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FRBが3年で最大420兆円圧縮


FRBが3年で最大420兆円圧縮

2022年4月8日日経新聞に『FRB、「量」も引き締め 3年で最大420兆円圧縮』が報道されている。

『米連邦準備理事会(FRB)が量的引き締め(QT)と呼ばれる資産圧縮に5月にも乗り出す。3月に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が6日公表され、前回(2017~19年)の倍となるペースで圧縮する計画が明らかになった。最大では3年で3.4兆ドル(約420兆円)減らす計算になる。政策金利の引き上げに続き「量」でもインフレの封じ込めを優先する。議事要旨の主要な内容をもとに米金融政策の行方を読み解く。

「急速なインフレと労働需給の引き締まりを考えると、(5月の)次回会合で資産残高の圧縮を始めることが正当化される」

議事要旨によると、FOMCの参加者は月950億ドルを上限に、早ければ次回の5月会合から資産圧縮を始めることでおおむね合意した。内訳は国債が600億ドル、住宅ローン担保証券が350億ドル。償還が来た債券の再投資を停止する手法で保有額を減らしていく。

FRBが前回、資産圧縮に取り組んだのは17~19年。このときは上限を順次引き上げたが最大でも500億ドルにとどまった。資産残高が4.5兆ドルから3.7兆ドルになったところで金融緩和に転換した。今回の圧縮ペースは単純計算で当時の2倍に近い。

新型コロナウイルス禍に対応する大規模緩和で9兆ドルまで膨らんだ資産をどこまで圧縮するのか。FRBは明示していないが、上限額で3年続けると3.4兆ドルの圧縮が進む計算になる。米証券ジェフリーズのアネタ・マルコウスカ氏は一定の条件を置いたうえで、4年後に5兆ドル台まで減るとの試算を示した。米ゴールドマン・サックスは25年に6兆ドルになると想定している。(後は省略)』

また同日の関連記事では『米「カネ余り」出口難路~量的引き締めペース速く』を報道している。

『5月中旬にも保有資産の圧縮を始め、削減枠を段階的に月950億ドル(うち米国債は600億ドル)まで広げる。前回(2017~19年)ピーク時の500億ドル(同300億ドル)を大きく上回る。米国債の圧縮計画を点検すると大規模な資産削減を早く軌道に乗せたい意図が読める。保有債券の売却ではなく償還による「自然減」を軸としつつ、再投資額の調整で削減ペースを制御する手法は踏襲した。違いはスピードとペースだ。前回は1年かけて削減枠を少しずつ大きくしたが、今回は3カ月あまりで上限に持っていく。自然減を軸にした方法だと、償還額が少ない月には削減枠が余ってしまい、思ったほどのペースで資産圧縮が進まないことも多い。そこで長期債の償還を優先しつつ、償還が少ない月には短期債の償還分を充てて削減枠の余りを穴埋めする。短期債を「調整弁」に使い、なるべく上限に近い削減ペースを維持する。

FRBが持つ米国債の残高は新型コロナウイルスの危機対応で2.5兆ドルから5.8兆ドルに膨張した。金融危機後は6年ほどで2兆ドル増えたのに対し、今回は2年で3兆ドル超の勢いで増えた。少し前まで市場では「QTを決める米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げは休む」との声が多かった。次回5月会合は0.5%の大幅利上げとQTを同時に決める可能性が高い。FRBがいかにインフレ鎮圧を焦っているかがわかる。QTを急がなくてはインフレの炎に油を注ぎかねない。長期金利が低く抑えられたままだと投機や借金をテコにした経済活動を刺激し続けてしまう。市場や人々の中央銀行への信認をつなぎとめ、インフレ予想の上振れを防ぐ思いもある。問題はインフレ鎮圧を最優先するあまり、自ら演出した極端な「カネ余り」に急激な逆回転を引き起こしかねない点だ。FRBは米国債などを買った分だけ市場にお金を流し込んできた。QTは市場に出回る余剰マネーを回収する意味を持つ。(後省略)』

後者の記事の最後に『インフレ退治の金融引き締めが景気腰折れにつながらないかが目下の焦点。ここに金融市場の波乱まで加われば、FRBの苦境はさらに深まる。』との指摘がある。今回の引き締めは誰も経験したことのない実験で、市場がどのような反応を示すかは政策を実行してみないと分からないというのが市場関係者の本音なのではないだろうか。

また、4月5日日経夕刊『経済楽観戒め重鎮の警鐘』の中で、

『極め付きは米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミーダイモンCEOが発した警鐘だ。「米連邦準備理事会(FRB)の利上げは市場予測を大幅に上回る可能性があり、量的引き締め(QT)も強まる」「(金融引き締め)過程では多くの混乱を招き、市場も非常に不安定になるだろう」。

(途中略)

リーマン危機などあまたの修羅場を乗り越え、かねて米経済に強きの見通しを貫いてきたダイモン氏だけに、先行きの楽観論を戒めるような発言は投資家にも重く響いたはずだ。』と指摘する。

今回の金融引き締めでマーケットはどのように反応するのだろうか。T-Modelの分析は至ってシンプルで、「インフレ退治」に必要なことはQT(量的引き締め)であり、政策金利の引き上げは基本的に必要ないと考えている。むしろ、政策金利を引き上げることで短期金利が上昇し、その結果、「逆イールド」が発生する金融緩和策によってバブルをより大きくしてしまっているのが現状だろう。20年3月に起きた「コロナショック」において、FRBは2度の緊急利下げで株価をより下落させる政策ミスを行ったが、今回はその逆の政策ミスを行っていることになる。冒頭の記事で「新型コロナウイルス禍に対応する大規模緩和で9兆ドルまで膨らんだ資産をどこまで圧縮するのか。FRBは明示していないが、上限額で3年続けると3.4兆ドルの圧縮が進む計算になる。米証券ジェフリーズのアネタ・マルコウスカ氏は一定の条件を置いたうえで、4年後に5兆ドル台まで減るとの試算を示した。米ゴールドマン・サックスは25年に6兆ドルになると想定している。」と指摘しているが、ここから3年以上も今回想定したペースでQTを続けられるかはなはだ疑問である。今年FRBが実行するQTだけでも株式市場の下落が予想以上に大きくなる可能性もあり、それを米政府が容認したままで3年以上もQTを続けられるのか。それよりも2025年に向けてドル基軸通貨が問われる「ブレトンウッズ3」に向けて動く時間帯でもあり、今回のQTは現在の通貨制度と合わせてみていく必用があるのではないだろうか。

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