった。

日経平均は下落率でも歴代2番目となっており、終値で2023年10月以来約9カ月ぶりの安値水準をつけた。東証プライム市場ではほぼ全面安になった。三井住友フィナンシャルグループや第一生命ホールディングス、東京エレクトロンなど日本全体で800を超える銘柄が、制限値幅の下限(ストップ安水準)まで下げた。

5日午後1時30分ごろには、大阪取引所が日経平均先物に売買を一時中断する「サーキットブレーカー」を発動した。前週末比の下げ幅が制限値幅の8%に達したため、相場急変時に投資家に冷静な判断を促すための措置として発動した。その後も、売りは拡大し、午後2時30分ごろには、再びサーキットブレーカーを発動した。』

冒頭の記事では、今回の日経平均の過去最大の下げ幅は「米国の景気後退の警戒感が出る中、海外の機関投資家やヘッジファンド、個人投資家といった市場参加者全員が売りに動いて、売りに拍車がかかり、連日の急落となった。」との指摘だが本当か。もし、その「米国の景気後退の警戒感」下落した理由なら、米国株下落→日本株下落となるはずだが、今回は日本株が米国株に先行して急落しており、別の要因が大きいのだろう。

先週もご紹介した2024/07/29「『円相場 潮目変わったか』?」のT-Modlコラムにおいて、

『2024/04/22『止まらぬ円安は本当に「ドル高主導」なのか?』のT-Modelコラムにおいて、

『ドルインデックスとドル円を比較すると、両者の乖離が極めて大きい。冒頭の記事で指摘する「ドル独歩高」が円安の要因ならこのような乖離が起きにくく、一つ考えられるのは「円キャリートレード」がドル高以上に円安を加速した可能性がある。過去、今回のような両者の乖離は、リーマンショック前の07年6月頃、LTCM危機の98年8月頃に起きており、大きな危機の前に起きる現象のようにも映る。それが何かは定かではないが、大量に溜まっている「円キャリートレード」の巻き戻しが起きて、危機を誘発するのではないだろうか。「ドル基軸通貨」体制の揺らぎは「戦争」「地震」を誘発し、同時に、「円キャリートレード」の巻き戻しが世界的危機の引き金を引く可能性にも注意すべき段階を迎えている。』と「円キャリートレード」が原因の一つと指摘した。

ご存知の通り、先週、「ドル円」は4月12日週以来、約3か月振りに151円台まで円高が進行、わずか2週間で10円以上円急騰したことになる。日米双方で金融政策に転換が近いとの見方が広がるなか、年初から進んできた低金利の円を調達して高金利のドルで運用する「円キャリートレード」に巻き戻しの動きが出ている。日本では、政府・与党幹部かが相次いで日銀への金融正常化を求め、FRBが利下げに向かう中で日米金利差の縮小が意識されやすくなっている。 以前から何度かご紹介してきたT-Model理論『円キャリートレード指数』として開発したのが「ドル円/ドルインデックス」。同指標は7月5日週1.54倍と過去最高を記録した後、先週末7月26日週1.48倍まで低下した。ただ、T-Model理論『円キャリートレード指数』はまだまだ歴史的高水準を維持しており、本格的に「円の巻き戻し」が始まったとは言い難い。

1995年以降、T-Model理論『円キャリートレード指数』が歴史的ピークを打ったのは、1998年8月1.44倍を記録した時期で、「ドル円」1998年8月146円→1999年11月101円まで-30%の円高、次が2007年7月1.52倍を記録した時期で「ドル円」2007年6月123円→2011年10月75円まで-39%の円高となっている。今回はこの過去2回を上回る2024年7月1.54倍を記録したが、どこまで円高が進行するか。

ドル円の投機筋ポジションを振り返ると、2024年7月-18.4兆枚まで売られ、2007年6月-18.8兆枚以来、17年振りに過去最高に達していたが、先週までの円急騰で2024年7月1日週-18.4兆枚→7月22日週-10.7兆枚と、-41%の「円売りポジションの解消」が起きている。この過去最大の「投機筋の円売りポジション」と過去最高のT-Model理論『円キャリートレード指数』の時期がほぼ一致していることから、今回も07年の「円高修正」局面をなぞることが予想される。仮に、それが始まると市場には衝撃が起こるため、マーケットを操作してきた側は当面「抵抗」すること予想されるが、抵抗できなくなる近い将来も近づいているように思われる。』と指摘した。

