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米財政赤字 防衛費超危険水域に

米財政赤字 防衛費超危険水域に

24年度の米財政赤字は1.8兆ドル超と過去3番目の規模

2024年10月20日ロイターは『米財政赤字、24年度は1.8兆ドル超で過去3番目の規模 利払いが圧迫』を報じている。

『米財務省が18日に発表した2024年度(23年10月─24年9月)の財政赤字は1兆8330億ドルに拡大し、コロナ禍の時期を除き最大となった。債務の利払いは初めて1兆ドルを超え、社会保障、医療、軍への支出も膨らんだ。財政赤字は23年度の1兆6950億ドルから8%(1380億ドル)増加。20年度の3兆1320億ドル、21年度の2兆7720億ドルに次ぎ、過去3番目の規模となった。23年度の赤字はバイデン大統領の学生ローン返済免除計画が連邦最高裁で差し止められ、その関連費用3300億ドルを取り崩すことで縮小した。これがなければ2兆ドルを超えていた。

24年度の財政赤字の対国内総生産(GDP)比は6.4%で、前年度の6.2%から悪化した。大統領選を11月5日に控え、トランプ氏より優れた財政運営を主張するハリス氏にとって逆風となる可能性がある。24年度の歳入は前年比11%(4790億ドル)増の4兆9190億ドルで過去最高。個人所得税と法人税の増加が寄与した。歳出は10%(6170億ドル)増の6兆7520億ドルだった。』

以前から生活防衛の教室リアルセミナーでもご報告してきた通り、政府債務の利払いは1兆ドルを超え、税収の35%、GDP比4%弱に達している。これは米国の防衛費を上回る異常な水準で、政府債務は対GDP122%と過去最高に達した。

その水準自体が危険水域なのだが、それ以上に問題なのは借金を増やすことでしか米国の景気を維持できなくなっている経済構造にある。 米財政黒字・赤字対GDP比と米失業率を比較すると明らかで、2015年以降、好景気でも財政黒字とはならない経済構造となっており、好・不況に関係なく借金は増え、特に、不景気になると借金の増大スピードは加速する。米国経済を維持するには、この拡大し続ける借金、つまり、増大する米国債をいつまで消化し続けられるかにかっかっている。一部の市場関係者は米国経済は一人勝ちとか、絶好調などと考えている人もいるが、どこを見ているのか。

米国政府債務残高対GDP比は過去、「約80年サイクル」でピークを打つ傾向があり、今回も仮に80年でピークを打つとすると2026年になるが、本当にそれまで持つのか。そこまで持たせるためにもこれ以上の金利上昇は避けなければならず、9月の政策金利の0.5%の引き下げはその一環と見ることもできるが。それと過去、ピークを打つ前に内外の戦争終結が共通しており、今回は何が終結することでビークを打つかが注目される。

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