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世界の国内総生産(GDP)の半分近い金額が消えた


世界の国内総生産(GDP)の半分近い金額が消えた

2022年5月11日日経新聞一面に『株21兆ドル消失、債券も17兆ドル~世界、米利上げが引き金』が報道されている。

『世界の株式や債券の価値が急速に減少している。インフレを背景に米金融引き締めが加速し景気減速の懸念が強まるなか、世界の株式時価総額は100兆ドル(1京3000兆円)を割り、債券を合わせた価値は年初から38兆ドル減った。世界の国内総生産(GDP)の半分近い金額が消えた計算になる。新型コロナウイルス下の緩和マネーで膨張した金融市場が縮み、企業の資金調達などに影を落とす。

9日の米ダウ工業株30種平均は、ロシアのウクライナ侵攻後につけた年初来安値を約2カ月ぶりに更新した。10日は日経平均株価が2カ月ぶりに一時2万6000円を割り、株安が広がる。世界の株式時価総額は昨年末に120兆ドル程度あったが、9日までに約21兆ドル減り、約1年半ぶりに100兆ドルを割った。株安の起点は米国金利の上昇だ。米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和の縮小を急ぎ、米長期金利は9日に一時3.2%台と2018年11月以来の高水準をつけた。0.5%程度だった20年夏ごろから一本調子で上昇し、株式の売りを呼ぶ。金利上昇は世界的な潮流で、債券価格は下がり利回りは上昇している。国際決済銀行(BIS)によると世界の債券残高は21年9月時点で141.4兆ドル。米ブルームバーグ世界債券総合指数の動きから推計すると、21年末で140兆ドル程度だった債券価値は、5月9日時点で17兆ドル減り、123兆ドル程度まで落ち込んだとみられる。

今年の株安・債券安のペースは過去と比べても際立つ。株式時価総額の1~4月の減少額は15.6兆ドルで、リーマン・ショック前後の08年8月~11月(18.3兆ドル)以来の大きさだ。債券の減少額も過去最大となった。債券がマネーの受け皿になりにくいなか、投資家は現金化を急ぐ。9日は原油の先物価格が大きく下げ、米シェブロンなどエネルギー株も急落した。昨年末に7万ドルに迫った暗号資産(仮想通貨)のビットコインは足元で半値以下になった。』

株式と債券が共に大きく下落するケースは珍しいことだが、これはコロナ・ショックを理由に供給された大量の緩和マネーが株式市場だけではなく、債券市場にも流れ込んでバブルを形成したためである。つまり、緩和マネーで同時に膨らんだものは同時に崩壊し始めても何ら不思議なことではない。

記事に掲載されているグラフから判断すると、債券価値は20年約120兆ドルから21年約140兆ドルへ、また株式時価総額は同約70兆ドル→約120兆ドルへと膨らみ、債券よりも株式市場のバブルが大きいことを示している。現在、債券価値はピーク比約17兆ドル消滅して約123兆ドルへと約-12%減、それに対し、株式は同約21兆ドル消滅して約100兆ドルへと約-16%減だが、債券はそろそろ今回のコロナショック時のバブルのスタートラインに近づいているものの、株式は約70兆ドル~80兆ドルのスタートラインにはまだ2~3割高く、株式市場は債券市場よりも下落余地が大きいことを示している。

また冒頭の記事で『昨年末に7万ドルに迫った暗号資産(仮想通貨)のビットコインは足元で半値以下になった』との指摘があるが、ビットコインは下値サポートの21年7月31352ドルを割り込み、更なる下落の可能性が高まっている。実は、このビットコインとドル建て日経平均の動きが比較的連動性が高いことから、仮に、ビットコインが更に下落し続けるようだと、それはドル建て日経平均が下落することを意味する。ちなみに、ビットコインの今回のコロナショックのスタートラインは約8000~9000ドルだが、2021/08/23『「世紀の空売り」対「ハイテク株の女王」』のT-Modelコラムで紹介したテスラ株などの集中投資で高い運用益を挙げて一世を風靡した「アーク・イノベーションETF(ARKK)」はコロナショックのスタートラインに逆戻りして、ピークの21年2月156ドルからは-72%の暴落となっている。

現時点で既に世界のGDPの半分近い38兆ドルが消滅しているが、仮に、さらなる株式の下落が起きるようだと、近未来に大不況が訪れることは間違いないだろう。既に、『株安・国際商品安・ドル高』の『恐怖の3点セット』の兆候は現れているのはそれを暗示しているのである。

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