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「関東-全国の差」がチャイナショックの水準まで悪化した「19年4月景気ウォッチャー調査」

190524塚澤

「関東-全国の差」がチャイナショックの水準まで悪化した「19年4月景気ウォッチャー調査」

内閣府は19年5月14日、「2019年4月景気ウォッチャー調査」を発表。同指標は株価の1~2ヶ月先行指標で政府統計では最も有効。

2019年4月「街角景気」の現状判断DIは前月比+0.3%Pの47.0%(原数値)と改善。ただ、水準は景気の別れ目となる50%を12ヶ月連続で割り込み、前年比ベースでも-3.9%と12ヶ月連続マイナス圏に陥っている。米中貿易摩擦の影響で採用を抑える動きなどのほか、10連休前の節約志向が一部の小売りなどで売り上げの重荷になった。メディアでは、2016年10月分から発表を開始した「季節調整値」を使用しているが、現状判断DIは前月比+0.5%Pの45.3%と改善したが3月の大幅減からの戻りは鈍い。方向は同じだが、原数値よりもより悪化しているように表れている。

T-Modelにおいて「景気判断」に最も重要なのは移動平均との乖離幅で、18年6月-1.1%→7月-1.6%→8月-0.9%→9月-1.0%→10月0.0%→11月1.0%→12月0.2%→19年1月-2.7%→2月-0.6%→3月-0.5%→4月-0.1%と推移。4ヶ月連続マイナス圏に陥り、景気後退局面は継続している。内閣府の基調判断は、2月に「穏やかな回復している」に引き上げた後、逆に、3月は「このところ回復に弱さがみえる」に1ヶ月で下方修正したがそれを据え置いている。内閣府の基調判断が意味のないものかを示している好例ではないだろうか。

2─3カ月先を見る「先行き判断DI」は48.5%で前月比+0.6%ポイントと3ヶ月振りに改善。ただ、前年比ベースは-2.6%Pと7ヶ月連続マイナス圏で悪化は継続している。景気の別れ目の50%を3か月連続で下回った。「消費増税」への言及が多く、回答には駆け込み需要への期待とその反動への不安が入り交じっている。5月に入って米国の中国に対する関税引き上げの第3弾を実行するなど対立が激化したため、来月以降、更に警戒が強まる可能性がある。尚、「季節調整値」は前月比-0.2%Pの48.4%と3ヶ月連続で低下。景気の別れ目の50%を5ヶ月連続で下回った。原数値と方向が異なっており、原数値よりもより悪化している。

一方、関東地区の先行きDI(家計関連)は46.8%と前月比+0.1%Pと改善。ただ前年比ベースでは-4.1%Pと7ヶ月連続で悪化。景気の別れ目の50%を5か月連続で下回っている。全国先行きDI(家計関連)49.2%であることから、全国ベースを5ヶ月連続で下回っている。「関東-全国の差(移動平均ベース)」は、18年6月+0.8%→7月+0.8%→8月+1.1%→9月+1.2%→10月+1.1%→11月+0.6%→12月+0.5%→19年1月-0.1%→2月-0.3%→3月-0.7%→4月-1.1%と推移。同指標は18年9月に+1.2%と過去最高を記録した後、昨年11月以降、悪化が加速しており、16年1月以来となるマイナス圏の水準に陥っている。やはり、昨年10月以降の世界同時株安で東京を中心とする関東地区の一人勝ちが一気に終了したことを示している。昨年8月「トルコショック」から始まり、昨年10月の米金利上昇を契機に世界同時株安が起きて予告通りの展開となっているが、今5月も急落調整となり約半年毎に「○○ショック」のような動きになっていることを証明した。過去、同指標は07年のサブ・プライムローン問題、08年の
リーマン・ショック、11年欧州債務危機、15~16年の「チャイナ・ショック」など世界的な金融危機の局面で大きく悪化しているが、関東地区が地方に比べ世界の金融危機に左右されやすい経済構造になっているためである。同指標が昨年16年1月以来となるマイナス圏の水準に陥っているといことは、「チャイナ・ショック」的な金融危機がすでに水面下で始まっている可能性を示唆していることになる。

また、同指標は10ヶ月先の日本の株式市場を占う上でも重要な指標。同指標がフリーフォールのような急落をみせていることで、株式市場は秋以降、再度、要注意の時間帯に入ることを示唆している。ただ、同指標は昨年9月に過去最高を記録したことで、逆に、昨年10月の高値近い水準までの反発が一旦は起きることも示唆。選挙対策として4月4日に突然発表された日本郵政傘下のかんぽ生命株と、4月9日発表された日本郵政株の追加売却はそれを仕掛けるもの。かんぽ生命株の追加売却は4月だが、日本郵政株の追加売り出しは早ければ秋となる見込みで、それまでは「裁定買い残」を増やし、そして「裁定買い残」がピークを付ける時が今年の株価の高値を形成するときと一致する。また、最近ニュースでも話題になり始めている「消費増税延期」にも注目で、仮に「消費増税延期」となれば「裁定買い残」が急増し、株価も急反騰することは間違いないだろう。そして、そのケースは「衆参ダブル選挙」となる可能性が高い。早ければ6月までにはそれが判明していることになるだろう。

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