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何故、ビットコインはFTX破綻の昨年11月以来の急落となったのか?


何故、ビットコインはFTX破綻の昨年11月以来の急落となったのか?

2023年8月18日ロイターは『ビットコイン、2カ月ぶり安値更新 マスク氏企業の売却報道材料か』を報じている。

『 暗号資産(仮想通貨)のビットコインが18日の取引で2カ月ぶりの安値を更新した。最近は狭いレンジ内で推移していたが、世界的に投資家のリスク選好度が低下しており、レンジを下抜けた。ビットコインは前日、7.2%安と、暗号資産交換業
大手FTXが破綻した昨年11月以来の大幅な下げを記録。18日もさらに値下がりし、アジア時間の取引で6月16日以来2カ月ぶりの安値となる2万6172ドルまで下げた。(途中略)

ビットコインは昨年、暗号資産関連会社の破綻が相次ぐ中、急落したが、今年は緩やかに回復し、ここ数カ月は3万ドル近くで推移していた。前日からの下げについて、一部アナリストは、イーロン・マスク氏の宇宙事業会社スペースXが、保有するビットコインの評価を3億7300万ドル引き下げた後、売却したという米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道が材料と指摘した。』

2021/04/19『「VIXショック」当時に似ているビットコインと株式の連動』のT-Modelコラムにおいて、

『セミナーでも指摘してきたように、ビットコインと株式市場が連動しているのは17年~18年以来。当時は、ビットコインが2017年に10倍以上に急上昇する一方、ダウ平均は2017年12月にトランプ減税法案が可決され、18年1月26日史上最高値26616ドルまで上昇。だが、2月2日発表の1月雇用統計で平均時給が予想を上回る伸びを示し、米長期金利が大幅上昇。ダウ平均は1月26日高値から4月23日安値23344ドルまで3272ドル、-13%の急落となり2018年の最安値を付けた。「VIX指数」は2月6日に50を超える水準まで上昇、これが18年2月に起きたいわゆる「VIXショック」である。

今回も昨年6月頃からビットコインが約7倍に急上昇するなか、NYダウは2つの追加経済対策法案が可決され史上最高値を更新しており、17年~18年に良く似ている。17年~18年当時は米長期金利の上昇で「VIXショック」が起きたかのように見えるが、米長期金利は17年8月2.05%から18年10月3.23%まで上昇し続けていることから、直接のきっかけは米長期金利の上昇ではない。では、直接のきっかけは何か。それは当時10倍超に急上昇していた「ビットコイン」の急落である。

中国当局は17年末頃から仮想通貨の規制を一層強化するなか、18年1月19日には中国人民銀行(中央銀行)が全取引の中止を命じる規制強化を発表。つまり、「チャイナマネー」が仮想通貨マーケットから引いたことが暴落の原因だった。』

ビットコインは8月17日に安値25489ドルまで下落、前日から1割超下落して、6月中旬以来、2ヵ月振りの安値をつけた。先週の下落率は約11%と、FTX崩壊による昨年11月の下落率以来で最悪の週となった。メディアでは、米長期金利の急ピッチな上昇で資金がより安全な資産へシフトした他、17日にはイーロンマスク氏率いるスペースXが保有していた仮想通貨に関して減損処理し、保有していた3億7300万ドル相当のビットコインを売却、など急落の要因を指摘する。また、仮想通貨を巡っては送金事業などを手掛ける米リップル社が取り扱う「XRP」について、米証券取引委員会(SEC)が同社を提訴しており、取引規制の動向もネガティブに働いている。

ただ、T-Modelでは、今回のビットコイン急落の原因は中国で金融リスクの火種が膨らんだ影響が大きいのではないかと考えている。経営再建中の中国恒大集団は17日、米国で連邦破産法15条の適用を申請、個人や企業が投資目的で保有する信託商品の一部で償還停止が表面化するなど不動産不況を発火点に金融システムへの不安が広がったからである。

米国との金利差拡大で人民元には売り圧力が強まり、17日に一時、1ドル=7.318元と22年11月に付けた安値(7.328元)に迫った。ただ、ドル人民元が昨年11月まで急落しているのに対し、先週、急落したとはいえビットコインの水準は人民元に比べまだ高止まりしており、下落余地を残しているように見える。「ビットコインと株式市場が連動」の関係からすると、それは株式市場の下落を意味することから「ビットコイン」からは目が離せなくなってきている。

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