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「AI タクシー」と「100%人工知能のヘッジファンド誕生」

AI_129772100_WMNTT ドコモは 2 月 17 日、富士通などの協力を得て開発した人工知能(AI)を使ってタクシーに乗りたい客の数を予測する「AIタクシー」を公開した。AI タクシーは、過去の乗車実績や天気予報に加え、ドコモが基地局を通じて集めた匿名の携帯電話利用者の位置情報から町中の人の動きをビッグデータ分析して予測する。乗車実績や天気予報も参考にしながら、500 メートル四方のエリアごとに 30 分後の乗車需要を 10 分単位で予測して地図に色と数字で示す。ドコモは 2016 年 6 月に実験を開始。東京無線協同組合のタクシー4425 台の乗車実績を AI に読み込ませて予測システムを開発し、タクシー12 台に搭載して効果を検証しながら完成度を高めた。予測した需要と乗車実績の件数の誤差が 20%以内におさまる確率は 9 割を超えたという。

AI タクシーを試験的に使い始めてから売り上げは 2 割増え、2 倍に伸びた運転手もいるという。実用化すれば経験の少ない運転手でも客を拾いやすいなることから、成果をふまえドコモはタクシー会社に導入を働きかける。2017 年度下期の実用化をめざす。
一方、2017 年 2 月 7 日ブルームバーグでは『100%人工知能のヘッジファンド誕生-株取引に人間の感情は邪魔か』を報道している。

『ババク・ホジャット氏は、株取引で人間は感情的であり過ぎると確信している。このため、100%人工知能(AI)に任せる新
興ヘッジファンドを始めた。コンピューター科学者でアップルの音声アシスタント「Siri(シリ)」の基盤づくりにも寄与した同氏は、「人間には偏見や感受性、意識、無意識といったものがある」として、「われわれ人間が間違いを犯すことは十分裏付けられている。私に言わせれば、データや統計が純粋に示すものに頼るよりも、人間の直感や説明に依存してしまうことの方が怖い」と述べた。

ホジャット氏はセンティエント・テクノロジーズの共同創業者だ。新興ヘッジファンドの同社は過去 10 年近くを膨大なデータを調査してトレンドを見つけ出し、株取引で学び適応しリターンを挙げられる AI システムの秘密トレーニングに主に費やした。
テクノロジー業界のベテランで構成する同社のチームは AI 活用によってウォール街のプロに対して優位に立てると見込んでいる。ブリッジウォーター・アソシエーツやポイント 72、ルネッサンス・テクノロジーズなど伝統的なヘッジファンドは先端技術に資金を投じ、アイデアを生むのに AI を利用するところも多いが、トレーディング全体を任せるというのは異例だ。

同社のチームはアマゾン・ドット・コムやアップル、グーグル、マイクロソフトなどテクノロジー企業のベテランで構成。コンピューターが自ら理解を深めていくマシンラーニング(機械学習)やデータサイエンスの金融市場への応用を目指す、シリコンバレーのグループの一角と言える。AI を活用するヘッジファンドとしてはほかに、ヌメライやエマなどが誕生している。

センティエントは今のところ自己資金のみ取引しているが、その動向は金融界や AI 業界が注視している。同社には香港の富豪、李嘉誠氏が所有するベンチャーキャピタルやインド最大の財閥、タタ・グループなどがこれまでに1億 4300 万ドル(約 160 億円)出資している。同社は内部ベンチマークを上回る成績を AI システムは挙げているとするが、ベンチマークの詳細は明らかにしない。年内に外部から投資資金を募る計画だという。』

2016/10/11『「人間はますます機械に換わる」』の T-Model コラムでは、
『「人間はますます機械に換わる」』、『「投資家は科学者と芸術家に二分されていく」』。この 2 つ文章はとても印象的であり、投資の世界だけでなく、あらゆる分野に於いてもこの流れは広がっていくことが予想される。つまり、あらゆる先端分野の仕事は、AI によって機械に置き換わり、人間に残された仕事はローテク分野という近未来が待っているのかもしれない。』、

2016/11/7『あなたはいつまで AI を使う側でいられるだろうか?』の T-Model コラムでは、
『AI を使う側にいられる間は AI は人間の良きパートナーだが、AI を操れず使われる側に回さざるを得ない人は AI に淘汰される厳しい時代が待っている。今回の記事では、既に AI に使われる人間が始まっていることを紹介しており、AI が人間の良きパートナーでいる期間はそれほど長くはないことを感じさせる。2045 年まで待たなくても 10 年~20 年後の近未来と考えた方が良いのではないだろうか。

人間にとって神にも悪魔にもなり得る AI は人間に新たな価値観を醸成し、人類の歴史を大きく変えることは間違いないだろう。
そして、それは今以上にデジタルの世界で生きる人間とアナログの世界でしか生きられない人間を二分し、新たな格差を作る起爆剤になることは避けられない。新たな産業革命が始まろうとしているのである。』と指摘した。

今回の 2 つのニュースはあらゆる仕事が AI によって機械に置き換わり、人間の経験は AI には勝てないことを示している。新興ヘッジファンド「センティエント」のサンフランシスコにあるオフィスの壁には「ターミネーター」のように AI が人間のように振る舞う世界を描く映画のポスターがところどころ貼られているらしいが、その映画の世界が現実の社会となり始めている。
いよいよ「デジタルの世界で生きる人間とアナログの世界でしか生きられない人間を二分し、新たな格差を作る」時代が迫っている。

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