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「1940年代と似ている」


「1940年代と似ている」

2022年2月15日日経新聞に『忍び寄る「大いなる不安定」~景気短命の40年代に類似』が報道されている。

『「1940年代と似ている」。第2次世界大戦後を今の相場に重ね合わせる声が、市場で相次いでいる。供給制約や巨額の政府債務など共通点が多い。当時は物価統制と低金利から一転、インフレと金利上昇に局面が変わり景気サイクルは不安定になった。足元ではパンデミックからの景気回復には早くも息切れ感が見え、相場の冬に備えるべきだとの指摘もある。

新型コロナウイルスの感染が広がった2020年以降の経済環境は1940年代の米国と共通点が多い。戦時中は軍需が膨らむ一方で物価が統制され、国の戦費調達を容易にするため長短金利も低水準に固定された。財政と金融政策を総動員した「感染症との闘い」と相似形だ。終戦後は自動車購入などの消費も拡大し、一転して物価が急上昇した。米連邦準備理事会(FRB)は47年に0%近辺にとどめていた短期金利の固定を解除し、51年には長期金利も自由化した。需要動向や金融政策の急変で景気が不安定化し、拡大期と後退期が頻繁に入れ替わったのも40年代後半から60年代初めにかけての特徴だ。

モルガン・スタンレーの米株ストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は当時と今を重ね、コロナ禍で起きた消費爆発による好景気の寿命は短いと読む。「今後の市場の主な懸念は金融政策から景気に移る。数カ月は身をかがめて冬をやり過ごすべきだ」といい、割安で景気変動に強いディフェンシブ銘柄を勧める。同氏の予想通りなら米景気の変動は数十年ぶりに短期化する。70年代のインフレを乗り切ると80年代半ばから2000年代後半の金融危機前まで「大いなる安定」と呼ばれる長期の景気拡大が起きた。金融危機後もFRBの緩和策が景気循環を抑え、コロナショックまで過去最長の景気拡大を記録した。

40年代と今のもう一つの共通項は巨額の政府債務だ。戦費がかさんだうえ第1次世界大戦後にドイツから受け取ったような莫大な賠償金もなく、米国の名目国内総生産(GDP)比の債務残高は100%を超えた。ただし戦後は物価急騰が債務圧縮につながった点が今とは異なる。現在のFRBは早めの引き締めでこれ以上の物価上昇を防ぐ構え。インフレによる借金帳消しは政治的にも現実的ではなく今後の財政での景気の下支えは期待しにくい。バイデン米政権の大型歳出・歳入法案は民主党内の反対もあり成立が危ぶまれている。』

ようやく冒頭の記事のように、「1940年代と似ている」と考える人が出てきたようである。T-Modelでは、2020年8月の拙書『暴落はまだ終わっていない』の第6章「1940年東京五輪中止以降に起きたことが再現される?」(P191)において、

『歴史的符号ということでいえば、世界大恐慌(1929年)から太平洋戦争開戦(1941年)まで12年、リーマンショック(2008年)から12年といえば・・・コロナ・ショックの2020年です!ということは、先送りした世界大恐慌の分と戦争の分の大不況が同時に来ようとしている状況にあるといえるでしょう。それに対して「無制限QE4」を行って、さらに先送りしようとしているのが現状です。果たして、いつまで先送りできるというのでしょうか。ここで言っておきたいのは、1940年の幻の東京オリンピック以降に起きたことが、これから日本や世界で形を変えて起きるということ。いまのところ、1940東京オリンピック中止≓2020年東京オリンピック延期、太平洋戦争勃発≓新型コロナウィルス感染拡大、学童疎開≓コロナ疎開・・・と、形を変えて歴史をなぞっているようにも思えます。

その後の日本に起きることといえば、ミッドウェー海戦(≓マスコミが報じない事実上の敗戦?)、東京大空襲(≓首都機能崩壊?)、広島・長崎への原爆投下(≓地方都市の崩壊?)、終戦(≓国家としての破産?)、東京裁判(≓勝者側からの一方的なルール変更?)、ハイパーインフレ(≓今の円資産が紙切れに?)、預金封鎖・新円切り換え・資産税法(≓デフォルト・過去の清算)・・・私がたとえとしてよく使う「戦後の焼け野原」の状態も形を変えてこれからの日本に訪れることでしょう。日本は政府も国民も新型コロナウィルスが第二次世界大戦と同じものだと考えないと「負ける」可能性があるということです。』と指摘した。

このように拙書『暴落はまだ終わっていない』はまさに今の状況を言い当てているようにも思え、まだ読まれてない方は是非、読んでいただきたい。また、過去に読まれた方でも改めてもう一度読まれることをお薦めしたい。私自身、改めて読み返してみると、新たに気づくことが出てくるからである。「政府は何故、新型コロナに対してこのような対応しかできないのか?」「ワクチン摂取は歴史的にはどのような位置付けなのか?」など、今、何となく疑問に思われることも歴史に照らすと理解できることも多いような気がするのだが・・・。

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