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現状判断DIが50目前まで戻した「2020年9月景気ウォッチャー調査」

現状判断DIが50目前まで戻した「2020年9月景気ウォッチャー調査」

内閣府は20年10月8日、「2020年9月景気ウォッチャー調査」を発表。同指標は株価の1~2ヶ月先行指標で政府統計では最も有効。

2020年9月「街角景気」の「現状判断DI」は前月比+5.4%Pの48.7%(原数値)と、実質5ヶ月連続改善。水準は景気の別れ目となる50%を29ヶ月連続で割り込んだが、感染拡大前の今年1月40.6%の水準を3ヶ月連続で大きく超えた。前年比ベースでも+3.0%Pと、18年4月以来、28ヶ月振りにプラス転換した8月から2ヶ月連続でプラス圏維持。Go To Travelキャンペーンなどの宿泊補助金制度を背景に、9月の4連休はほぼ満室の状況と、新型コロナウィルスの流行が一定程度落ち着いたことで街に人が戻り、飲食・サービスの景況感が急上昇していることが大きい。「Go To Travelキャンペーン」については、現状のコメントで113件、先行きのコメントで224件と肯定的な意見が多い。一方、新型コロナウイルスに関しては現状で7月661件→8月584件→9月434件、先行きで7月956件→8月871件→9月670件と凄まじい言及数は変わりないが、月を追う毎に減少していることからも落ち着き始めていることを示している。尚、メディアでは、2016年10月分から発表を開始した「季節調整値」を使用しているが、現状判断DIは前月比+5.4%Pの49.3%と5ヶ月連続の改善と、原数値と方向感が同じで違和感はない。

T-Modelにおいて「景気判断」に最も重要なのは移動平均との乖離幅で、20年1月-0.3%→2月-10.9%→3月-17.5%→4月-19.4%→5月-9.5%→6月+13.6%→7月+16.7%→8月+16.1%→9月+16.0%と推移。9ヶ月振りにプラス圏に浮上した6月から4ヶ月連続の大幅上昇で景気が急回復していることを示している。内閣府は「厳しさは残るものの、持ち直している」と3ヶ月振りに上方修正した。

2─3カ月先を見る「先行き判断DI」は前月比+6.1%Pの47.1%と、2ヶ月連続で大幅改善。景気の別れ目の50%を20ヶ月連続で下回っている。前年比ベースは+10.4%Pと、17年6月以来となる2ケタの改善。新型コロナウイルスの感染者数がやや落ち着きつつあり、Go To Travelキャンペーンなどの施策により外出も増加、さらに新たな生活様式にも慣れてきて一定水準の消費回復が先行き期待できるとの見方が広がっている。尚、「季節調整値」は前月比+5.9%Pの48.3%と、2ヶ月連続の大幅改善。景気の別れ目の50%を22ヶ月連続で下回ったが、原数値と同じ傾向で違和感はない。

一方、関東地区の先行きDI(家計関連)は前月比+5.5%P の46.7%と、2ヶ月連続で大幅改善。景気の別れ目の50%を22か月連続で下回っているが、前年比ベースでは+10.0%Pと18年9月以来、23ヶ月振りにプラス圏に浮上した8月に続き、17年6月以来の2ケタの大幅な伸び。全国先行きDI(家計関連)47.2%であることから、全国ベースを3ヶ月振りに下回った。ただ、「関東-全国の差(移動平均ベース)」は、20年1月+0.7%→2月+0.6%→3月+0.2%→4月-0.2%→5月-0.5%→6月-1.3%→7月-1.6%→8月-1.6%→9月-1.6%と推移。新型コロナウイルスの感染拡大で、一時、1930年代の「世界大恐慌」レベルに実体経済が悪化したが、FRBによる驚くような資金供給で3月時点の世界的金融危機を避けることができた。ただ、4月-0.2と5ヶ月振りのマイナス圏に陥った後、5月-0.5%→6月-1.3→7月-1.6%%→8月-1.6%%→9月-1.6%%と6ヶ月連続で急落し、新たな世界的金融危機を示唆し始めている。尚、過去、同指標は07年のサブ・プライムローン問題、08年のリーマン・ショック、11年欧州債務危機、15~16年の「チャイナ・ショック」など世界的な金融危機の局面で大きく悪化、それは関東地区が地方に比べ世界の金融危機に左右されやすい経済構造になっているためである。

また、同指標は10ヶ月先の日本の株式市場を占う上でも重要な指標。同指標19年6月までフリーフォールのような急落をみせたことで、株式市場は特に、昨年末から今年の年始頃から要注意の時間帯に入ることを警告し続けていた。実際、20年の年明けからイラク戦争勃発に始まり、今回の「コロナショック」による「リーマンショック」を超える記録的な株価急落、同指標の「フリーフォール」のような急落の予告を証明した。また同時に、同指標は今年4月をボトムに急上昇していることで今回の新型コロナのマーケットへの影響が春頃には一巡し、急速に株価が戻ることも示唆していた。こちらもナスダック総合指数、S&P500両指数がともに過去最高値を更新したことで証明済みだろう。ただ問題は、ここまで的確にマーケットを予告してきた同指標が11月の大統領選挙を境に、再び、今回のコロナショックのような急落を示唆する危険な時間帯を示唆していることである。何をきっかけに急落するのか、そして、それが急落調整で終わるのか、それとも暴落に発展するのか。また、そもそも急落は本当に起きるのか、など大統領選挙後は誰より注意すべき時間帯に入ることだけは忘れないことである。また、9月14日菅新総裁誕生の裏で噂されていた年内の衆議院解散・総選挙が来年にズレ込んだとの報道だが、このことが菅政権にとって良い判断だったのかどうか。大統領選挙後に予告通りにマーケットが急落するようだと、菅政権にはマイナスに働くことになるのだが・・。

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