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『米クレジットカード残高、初の1兆ドル突破』は本当に問題なし?


『米クレジットカード残高、初の1兆ドル突破』は本当に問題なし?

2023年8月9日ブルームバーグニュースでは『米クレジットカード残高、初の1兆ドル突破-消費者信用の拡大示唆』が報道されている。

『米国のクレジットカード残高が4-6月(第2四半期)に初めて1兆ドル(約143兆円)を超えたことが、ニューヨーク連銀のデータで明らかになった。米経済が新型コロナウイルス禍から回復する中、消費者信用が一段と拡大していることが示された。

同連銀の8日のリポートによると、クレジットカード残高は4-6月に450億ドル増加して、1兆300億ドルとなった。支払いが滞っている消費者の比率も上昇している。延滞率はコロナ禍前の水準に戻っているが、直近の2四半期は「いくらかの安定化を示しているようだ」と、同連銀のエコノミストは公式ブログで指摘した。「金利上昇やコロナ禍後のインフレ圧力、最近の銀行破綻など、米消費者は過去1年間に多くの向かい風を受けてきたが、消費者の間に金融ディストレスが広がっている兆候はほとんどない」とエコノミストらは記した。』

NY連銀の「消費者にとって多くの逆風があったにも関わらず、金融不安はあまり広がっていないようだ」との指摘だが、本気でそんなことを思っているのだろうか。

クレジットカード残高が1兆ドルに達する中、米国の小売り売上高は6000億ドル前後で横ばい推移。また、CPIを除いた米国小売り実質売上高(自動車を除くコア)前年比は23年6月-2.5%と「コロナショック」以来のマイナスとなっているからである。同指標がマイナスに陥るのは、「コロナショック」以前は、01年の「ITバブル崩壊」、09年の「リーマンショック」の時期しかなく、すでに「〇〇ショック」入りしている可能性を示唆する。さらに、クレジットカードの貸倒償却率4~6月5.08%と、コロナショック前の19年10~12月5.32%に迫り、前年比ベースでは+51%増と2003年の統計開始以降で過去最高のペースで悪化している。また、1985年以降、クレジットカードの平均金利の最高は1991年7月の19%だったが、先週、20.53%という新記録を達成した。例えば、平均的なアメリカ人が5,000ドルの借金を負っている場合、現在の年利水準が続くと最低限の支払いで借金を完済するには約309か月と21,537ドルの利息がかかることになるという。

特に、家計債務全体でこれまでと異なるのはカードローンの1.6倍規模の自動車ローンで、自動車ローン残高がリーマンショック前のピーク06年7~9月0.82兆ドルだったのに対し、23年4~6月1.58兆ドルと約2倍に膨み、クレジットカードよりも返済の優先順位が高いにもかかわらず貸倒償却率は23年4~6月2.41%とコロナショック前のピークである2020年1~3月2.37%を上回り、前年比ベースでも約40%とリーマンショック時のペースで悪化している点である。ここにきて米銀行が貸出基準を引き上げている点も貸倒を加速させる要因だが、米政府がコロナ対策で打ち出した学生ローンの支払い猶予措置が8月末で打ち切ることも状況をさらに悪化させる可能性が高い。忖度したお抱えエコノミストの意見を真に受けていると未来を間違えるのは、我が国と変わらないようである。

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