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英中銀が12月に続き追加利上げ、量的引き締めも着手


英中銀が12月に続き追加利上げ、量的引き締めも着手

22年2月4日日経新聞に『欧州に緩和修正圧力~ガス高騰、インフレ長期化懸念』が報道されている。

『欧州の中央銀行が金融緩和策の修正を迫られている。英イングランド銀行(BOE)は3日、インフレ抑制のため追加利上げや量的引き締めに踏み切った。欧州中央銀行(ECB)も早期利上げへの慎重姿勢から変化をみせ、米連邦準備理事会(FRB)など世界の主要中銀は相次ぎ緩和縮小にカジを切る。新型コロナウイルス禍が長引くなか、拙速な金融引き締めは景気を冷やしかねず政策運営は一段と難しくなってきた。

英イングランド銀行は3日に政策金利を年0.5%として前回2021年12月から追加利上げに動いた。インフレが「一時的」というかつての見方は崩れ、想定より長引く恐れが強まったためだ。英エネルギー規制当局は3日、消費者向けの電気・ガスの標準単価上限を4月から54%引き上げると表明した。さらなる物価高が避けられない。ベイリー総裁は3日の記者会見で「利上げしなければ物価高のリスクがより高まり影響はさらに悪化する」と語った。インフレが家計を圧迫し需要を冷やすと強調した。

ECBも今後の利上げ時期に焦点が移る。3日の理事会では現状の金融政策を維持したものの、コロナ危機対応で導入した緊急買い取り制度を3月末で打ち切るなど段階的に緩和縮小を進める方針だ。緩和縮小を加速させるのか、新しい経済・物価見通しを示す3月の次回理事会で議論する。ラガルド総裁は理事会後の記者会見で年内の利上げについて聞かれると「とてもありそうにない」としてきたこれまでの発言を封印。「データ次第だ」と言いぶりを変えた。態度を変えたのは1月の物価上昇率が過去最高の5.1%になるなど「サプライズ」が続いたためだ。これまでは物価上昇は一時的としてきたが、「想定していたよりも長く高止まりする」と指摘。前回理事会の12月時点と比べて「物価見通しのリスクは上方に傾いている」とした。

(途中省略)
景気持ち直しの動きが鈍いにもかかわらず、金融市場はインフレに着目して利上げを織り込んできた。ECBについては、年末までに0.2~0.3%程度の利上げがメインシナリオだ。実際に利上げに踏み切れば、欧州債務危機下でインフレ懸念が強まっていた11年7月以来となる。3日の欧州市場ではラガルド総裁の記者会見を受けてさらに利上げ観測が高まり、主要国の国債利回りが急上昇(債券価格は下落)した。ドイツ10年債は前日の0.04%前後から0.15%程度まで上げ、19年3月以来の水準をつけた。ユーロの対ドル相場は1ユーロ=1.12ドル台後半から1.14ドル台前半へ跳ね上がった。』

2021年12月の前回から2会合続けて利上げした英イングランド銀行(中央銀行)はコロナ後に量的引き締め(QT)に踏み切るのは主要国で初めてで、世界の中銀の先導役となりそうだ。国債と社債を合わせた残高は21年末に、上限の8950億ポンド(約139兆円)に到達したが、3月の償還分(279億ポンド)から再投資をやめ、今後、政策金利が1%に達した段階で積極的な市場売却も検討する。

英国では消費者物価指数(CPI)の上昇率が1992年3月以来、約30年ぶりの伸び率を記録し、インフレの抑え込みへ金融引き締めが必要だと判断したためだが、世界の中央銀行が物価高抑制を目的に実施しようとしている政策金利の引き上げは、以前から何度も指摘しているように物価高抑制には限定的である。何故なら、今回の世界的な物価高はコロナショック以降の世界の中銀による緩和マネーがもたらしたもので、高騰する原油価格をはじめとするエネルギー価格の上昇もこの「緩和マネー」が原因と考えられるからである。従って、本気で物価抑制をしたいのであれば政策金利の引き上げよりも先に緩和マネーの縮小を先行させることが重要なのである。

T-Modelオリジナル分析の「英消費者物価-英10年債利回り」は21年12月4.4%と、89年1月以降で最大となっており、極めて不安定な金融市場に置かれているが、ユーロ圏も英国と同様、T-Modelオリジナル分析の「ユーロ圏消費者物価-独10年債利回り」は21年11月5.2%と、91年1月以降最大となっている。同指標が大きくなればなるほど、それだけ大きなショックが起きやすいことは過去の歴史が証明済みで、同指標を修正するための消費者物価を下げるか、10年債利回りを上げる政策が早期に必要なのである。ECBのラガルド総裁はQTに消極的だが、先行して英イングランド銀行の金融政策を追随せざるを得ないだろう。市場は世界の中銀が波乱なく金融政策を正常化できると信じているかもしれないが、イングランド銀行の声明でエネルギー高騰など最近の物価高要因について「金融政策で防ぐことはできない」と記しているように、今回の物価高の原因が分かっていない。世界の中銀の過度な期待は禁物なのである。

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