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やはり「インフレ再加速」、そして、やはり「市場が動揺」


やはり「インフレ再加速」、そして、やはり「市場が動揺」

2022年6月11日日経夕刊に『インフレ再加速、市場動揺』が掲載されている。

『10日のダウ工業株30種平均は前日比880ドル安で終えた。朝方発表の5月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、インフレが景気を冷やすとの懸念が強まった。CPIを警戒して前日も638ドル安で終えており、2日間の下落幅は1500ドルを超えた。市場で広がっていた「インフレはピークを過ぎた」との楽観論は雲散霧消した。5月のCPIは前年同月比8.6%上昇と市場予想と4月実績(ともに8.3%)を上回り、約40年ぶりの高さとなった。エネルギー価格の上昇が響いた。市場に動揺を与えたのはエネルギーと食品を除くコア指数の再加速だ。前月比0.6%上昇だが、小数点以下2位まで取ると0.63%上昇と4月(0.57%)を上回った。中古車価格が4カ月ぶりに上昇に転じ、コア指数の4割強を占める住宅関連の上昇率も高まった。金利に敏感なはずの耐久消費財と住宅の価格上昇が勢いづいており、金融引き締めが効いていない。

CPIの90分後に発表されたミシガン大学の消費者態度指数も相場に追い打ちをかけた。前月比14%下落の50.2と、データが遡れる1952年以降で最低を更新した。ガソリン価格の急騰が主な背景という。統計上はオイルショック、同時多発テロ、リーマン・ショック、コロナ禍のいずれの時期よりも消費者心理が悪化したことになる。

米連邦準備理事会(FRB)は6月14~15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。パウエル議長がかねて示唆してきた通り、6月と7月のFOMCでは0.5%ずつの利上げが予想されており、政策決定では無風のはずだ。だが、CPIを受けて市場ではにわかに6月会合での0.75%利上げを予想するエコノミストが現れた。その1人、バークレイズのジョナサン・ミラー氏は「物価高騰を考慮し、FRBは市場の予想以上のタカ派姿勢を見せたいはずだ」と指摘する。ジェフリーズのアネタ・マルコウスカ氏も「CPIと消費者態度指数はゲームチェンジャーだ」と0.75%に変更した。』

先週発表された米5月CPIが市場予想を上回り、インフレが再加速したと市場が動揺しているが、T-Model分析からすると「やはり!」としか言いようがない。セミナーやT-Modelコラムにおいて、「今回のインフレの原因はコロナショックを契機とした大量の緩和マネーであり、政策金利の引き上げではインフレを止めることはできない」と何度も指摘してきたからである。そして、その市場の動揺が、「金融政策のミス」を誘発する可能性があるとも指摘した。冒頭の記事にある『CPIを受けて市場ではにわかに6月会合での0.75%利上げを予想するエコノミストが現れた。その1人、バークレイズのジョナサン・ミラー氏は「物価高騰を考慮し、FRBは市場の予想以上のタカ派姿勢を見せたいはずだ」と指摘する。ジェフリーズのアネタ・マルコウスカ氏も「CPIと消費者態度指数はゲームチェンジャーだ」と0.75%に変更した。』はそれを示す好例だろう。インフレ抑制にはあまり効き目のない金利引き上げを煽るような市場関係者が増えてきて「金融政策のミス」を誘発しそうだからである。

2022/05/02『伸び悩む「巨人」 広がる失望』のT-Modelコラムにおいて、

『もう一つの重要な指標は、「NYダウの前年比」である。22年4月-2.6%と、20年10月以来のマイナス圏に陥ったからだ。1997年以降のNYダウ前年比の推移を見ると、マイナスが1ヶ月程度で済めば再度、株価は上昇するが、マイナス圏が長引いてマイナス幅が拡大するようだと大きなショックへと発展している。2ケタのマイナス圏に発展したのは2000年のITバブル、08年のリーマンショック、そして2020年のコロナショックだが、逆に、短期で終了したのは、98年、05年、2012年である。この違いは何か?NYダウの前年比と連動性が高いのは、ISN製造業景況指数とミシガン大消費者信頼感指数などの景況感の指標が悪化するか、しないかの違いだ。ISM製造業景況指数は3月57.1と高水準で問題はないが、米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる指標のミシガン大消費者信頼感指数3月59.4→4月65.2と低迷しており、NYダウの前年比マイナスが今後、拡大する可能性を示唆しているようにも見える。つまり、製造業に比べ、個人消費が悪化していることを示しており、個人消費次第では大きなショックに発展する可能性が高いのだろう。』と指摘した。

そのミシガン大消費者信頼感指数が50.2と、データを遡れる1952年以降で最低を更新した。「ガソリン価格の急騰が主な背景」らしいが、実は、この「ミシガン大消費者信頼感指数」のボトムを振り返ると、80年5月51.7、90年10月63.9、90年2月56.2、11年8月54.9%、22年6月50.2、といずれも大きな危機でボトムを形成している。同指数がまだボトムと確定した訳ではないが、1952年以降で最低を更新したということは「ロシアウクライナ問題」だけではない何か大きな危機が既に到来していることになる。そして、同指標と連動性の高い「NYダウの前年比マイナスが今後、拡大する可能性を示唆」していることにもなる。

「ミシガン大消費者信頼感指数」低迷の原因とされる現在の原油価格の上昇を「ロシアウクライナ問題」が原因と考えているようでは、ガソリン価格の上昇を止めることはできないだろう。何故なら、原油価格がボトムを打ったのはコロナショックの20年4月で、「ロシアウクライナ問題」が始まった22年2月の原油価格は既に90ドル~100ドル近い価格まで上昇していたからである。6月14日に米5月生産者物価指数が発表されるが、市場では4月実績11%→5月予想10.7%とピークアウトを予想している。仮に、消費者物価のように市場予想に反して上昇が加速した場合、再度、市場が混乱する可能性があり注目である。

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