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商品と株価にはどんな関係があるか?

商品と株価にはどんな関係があるか?

2024年3月16日日経夕刊に『曲がり角のAIブーム』が掲載されている。

『人工知能(AI)ブームのけん引力には陰りがみえる。15日にアドビが14%安と急落。14日夕に四半期決算と同時に発表した24年3~5月期の売上高見通しが市場予想を下回った。生成AIの機能をソフトウエアに盛り込むなど収益化に取り組んでいるが、市場の期待に応えきれなかった。

株価指数をけん引してきたエヌビディアの株価上昇にも一服感がある。15日は小幅に続落し終値が878.37ドル。8日に付けた最高値を10%下回る。エヌビディアに対するアナリストの強気見通しは変わらない。目標株価はQUICK・ファクトセットによると、目標の平均が907.43ドル。株価が前年末から8割ほど上昇した後で達成感が広がりやすいといえる。(途中略)

米経済が大きく落ち込まないまま物価上昇が沈静化し、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに転換するというのが市場のコンセンサス。景気が減速するなかで物価が高止まりする現状は、米経済のソフトランディング(軟着陸)シナリオにとっては都合が悪い。

AIブームとソフトランディングという米株高を引っ張ってきた両輪が揺らいでいる。投資家はどう動くべきか。JPモルガンのマルコ・コラノビッチ氏は「コモディティー(商品)の投資配分引き上げが、株を買い持ちしている投資家にとってはよいリスク分散になる」と指摘する。(途中略)』

JPモルガンのマルコ・コラノビッチ氏は「コモディティー(商品)の投資配分引き上げが、株を買い持ちしている投資家にとってはよいリスク分散になる」と指摘しているが、先週の日経新聞には、3月12日『NY金、初の2200ドル突破』、3月15日『銅、景況感悪化でも堅調~「ドクターカッパー」予見性陰り』など商品価格上昇の記事が躍る。著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが2月24日に発表した2023年の財務報告によると、23年10~12月期に3年振りにアップル株の保有数を1%あまり減らす一方、米石油大手シェブロンは保有株式数を23年9月末比で14%増、すでに持ち分法適用会社であるオキシデンタル・ペトロリアムも保有株式数が9%増やし、既にコモディティー(商品)の投資配分引き上げに動いている。

原油価格については、先週3月12日日経新聞に『原油上昇に「80ドルの壁」~OPECプラスの減産不発』と若干ネガティブな内容を報じているが、今3月に付けた4ヵ月振りの80ドル台乗せには重要なシグナルを含む。実は、22年6月120.4ドルと23年9月90.7ドルを結んだ上値抵抗ラインを突破した可能性が高いからで、それは、原油価格と連動する原油ブル(2038)の上値抵抗ラインを突破し始めていることからも確認できるだろう。それがより鮮明なのは商品全体を指数化した「CRB指数」で、直近3月18日週284.6に反発したことで、22年6月325.8と23年9月289.6を結んだ上値抵抗ラインを明確に突破した。以前から指摘している通り、この「CRB指数」や原油価格は米国の長期金利との連動性が高いことから、短期金利は別としても、少なくとも米国の長期金利は今後、下落する可能性は低くなったのではないだろうか。

では、この商品と株価にはどのような関係があるのだろうか。以前にもお伝えしたT-Model理論『NYダウ/CRB指数』をおさらいすると、現在は24年2月144.4倍でリバウンドのピークを打った可能性が出ている。何故、リバウンドと云ったかというと、既に、2020年4月210.8倍で大天井を打った可能性が高いからで、市場関係者の間では『米株高はブルかバブルか』の議論は絶えないが、同指数からは既にバブルの天井を打ったことを示唆する。

また、過去、同指数はNYダウに先行する傾向があり、ITバブルの時期は約6か月、リーマンショック時は約2ヵ月、コロナショック後はマネーの大量供給で参考にならないが、22年の株価急落時には同指数が22年6月96.3倍でボトム、NYダウが9月ボトムと3か月程度先行する。仮に、同指数が2月にリバウンドピークを打ったと仮定すると、同指数の先行性からすると、4月~8月にNYダウは天井を打つことを示唆するが、さてどうなるだろうか。

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