先週の「ドル円」は8月2日に146.41円まで円高進行後、さらに週明け8月5日には141.66円まで一気に急騰し、7月3日161.99円の今回の円安ピークからは約1か月で約20円幅、約12.5%の円高進行となった。7月30-31日に開催された日本銀行の金融政策決定会合で「国債買入額を現在の月6兆円から26年1-3月までに月3兆円程度へ減額」「0.25%までの利上げ」をそれぞれ発表後、重要な節目の1ドル=150円割れ目前まで円高が加速、その後、8月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で8会合連続の金利据え置きを発表後、パウエルFRB議長が9月利下げ開始を示唆したことで8月2日に150円大台を割り込み146.41円まで一気に円高が進行したことで日経平均は前日比-2216円安(5.8%安)と、下げ幅は1987年10月20日のブラックマンデーによる暴落以来、史上2番目の下落幅を記録、そして、週明け5日は141.66円とさらに一気に140円大台割れ目前まで円高が進行したことで日経平均は前日比-4451円安(12.4%安)と過去最大の下げ幅を記録した。当局が金融政策を変更するなか株価だけは下げさせられないと必死で「株価操縦」してきたが、相場の基本はマーケットサイズの大きい為替市場の影響の方が大きく、株価だけ操縦しても騙しきれない実態が証明されたかたちだろう。

今回の急激な円高を予測したT-Model理論『円キャリートレード指数』だが、24年7月5日週1.54倍と過去最高を記録後、7月12日週1.52倍→7月19日週1.51倍→7月26日週1.48倍→8月2日週1.42倍と低下。ただ、「円の巻き戻し」はまだまだ始まったばかりで、今後も円高には警戒が必要だろう。本日8月6日に日経平均は急反発して一安心といったところだろうが、これはドル円が145円台まで戻し、「円の巻き戻し」による円高の恐怖からは一旦、落ち着きを取り戻したためではないだろうか。過去を振り返ると、同指標が当時の最高だった1998年に1.44倍を記録した時期は「ドル円」1998年8月146円→1999年11月101円まで-30%の円高、次に当時の最高だった2007年に1.52倍を記録と時期は「ドル円」2007年6月123円→2011年10月75円まで-39%の円高となっている。従って、再度、円高リスクがあり、それが始まると日本株の更なる下落には警戒が必要だろう。「相場の基本はマーケットサイズの大きい為替市場の影響の方が大きく、株価だけ操縦しても騙しきれない」を忘れないことである。そして、次の焦点は、先行して急落した日本株に対し、米国株、特に日本株との連動性の高いナスダック指数がどこまで追随して下落するかではないだろうか。そして、参考にすべきは、2020年「コロナショック」の局面で、どちらも11月の大統領選挙前に株価急落が起きたためである。株式マーケットを操作してきた側は2020年「コロナショック」の局面では「QE4」で「株価吊り上げ」を行ったが、今回も「QE5」?発動となるのか、が注目される。

塚澤.comの会員向けサービス
会員向けサービス
会員向けサービス
Tsukazawa.com Premium Contents

塚澤.comの有料会員向けサービス(「今週のT2経済レポート」定期購読のお申し込み)では、T2レポートの配信の他にも様々な会員特典をご用意しております。

無料会員登録をしていただくと、一部会員向けコンテンツの閲覧やメルマガの購読をご利用いただけます。

セミナーのご案内

【受付終了】御礼:5月18日:「生活防衛の教室 」Webセミナー 2024年春 終了しました。

【受付終了】御礼:2月17日:「生活防衛の教室 」2024年予測Webセミナー終了しました。

【受付終了】御礼:11月18日:「生活防衛の教室 」第600回記念Webセミナー終了しました。