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大統領選接戦映す恐怖指数 株価下落はいつ?

大統領選接戦映す恐怖指数 株価下落はいつ?

『大統領選接戦映す「恐怖指数」』

2024年10月23日日経夕刊に『大統領選接戦映す「恐怖指数」』が掲載されている。

『22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比6ドル安の4万2924ドルで引けた。市場の関心は2週間後の米大統領選に向かう。異例の接戦が続き、市場への影響はいまだ読み切れない。そこで選挙結果に関係なく稼げるとしてマネーが向かっているのが米株の変動性指数(VIX)、別名「恐怖指数」への投資だ。(途中略)

VIXは米S&P500種株価指数のオプション価格から算出する指数で、投資家による株価の振れ幅の予想を示す。たとえば金融危機や戦争、災害などで相場の先行きが不透明になるとVIXは上昇しやすい。(途中略)VIXへの投資はこうした不安心理の高まりを逆手に取ったといえる。接戦で投開票日に近づくほど投資家の不安は高まりVIXが上昇するとみる。過去の経験則からも大統領選前はVIXが上昇しやすい。2020年、16年を振り返ると2ヵ月ほど前からじりじり数値が上がり、投開票日の数日前にピークを迎える。(途中略)

今年も波はあるにせよVIXの数値は少しずつ上昇している。株式だけでなく、米国債相場の変動幅予想を示す数値も22日に10か月振りの高水準をつけた。この指数を作成したハーレー・バスマン氏は米ブルームバーグ通信の取材に「(大統領選の行方が)全く分からないからこそ、投資家はリスクを抑えようとしている」と話す。例年、VIXは投開票日が過ぎると一気に下がるケースが多い。(途中略)ただ、接戦が続くと結果判明に時間がかかるほか、どちらかの当確が出ても相手側がすんなり認める可能性は低い。共和党支持層の2割がトランプ氏が敗北しても「結果を拒否し(大統領に)就任すべきだ」と答えるなど、選挙後も混乱が続く恐れがある。(途中略)』

2023/05/01『全米14位ファースト・リパブリック銀行の実質破綻と「債券と株式の恐怖指数の乖離」』のT-Modelコラムにおいて、

『冒頭の記事で、元メリルリンチのディレクターで1994年にMOVE指数を設計したハーレー・バスマン氏は『米国株のボラティリティー指標であるVIXとMOVEが異なるシグナルを送ることは時々あるが、過去の例では長続きすることはない。』と現在のVIX指数の不自然さを指摘。また、シンプリファイ・アセット・マネジメントのマネジングパートナーを務めるバスマン氏は「VIXが上昇するのは時間の問題だ」、「過去30年を通じて、イールドカーブの形状とクレジットスプレッド、インプライドボラティリティー(IV、予想変動率)には大きな相関があった。VIXもMOVEも含めた全てのボラティリティー指標でそうだった。あらゆるリスク指標は長期的には強い相関を持つ」と、リーマンショック時のような先行するMOVE指数をVIX指数が追いかけるかたちを想定している。さて、どのようなことをきっかけそれが表れるかが注目である。 』と指摘した。

冒頭の記事にあるように、「MOVE指数」は10月21日週127.48と10か月振りの高水準を付け、「MOVE指数-VIX指数(移動平均)」は直近92.7と、24年7月17日週80.8をボトムに「VIX指数」との乖離が再び大きくなり始めている。2007年10月や21年12月からの株価急落局面はこの「MOVE指数-VIX指数(移動平均)」が平均を超えると始まっている。そして、同指数が逆に、下落する過程で株価は上昇している。だが、2023年5月8日週120でピークを打って以降、同指数が高止まりするなかでも不自然に株価上昇を続けており、「株価操縦」されている実態が明らかだろう。今後は同指数が再び上昇し始めており、それでも株価が上昇を続けられるかが注目される。

また、現局面で「恐怖指数」で注目すべき大きな変化も表れている。それは米商品先物取引委員会(CFTC)により毎週公表している「VIX指数先物のポジション」の投機筋の建玉が2024年5月20日週866.8万枚と、18年4月以来、約6年振りにネットロングポジションに転じたことである。これまでは投機筋がVIX先物を大量に売りこむことでボラティリティを抑え、株価吊り上げに利用されてきたが、2024年からはそれが変化し始めている。何故、投機筋がこれまでのネットショートポジションを解消したのかは分からないないが、少なくとも「VIX指数」がこれまでよりは上昇しやすくなり、それは株価のボラティリティが上昇させて、株価が下落する可能性が高まることを意味する。「MOVE指数」と「VIX指数」の両「恐怖指数」から目が離せないタイミングが近づいている。

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