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「失業ショック」の2023年


「失業ショック」の2023年

22年12月2日ブルームバーグニュースは『2023年の失業ショックに備えよ、米株は戻り売りを-BofA』を報じている。

『バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、米金融政策の転換期待に基づく株式投資家の楽観は行き過ぎているとの見方を示し、来年に見込まれる失業者急増に備えて今は上昇局面での売りを勧めた。マイケル・ハートネット氏らストラテジストはリポートで、「今年はインフレが実体経済の消費者心理に衝撃を与えた。来年はそれと同様の衝撃を失業が引き起こすことになると、当社を含め弱気派は懸念している」と説明した。

リポートによれば、世界の株式ファンドからの週間資金流出は3カ月ぶり高水準だった。「ここからはリスク資産の上昇に乗じて売っていく」として、23年上期には株式よりも債券を選好する考えをあらためて示した。米連邦準備制度がリセッション(景気後退)を回避しつつインフレを抑え込むことができるとの期待を背景に、株式相場は過去2カ月に上昇。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が今週、利上げペース減速の用意があると示唆したことで楽観は強まった。(後は省略)』

2021年11月29日『『昨年の「成長ショック」、今年の「インフレショック」に続き、来年は「金利ショック」の一年』』のT-Modelコラムにおいて、

「2021年11月23日ブルームバーグは『来年は「金利ショック」の年、市場に弱気-BofA』を報道している。

『バンク・オブ・アメリカ(BoA)のストラテジストは、来年の市場に弱気な判断を示し、投資家に資本の保護に集中するよう促した。インフレ加速や金利上昇によって世界的に資産価格動向が一変するとの見方が背景だ。マイケル・ハートネット氏ら同行のストラテジストは顧客向けリポートで、ボラティリティー指標や原油、エネルギー、米ドル、実物資産に対するロングポジションを含む推奨するマクロトレードを挙げた。昨年の「成長ショック」、今年の「インフレショック」に続き、来年は「金利ショック」の一年になると指摘した。同ストラテジストはリポートで、「資本保全が来年のテーマに浮上するだろう」との見方を示した。』

記事は、『インフレ加速や金利上昇によって世界的に資産価格動向が一変する』、『昨年の「成長ショック」、今年の「インフレショック」に続き、来年は「金利ショック」の一年になる』と指摘しているように、来年は「金利」の動向で株価を下落させる可能性があると指摘。

先週、世界的な株価急落が起きたが、来年の株価下落の前兆なのか?市場では、その原因を南アフリカ共和国での新型コロナウイルスの新たな変異株(オミクロン株)発見と解説しているが、それが原因というよりは、むしろ、それを利用して12月の日米メジャーSQに向けての投機筋が相場操縦を開始した可能性がある。実際、米長期金利が1.6%台から1.4%台に急落して債券高となり、株式市場から債券市場にお金が流れていることからも本格的なショックでないことを示している。

T-Modelやバンク・オブ・アメリカが予測するショックは、金利上昇による株価急落、つまり、債券と株式が共に下落する株安・債券安であり、先週の急落局面とは市場の動きが異なる。 』と指摘した。

このように、昨年の今頃、冒頭の記事のバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストチームの記事を紹介した。何故なら、T-Modelと同様の見方をシンプルかつ、端的な表現で分りやすく示してくれているからである。22年11月26日に開催した今年最後の「生活防衛の教室リアルセミナー」では米雇用と株式市場の関係を詳しく説明したが、一言で表現すればまさに「失業ショック」の2023年なのである。

また、このバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストチームは「逆イールド」についても言及し、ブルームバーグニュースは2022年11月30日『米イールドカーブ正常化へ、当局が23年終盤利下げに転換で-BofA』を報じている。

『2年債と10年債利回り、2023年末までにともに3.25%になると予想 ·

景気鈍化の兆し来年1-3月末ごろに現れ、当局は政策金利維持へ 米金融当局者は高止まりするインフレに対処するため来年の金融政策引き締め継続を示唆しているが、バンク・オブ・アメリカ(BofA )は当局が方針を転換するとの見方を変えていない。

ストラテジストらは、米金融当局は労働市場の悪化を受け2023年終盤に利下げを余儀なくされると予想。これは米国債利回り曲線の重要な分野の正常化につながる見通し。積極的な利上げを背景に短期利回りは今年半ば以降、長めの債券利回りを上回り、逆イールドと呼ばれる現象がもたらされた。これは長年の経験則で見ると、景気下降の予兆とされる。』

T-Model理論では、10年債と2年債の「逆イールド」が正常化すると「バブル崩壊の本番を迎える」と指摘してきたが、バンク・オブ・アメリカ(BofA )の予測を前提にすると、2023年がその本番を迎えることになる。多くの市場関係者が期待するFRBによる政策金利の引き下げが「逆イールド」解消で米国株式市場のバブル崩壊の引き金となることをどれだけの人が気付いているのだろうか。

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