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2000年ITバブルと同様に、株式は債券に比べ超割高


2000年ITバブルと同様に、株式は債券に比べ超割高

23年10月12日、Yahoo!financeは『The last time US stocks were this pricey relative to the debt market, the S&P 500 crashed 50%(前回米国株が債券市場に比べてこれほど割高になったのはS&P 500が50%暴落した時だった)』を報じている。

『インサイダー独自の調査によると、株価評価はますます膨らみ、調整のリスクが高まっているようだ。特に、その指標の 1 つは、株式と債券市場の相対評価である。世界的な分析プラットフォームKoyfinのデータによると、S&P500指数は今年8月、米国の社債市場を追跡する指数と比較して、ドットコムブームのピーク時に最後に見られた水準まで上昇した。 最近の株価下落にもかかわらず、この指標は依然としてその高値付近を維持している。

最後にこの指標がここまで上昇したのは 2000 年の春で、その後、数年にわたる株価の暴落が続き、2000 年 3 月から 2002 年 10 月の間に S&P 500 は 50% 暴落した。』

教科書的に債券価格と株価の関係を考えると、不景気で株式が下落するときには債券価格は上昇(金利は低下)、一方、好景気は株式が上昇し、債券価格は下落(金利は上昇)する。つまり、債券価格は株価と逆相関の関係があるため、投資ポートフォリオにはリスクの度合いで株式と債券に分散投資している。

米国債券インデックスをNYダウと比較すると、

ITバブル崩壊の時期は、1999年12月11497ドル→2002年9月7591ドルと-34%下落するなか、米国債券は1999年12月1001→2002年9月1276と+27%上昇、

リーマンショックの時期は、2007年10月13930ドル→2009年2月7062ドルと-49%下落するなか、米国債券は2007年10月1670→2009年2月1581と-5%下落、

コロナショックの時期は、2019年12月28538ドル→2020年3月21917ドルと-23%下落するなか、米国債券は2019年12月3243→2020年3月3170と-2%下落と大きく違う。

だが、今回は一回目の下落で、2021年12月36338ドル→2022年9月28726ドルと-21%下落するなか、米国債券は2021年12月3533→2022年9月2973と-16%下落と、債券価格は株価と同様の動きをしている。これまでとは両者の関係は異なってきているが、これは債券も株式と同様、バブルであることを示唆すると同時に、不景気の物価高である「スタグフレーション」を示唆しているのかもしれない。

冒頭の記事が指摘する、「株式/債券の比率」を振り返ると、「NYダウ/債券インデックス」は99年12月11.48倍、22年11月11.82倍と「ITバブル」と同じ水準に達し、一方、「ナスダック/債券インデックス」も2000年2月4.69倍、23年7月4.65倍と「ITバブル」と同じ水準に達している。記事で紹介するS&P500と近い動きは「ナスダック/債券インデックス」に近い。昨年9月をボトムに債券も株式も反発しているが、株式に比べ債券の反発が小さいが、どちらが正しい動きを示しているのか?「株式/債券の比率」がピークを付けるときはバブルがピークの時だが、「実質金利」と逆相関の関係がみることから、いずれ同比率は下落する可能性が高い。それが迫ってきているのである。

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