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一部デフォルトした中国恒大は来年、4.5兆円の償還を迎える


一部デフォルトした中国恒大は来年、4.5兆円の償還を迎える

2021年12月10日日経新聞に『中国不動産、再び警戒感 恒大 一部デフォルト~来年4.5兆円償還、政策緩和に市場関心』が報道されている。

『格付け会社が9日、中国不動産大手、中国恒大集団を部分的な債務不履行(デフォルト)と認定し、投資家の間で中国不動産業界への警戒感が再燃する可能性がある。2022年には不動産会社が中国本土外で発行したオフショア社債だけで400億ドル(約4兆5千億円)程度の償還予定があり、デフォルトの不安が消えない。

9日の香港株式市場で恒大の株価は前日比4%高で取引を終えた。部分デフォルトが多くの市場関係者に伝わったのは取引終了後とみられる。恒大の株価は信用不安が高まった夏場以降に下げが加速し、昨年末比90%近く下落している。多くの投資家はデフォルトを想定しており、動揺はみられない。もっとも、これで不透明感が消えるわけではない。恒大はデフォルトを公式に認めておらず、一連の経緯を説明する会見も開いていない。外貨建て債務再編の合意には時間がかかりそうで、プロセスが透明性を欠けば、海外投資家の間で不満が高まる可能性がある。 市場参加者の関心は中国当局の政策運営に集中している。

今月に入り、中国共産党の中央政治局会議が投機抑制を重視してきた不動産規制を修正する方針を示したほか、中国人民銀行(中央銀行)も市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す「預金準備率」を引き下げると発表した。投資銀行の中国国際金融(CICC)は「金融緩和の新たなサイクルが始まった」として「成長を安定させる政策シグナルが実際の行動に移ってきた」と指摘する。一方、ING銀行のアイリス・パン氏は「銀行は供給された流動性を過剰債務の不動産会社を避けて、インフラ事業や住宅ローンに振り向ける」と予想する。』

また、同日、日経新聞は一面で、

『格付け会社フィッチ・レーティングスは9日、巨額の債務を抱えて経営難に陥った中国恒大集団の格付けを部分的な債務不履行(デフォルト)に認定したと発表した。米ドル債の利払いを確認できなかったためだ。米ドル債の発行残高は2兆円規模で、中国企業として今後過去最大のデフォルトになる可能性がある。海外投資家の中国企業に対する警戒も一段と強まりそうだ。

フィッチは中国不動産大手の恒大集団の長期外貨建て発行体格付けをシングルCから部分的な債務不履行を意味する「RD」に引き下げた。恒大はグループ会社が発行した米ドル債の利息8249万ドル(約93億円)を期日の11月6日までに支払わず、30日間の猶予期間に入っていた。日本時間の12月7日午後に猶予期限が切れたが、複数の報道によると恒大は利払いを実行していなかった。』と報じた。

中国恒大集団を部分的な債務不履行(デフォルト)に備えてかでうかは定かではないが、中国人民銀行(中央銀行)は6日、金融機関から預金を強制的に預かる比率である預金準備率を15日から0.5%引き下げると発表。引き下げは7月以来5カ月ぶりで、今年2回目。それにより市場に計1兆2千億元(約21兆円)の長期資金を放出する効果が見込まれるという。

国際的な資源高の影響で、中国では10月の工業品卸売物価指数(PPI)が前年同月比13・5%上昇。金融緩和を通じ、原材料価格の高止まりなどで資金繰りが逼迫(ひっぱく)している特に中小零細企業に対する支援の度合いを強める」との考えを示していた。

中国はPPIが高騰する一方、10月消費者物価は+1.5%の上昇にとどまっている。そのため米国や欧州のように金融引き締めとは逆に、金融緩和策をさらに続けようとしている。預金準備率を引き下げた程度でどれだけの延命策になるのかは分からないが、以前にも指摘した通り、中国のマネーの量(マネーサプライ)は約36兆ドルと米国の約21兆ドルの1.7倍規模に達している。GDPが米国が約22.6兆ドル、中国が第二位だが16.6兆ドル規模で、マネーサプライとGDPを比較すると、米国のマネーサプライは約0.9倍だが、中国は2.1倍。つまり、中国は実体経済の2倍にまでバブルが大きくなっていることを示しており、このバブルを一度でも止めてしまうと巨大な風船が大きく破裂することになる。

そのため、物価が上がり、国民の不満が高まろうが、バブル崩壊を自らが決めるまでは供給し続けなければならないという使命なのだろう。それを中国はいつ、何をきっかけに決断しようとしているのか。いずれにしても、これまで数々のバブル崩壊を経験してきたが、近未来に起こるであろう中国のバブル崩壊は想像を絶する規模になることだけは間違いないだろう。そして、それは通貨制度のかたちをゆがめるバブル崩壊となる可能性もあることは心しておいた方が良いのではないだろうか。

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